ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

パン焼き器実験記録(2)

2006-09-29 10:55:22 | イギリスの生活
実験記録の前に我が家のパン焼き器の紹介を。というのも、kmyさんが教えてくださったHome Bakery まりの部屋を拝見したら、日本のパン焼き器はちょっと異なってとてもおもしろかったので。

我が家のパン焼き器はパナソニックSD-253。パナソニックにしようというのは、まだパン焼き器を買うなんて考えて見なかった頃から決まっていた。2~3年前になると思うが、イギリスの新聞か雑誌でパン焼き器の比較記事があったのだが、それで断然評価が高かったのがパナソニックだったのだ。アマゾンUKのレビューを読んでも(実際に買ったのは某家電量販店のサイトだが)、パナソニックのSD-253は5つ星で、どなたも絶賛(イギリス人は結構正直なので、悪いものだとボロクソにけなしてある)。このSD-253には、レーズンやナッツの投入機がついているのが売り物である。

この機械は特にイギリス仕様というのは、たぶん使用説明書兼レシピーブックゆえだろう。230Vから240V対応なので、ヨーロッパ大陸で使うのに機械的には問題はない。

パンの種類の設定は、ベーシック(白食パンと茶色の食パン)・全麦・フレンチ(砂糖をまったく含まないレシピで、耳はパリパリできめの粗い歯ざわり)・イタリアン(油分にオリーブオイルを使い、軽い味)・サンドイッチ(これはたぶん日本のパン焼き器の「ソフト食パン」にあたるのだろうと思う。耳まで柔らかくて、きめの細かい歯ざわり)があるのだが、これにさらにグルテンフリーというのがついているのが、イギリス版の特徴かもしれない。イギリスでは、グルテンを含む食物を食べられない人が増えていて、最近ではスーパーにグルテンを含まない食物を集めたコーナーもできている。この設定では、市販のグルテンを含まないミックスを使う。

早焼きコースつきで、これを使うと通常4時間かかるベーシックコースが1時間55分で焼きあがる。その分発酵過程を速めるため、レシピでは、通常大さじ半分のイーストの量が4分の3と増やされている。

このほかのコースとしては、レーズン入りコース、焼くだけコース(ケーキに近いティーブレッド用)、生地コース(ロールパンなど食パン以外の形のパンを作るときに使うらしい。仕上げはオーブンで)がある。

ほかに設定は、サイズ(M・L・XL)と耳の焼き色(薄い・普通・濃いの3つ)で、13時間までのタイマー付。

さて、第3回目は再度白食パンに挑戦。今回は早焼きコースを使い、前回の反省から風味を増すためにバターを増量し、25グラムほどにした。水の量は前回同様レシピより20ミリリットル増やして、300ミリリットル。砂糖は若干少なめにした。

今回ギャンブルしたのは、材料を入れる順番。使用説明書では、イースト・小麦粉などの固形材料・水などの液体という順番がイラスト付きで固く指示されている。が、上記のサイトでは、水を最初に入れて、小麦粉を山状に積み、その真ん中にくぼみを作ってイーストを入れるという方法を上田まり子さんは取られているということだったので、これを試してみることにした。

結果はご覧のとおり。耳の焼き色を「ダーク」にしたにもかかわらず、特に上部の焼き色は薄かった。見たところ、ふくらみが足りないようだったが、中身はふわふわで適度に空気が入っていて、味はまあまあ。

ということで、白パンはとりあえずこれで卒業ということにして、次回は全麦パンに挑戦してみたい。




ついに車が到着!

