ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

初泳ぎ

2006-03-30 15:51:45 | スペインの生活
お向かいのオランダ人、ティーニが共同プールに行くのを見かけた。たぶん、彼女が今年初めてプールを利用する住民だろう。いくら外の気温は25度と言っても、さすがに水温はまだ低い。やっぱりオランダ人は普通ではない。

ドイツ人も水泳にかけては悪名が高い。ペドロランド近辺の海辺でも、毎年水死者が出るのだが、ドイツ人が多い。河口に近く、底流が流れていることから、危険と有名な浜辺で、水泳禁止を示す赤旗が立っているにもかかわらず、泳ぎに出て溺死したりという事件をよく聞く。お隣のオランダ人アリーによると、オランダでもドイツ人の水死者が多いのだそうだ。

以前イギリスで流れていたフォルクスワーゲンのテレビコマーシャルで、男性が荒れ狂う嵐の海に車で駆けつけ、海に飛び込もうとするシーンがあった。そこで、コマーシャルは終わり、最後に「車がタフだからって、自分もそうだと思わないでね」というようなテロップが画面に現れる。スペインやオランダで溺死するドイツ人も、同じような勘違いをしているのだろうか。

ところで、写真を撮っていて気がついたのだが、真ん中の木。最初はその後ろの家のものかと思ったのだが、どうやら共同プール内の木のようだ。ちゃんと園芸会社に金を払って手入れをしてもらっているのだが、この芸術感覚のかけらも感じられない剪定のしかたは何なのだ?それとも、最大の日陰効果を考慮したとか、それなりの理由があるのか?

母の日とサマータイムの始まり

2006-03-27 12:52:45 | 異文化・風俗・習慣
昨日はイギリスの母の日であった。イギリスの母の日は、キリスト教の復活祭の日付と連動しているため、年によって異なる。

この習慣は、復活祭に先立つ四旬節の真ん中に、故郷の教会(母教会)を訪れることがキリスト教徒として正しいことと考えられていた頃の習慣に基づくということだ。当時はふるさとを離れて奉公に出ていた人が多く、母の日は故郷に戻り、家族とひと時を過ごす機会となっていたそうである。日本のお盆休みのようなものなのだろう。

また。昨日は夏時間の始まりでもあった。午前2時に1時間繰り上がり、午前3時となる。つまり、1時間失うわけだ。幸い、夏時間への切り替え・夏時間からの切り替えは日曜日に起こることになっているので、仕事に遅刻したりというような混乱が起こる心配はあまりないのだが、一度だけ失敗したことがある。友人が訪ねてくることになっていたのだが、その日に夏時間に切り替わることをすっかり忘れていた。玄関のベルが鳴ったときには、まだ寝巻き姿だった。

かつてはイギリスとヨーロッパ大陸の国々とでは、夏時間になる日・夏時間が終わる日が異なり、これも混乱のもとであった。そもそも1時間時差があるところにもってきて、別々の日に夏時間へ(から)切り替わるものだから、いったい時差が何時間なのか全然わからなくなる。これでは困るということで、同じ日に夏時間へ(から)切り替わることになった。

夏時間になると、午後8時になってもまだ明るい。得をしたような気分になる。が、その代わり日の出は1時間遅くなり、午前8時少し前である。かつて、ロンドンまで1時間半かけて通勤していた頃はこれはなかなかつらかったが(冬の間は全然太陽を見ないことがよくあった)、今では日が昇ってから起きればいいのであまり気にならない。

スペインの病院に行ってみた

2006-03-22 10:29:38 | スペインの生活
近所に住むイギリス人のモーが気管支炎で入院しているので、スペインの病院見学かたがたお見舞いに行った。

聖ハイメ(ヤコブ)病院は、まだできて4年も経っておらず、最新設備を備えたきれいな病院だった。湖を背景に小高い丘の上に建っている。中身も広々として、清潔でひっそりとしている。