2006-09-25 18:18:25 | イギリスの生活
今日は典型的なイギリスの9月の天気とのことである。朝はもやで始まり、その後雨が降ったり止んだり。一日中曇り空であった。最高気温は21度ほどで、昨日までに比べて急に涼しくなった。

今日ついに車が到着した。8月23日以来、実に1ヶ月ぶりの再会である。いつ車が到着するかというよりは、果たして車は到着するかという疑問に変わりつつあったところだったので、実際に車を見ることができて安心した。到着してすぐに知人の修理工場に連絡を取ってもらったのだが、修理に取りかかれるのは、再来週の月曜日とのこと。やっぱりイギリスでも時間はかかる。でも、フランスの2~3ヶ月はかかりすぎ。

が、とにかく少し前に進んだ。というわけで、少なくともあと3週間はイギリスに滞在することになりそう。

世界遺産・サンテミリオン(3)

2006-09-21 12:15:43 | 旅行
サンテミリオンはブドウ畑の中に突出した丘の上に建っている。だから、坂道が多い。しかも石畳で恐ろしいほど滑りやすい。こんなのが平気で許されているのがフランス。イギリスやアメリカだったら、損害賠償の請求が殺到するのを恐れて、すでになんらかの対策が施されているところだろう。

マカロンというお菓子を買った。「アーモンドに卵白を加えて作るクッキー」ということだが、中はマジパン状。見た目はクッキーだが、歯ざわりはケーキに近い。直径8センチくらいで1個2ユーロ(約300円)であった。さすがに高いだけあっておいしい。特に今日は昼食を食べ損ねたし。

写真は教会の周りの壁から下の広場を臨む。

日曜日の午後でもさすがに観光地だけあって、ワイン店とみやげ物店は開いていた。しかも、午後4時近いというのに、レストランやビストロが開いている!観光バスから降りてくる観光客はフランス人が多かった。

この次は平日の12時近くに来てレストランで昼食を取ろうということにして、1時間半ほどの散策をこの日は切り上げ家に帰る。次回は周辺のシャトー(ワイン醸造所)にも足を伸ばしたい。

世界遺産・サンテミリオン(2)

2006-09-21 12:03:58 | 旅行
9月10日のフランスは最高気温27度くらいだった。

サンテミリオンはワインの産地としても有名である。町の周りにはブドウ畑が広がり、町の中にも多くのワイン商が店を出している。毎年9月の第3日曜日(今年は17日)に、ブドウの収穫を宣言するお祭りがある。テレビでこの様子を見たことがあるが、ジュラードと呼ばれるワインの番人たちが白いケープのついた赤のガウンを身にまとって、町を練り歩き、最後に塔の上から手を振るのは、なかなか見栄えがする。

写真は修道院の回廊跡。ここの入り口で発泡ワイン(地元産なので、シャンパンとは呼べないのだろうな)・白ワイン・赤ワインをボトルで買うとグラスを貸してくれるので、庭の中の好きなところに座り、賞味するというしくみになっている。たいへん魅力的なアイデアだったが、自動車で来たので、夫にボトル半分飲ませるわけにはいかない。ということで、断念。一回りして、ただ風景を楽しむ。

世界遺産・サンテミリオン(1)

2006-09-20 20:41:58 | 旅行
今日のイギリスはイギリスは夏の戻りでこのところ暖かな日が続いている。「厚手のセーターを持ってくるように」との忠告を受けていたので夏物をまったく持ってこなかったのだが、先週はそれが悔やまれた。昨日はちょっと涼しくて最高気温20度だったが、今日はまた暖かい。明日は最高気温が26度にまで上がるという。

トレーラーハウスのデッキで日向ぼっこをしていたら、トンボを見かけた。秋だなあと感慨にふけっていると、夫いわくトンボはイギリスの夏のシンボルなのだと。所変われば、である。

さて、イギリスに来る前の日曜日の午後に、うちから40キロほど離れたサンテミリオンに出かけた。世界遺産にも指定されている中世の町である。

かつてロンドンで働いていたころ、勤め先のすぐ裏に中央郵便局があり、その建物の一部で年に2度郵便配達人たちによる美術展が催されていた。そこで見た絵の1つにサンテミリオンの町が描かれていたのだが、石畳の坂道に古い建物が立ち並ぶとても美しい町のようだった。それで、いつの日か行ってみたいと思っていたのだ。


パン焼き器実験記録(1)

2006-09-19 16:41:22 | イギリスの生活
イギリスに来て、待望のパン焼き器との対面も果たした。もっとも、3週間イギリスへの出発が遅れている間に、情熱は半減していたのだが。パン焼き器の箱がさらに運送用の箱の中に入っていて、思ったより大きな箱にびっくり。こんなでかいものが3週間もキャラバン場の事務所の入り口に居座っていたなんて、みなさん迷惑だったろうなと恐縮した。が、わたしのせいじゃないぞ。

料理は化学というが、パン作りはまさに化学の実験。使用説明書兼レシピーブックを読むと、どの材料がどんな役割を持っているのかがわかって、とても興味深かった。が、トラブルシューティングを先に読んでしまったので、ちょっと不安になった。果たしてパン焼き器というのは、電気炊飯器のように簡単なのものなのか?

まず基本の白パンに挑戦。釜から取り出すのに大苦戦したが、出てきたパンの形は完璧だった。味は合格。耳はパリパリでわたし好み。が、中身が重くて、もちもちしすぎで、いまひとつの出来。2切れも食べたら、気持ちが悪いほどお腹がいっぱいになってしまった。

もちもち度を増加する働きのある塩を減らし、生地を軽くする役割の水を増やして、再度挑戦。今度は釜からすんなり出てきた。歯ざわりも前より軽めで、それほどもちもちしていない。が、今度は風味がなくなってしまったようだ。次回はバターを増やしてみたらいいのかな。というわけで、実験はさらに続く。

(コメント大歓迎です。アドバイスをお待ちしています。)



イギリスに到着

2006-09-19 13:14:22 | イギリスの生活
先週の火曜日に無事にイギリスに到着した。ロンドンからの便が遅れた影響を受けて、ロンドン・ルートン空港への到着が45分ほど遅れたが、それ意外は予定通り。機内持ち込みの制限もだいぶ緩和されて、ノートブックパソコンも携帯電話も大丈夫だった。ただし、液体はいまだに持ち込み禁止である。同じフランスでも、ニース空港では、空港内での買い物を含むすべての手荷物の機内持ち込みが禁止だそうだから、ボルドー空港はずっといいほうだろう(ニース空港の免税店の売上は急減に違いない)。それでも空港警備のほうは厳しくて、いつものX線と金属探知機による検査を通過した後、搭乗直前にさらにもう1度手荷物検査があった。

イギリスに到着して1週間。せっかく車が早く届いた場合に備えて早めにイギリスに来たというのに、いまだに車の届く気配はない。が、イギリスに来てしまえば、わたしは結構ハッピーなのだ。

日本の祭日なので仕事はないだろうと見込んで日系美容院に予約を入れておき、昨日はロンドンに出かけた。ロンドンに着いたのは正午をちょっと回っていたのだが、郵便局も美術館も商店も開いている。午後2時を過ぎても、レストランでは昼食を出してくれるし、本当にイギリスは便利だと感動した(フランスとの違い!)。

今までずっとしたいと思っていながら、していなかったことをついに果たした。18年ぶりのナショナルギャラリー訪問である。9月22日から新しい展示場所に移る準備として、印象派の絵の展示されている部屋全部が閉鎖されていたのが非常に残念だった。ゴッホのひまわりも貸し出し中なのかいつもの場所から消えている。が、久々の文化的経験に満足した。やっぱりロンドンっていい。

やっとイギリスに行けることになった

2006-09-08 17:04:52 | フランスの生活
フランスの夏は終わってしまったと思ったら、今週初めに夏が戻ってきた。しかもより強力になって。この5日間、連日30度を越える日が続いている。日向の柱に下がっている温度計は上限の50度を突き破ってしまった。

ずっと動きのなかった、故障した車をめぐる状況に、やっと新たな展開があった。火曜日にロードサービスの会社から電話があって、修理工場では修理に2~3ヶ月かかると言っているが、スペインに車を運んでほしいか?ということだった。仮に部品調達に時間がかかるとしても、2~3ヶ月ということはありえないだろう。理由は忙しいからということのようだったが、要するにやる気がないのである。何ヶ月かかっても待ちますとでも言ったら、きっと今度は法外な修理代を見積もってきて、こちらがあきらめるのを期待するに違いない。というわけで、フランスの修理工場に期待するのはやめた。