この病院は半官半民である。もともとは100パーセント私立病院の予定だったのだが、2階建ての建築許可しか取っていないのに、その上にもう1階無断で建ててしまい、これが発覚すると、地元の市議会が「3階を取り壊して2階建てにするぞ」と脅した。結局、病院側が折れて、一部の国民健康保険患者も受け入れることに決定し、3階の取り壊しを回避したのだった。

といわけで、モーのようなラッキーな国民健康保険患者は、最新式のデラックスな施設を無料で利用できるわけである。病室はホテル並み。個室・バストイレ付き、見舞い客用のソファーも用意されていて、テレビで外国語放送も見られる。医師は英語はもちろん、スペイン語のほかに数カ国語を話すし、病院付きの通訳も常時待機している。公立の病院だと、自分で通訳を雇って連れて行かないといけないのとは大違いだ。

2年ほど前に、やはりペドロランドの住民でオランダ人のオーパ(オランダ語でおじいさんの意味)とわれわれが呼んでいる人が脳卒中の発作を起こして、救急車を呼んだことがあった。この救急車が連れて行ったのが聖ハイメ病院だったのだが、まず健康保険に入っているか、クレジットカードを持っているかどうかを付き添いの人に確認し、いずれかでないと受け入れてくれなかったそうだ。幸い、オーパは旅行保険をかけてきたので、この病院で治療を受けることができた。

8時頃に夕食が運ばれてきた。病院の食事にしては遅いと思うのだが、そこはやはりスペインなのだろう。普通の家庭では9時が夕食の時間だ。食事はいくつかあるメニューの中から予め選べるのだそうだ。見舞い客用の食堂まであるが、ちらりと見たところ、まるでおしゃれなバーのようであった。

モーは1週間で退院してくる予定だが、自費で払うなら、たぶん1週間で2000ユーロ(約28万円)はするのではないかということだ。自宅からそれほど遠くない病院に移されたこともあり、本当に今回はモーはラッキーだった。

このところ流行っているもの

2006-03-17 18:33:16 | 食べ物
のちペドロランド近辺で最近流行っているのが、中華料理のバイキングだ。2年くらい前に一部の中華料理店で、観光シーズンを中心に行っていたのがはしりだと思うが、最近ではバイキングを専門にした中華料理店まで現れるようになった。

昨年の夏にイギリスに帰ったとき、友人たちとロンドンの中華バイキングに行ったのだが、この店もやはりバイキング料理専門であった。ソーホーに3軒も出店するほどの繁盛ぶり。タイ料理のバイキングというのも見かけた。たぶん人件費がかからず、回転が速いので、儲かっているのだろう。

ロンドンとは異なり、ペドロランド近辺の中華バイキングの特徴は、目の前で調理してもらえることだ。前菜のスープ、春巻きやスペアリブなどは、調理済みのものを保温機能のある入れ物の中から自分の皿に取る。メインコースは、海老、各種肉、メカジキ、野菜などの生の食材が一種類ずつ並ぶうちから好きなものを取って皿に盛り、シェフのところに持って行く。好みのソースを告げるとまず、材料をこし器に入れて1分ほど大きな鍋の中で湯がいた後、中華鍋でソースと一緒に炒めてくれる、というものだ。ちなみに、わたしは日本のソースというのを注文してみた。醤油味がベースになっているようだというのはわかったが、どこが特別日本風なのかよくわからなかった。強いて言うと、ソース焼きそばのソースに似ているかもしれない。しょっぱすぎるので、次回は別のソースにしてみようと思う。

この後、セルフサービスコーナーに戻り、チャーハンと焼きそばを盛り、テーブルに戻る。デザートとして、ライチーもあったようなのだが、片隅に置かれていたようで、隣のテーブルの女性たちが一斉に立ち上がって小さなはちを手に戻って来るまで気がつかなかった。

炒め物の材料の中には、食に保守的なヨーロッパ人向けにポークチョップやステーキなどというあまり中華料理っぽくないものまである。数人のグループで出かけると、必ず好き嫌いのある人やベジタリアンなどがいるし、また、宗教上の理由から特定のものが食べられない人もいるかもしれない。そういう場合、このようなバイキングなら、他人に気兼ねなく、全員が好きなものを食べることができる。

ただし、観光シーズンの夏には行きたくないと思った。自分のテーブルで料理が出てくるのを待つのは構わないが、皿を抱えてシェフの前に行列するのは耐えられない。

イクラを見つけた!