わたしが思うに、金というのはフランス人にとってはあまりインセンティブにならないのではないだろうか。面倒くさいことをしてちょっと金を儲けるくらいなら、その分収入が減ってもストレス無しに過ごしたほうがましという考えなのだと思う。フランスに長い間住んでいて、自身もビジネスを営んでいるイギリス人が言っていたが、フランス人にはあまり商業センスというのがないらしい。金銭的な成功とか繁栄というのは、フランス人の働く原動力にはならないのかもしれない。

ナポレオンはイギリスをショップキーパー(商店経営者)の国と呼んだそうだ。これは、イギリスには兵士はいないという意味で、戦争能力についてイギリスを侮辱したらしいだが(イギリス人は、ワーテルローの戦いに勝ったのは誰かと反論するだろう)、フランスには商業センスのある人がいない故のやっかみだろうかと思ったりする。あるいは、商店経営者を軽蔑する意識がフランス人の間に綿々と受け継がれてきて、それゆえに商業センスを持った人が現れないのか?ビジネスで成功しようというフランス人が続々イギリスに移住しているという話も最近よく聞く。もっとも、その最大の理由はフランスのお役所仕事に嫌気がさしたためだそうだ。フランスでは何をするにも、書類を提出して、お役所の承認をとらないといけないが、イギリスは自由で事業を起こすのに面倒くさい手続きが要らないため、イギリスに移住して起業を試みるフランス人が増えているらしい。

それはともかく、スペインへ運ぶ費用との差額を自己負担するので、イギリスへ車を運んでくれないかとロードサービス会社に交渉してみたら、関係者各位に問い合わせてみた上で、合意してくれた。スペインの会社なのだが、実にまめに連絡を取り、よく働く。フランスの修理会社にはフランス語で交渉し、イギリス人の客には英語で相談に乗る。面倒見がいい。スペイン人を見直してしまった。

というわけで、車は1~2週間以内にイギリスに運ばれ、わたしたちは来週の火曜日にボルドーから飛行機でイギリスに行くことになった。やっと未来が見え始めたのにはほっとしている。特に、これまでは他人頼みだったのが、ついに自分たちで主導権を握って行動を起こせるようになったのはうれしい。

遠いイギリス

2006-09-03 13:50:32 | フランスの生活
イギリスに向けて出発した日から10日間が経ったが、いまだにイギリスに行ける見込みが立たない。

火曜日にやっとトゥールの修理工場の担当者らしき人と話ができたのだが、まず車の登録書類をファックスせよとのこと。さすがに書類の好きなフランスである。それから見積もりを送るので、こちらがそれに承認のサインをして送り返して、それを先方が受領したら、それから修理が始まるということである。

その後、待てど暮らせど見積もりが送られてくる気配がない。まさかファックスではなくて、郵送なんて悠長な手段を取っているのではないだろうなと嫌な予感がしてきた。国内でも遅いほうの便だと3日間かかることがある。金曜日に電話をしてみると、まだ見積もりを送っていないようだ。どのくらい修理にかかるのか聞いてみると、10日間というかなり大雑把な返答であった。10日間というのがその場しのぎの返答ではないとすると、先方の見積もり承認受領からさらに10日間かかるわけである。まだ見積もりも作成していないようだし、まったく気が遠くなるような話だ。

フランスで8月になにかをしてもらおうというのは、たいへん困難なことのようである。お向かいのイギリス人ブライアンの話によると、彼の家でも、やりかけの家周りの工事はすべて9月になって、職人たちが夏休みから戻ってくるまで停止しているそうだ。8月にフランスで車の故障なんて羽目に陥るものではない。

さて、明日からはいくらのんきなフランス人たちもいよいよ通常営業モードに戻ることだろう。少しは車の修理のほうにも進展が見られるだろうか。