2006-03-06 18:57:27 | 食べ物
金曜日から夫が単身イギリスに帰っている。というわけで、久々の一人暮らし。で、鬼のいぬ間にではないが、この隙に日本食を試している。

その1つがイクラ丼。先日、近くのスーパーでイクラの瓶詰めを見つけた。かえるさんのブログの中で、イギリスでもイクラの瓶詰めを見たことがあるけど、「いったいイギリスでは何にイクラを使うのでしょう?」という質問をしたら、「カナッペではないでしょうか」というお答えをいただいたのですが、この瓶を見ると、どうやらスペインでは軍艦巻きやにぎり鮨にイクラを使うらしい。スペイン人は食の面で国際化しているなと感心した。

で、かえるさんのアドバイスにしたがって、一応塩抜きとまではいかないけど、イクラを洗うくらいのことはしたのでした。原材料を見たら、塩はもちろん、植物油とか砂糖とか入っているのですもの。そこまではよかったが、戸棚にあった醤油を見たら、なんと賞味期限が2年以上も過ぎていた(いかにわたしが日本食を作らないか、これでお察しいただけるでしょう)。ここでは、外国食料品スーパーまで行かないと醤油は手に入らないし、それも中国製のようで日本の醤油は手に入らない(イギリスでは普通の大手スーパーでキッコーマン醤油が手に入る。以前イギリスの新聞にも、中国の醤油は化学的製法で作られているので、天然醸造の日本の醤油を使いましょうと書いてあった)。というわけで、やむを得ず古い醤油でイクラの醤油漬け決行。

「醤油6:酒4ね」と思ったら、酒がない。1月に日本からいらっしゃったiさんに日本酒をいただいたので、ないことはないのだが、調理に使うのはもったいないし、自分がいない間に一人で日本酒を「飲んだ」などと夫に思われたら、一生許してもらえなさそうなのである。この酒は温存しておくことにして、代わりに辛口の白ワインを使った。こんなにいい加減だから、わたしは料理が下手なのね。

漬けてから2~5日頃が食べごろということだったが、都合により、1日経過したところで食べることにした。イクラの量が少ないし、久々のイクラ丼なのでちょっと気合を入れて、かえるさんの写真にあったように、錦糸卵と、前にいただいた乾燥ワケギと韓国産の焼き海苔を用意した。わくわくしながら、冷蔵庫からイクラを取り出すと、それはキャビア色に変色していた。5日目まで待っていたら、どんなことになっていただろうと怖くなった。この時点でかなりイヤーな予感がしたのだが、案の定、口に含むと、めちゃくちゃ塩辛いのであった。古い醤油なので、ほとんどの成分が蒸発してしまって、塩分だけが残っていたのだろう。それでもせっかくのイクラなのでがんばって食べたが、血圧が上がりそうなので、残りは捨てた。ああ残念。このときになって、減塩醤油を使うようにというかえるさんのアドバイスが甦ってきたのだった。

次回ロンドンに行ったときには、日本食料品店で減塩醤油を買ってきて、再度イクラ丼に挑戦することにしよう。



ムハンマド風刺漫画問題の波紋

2006-03-03 19:16:44 | スペインの摩訶不思議なローカルニュース
ときどき最近写真がなかったので、1999年に撮った古い写真なのだけど、飾りに載せてみます。これは近くの町の教会前広場。

こんなところでも、ムハンマド風刺漫画問題の影響が出ている。今年も、バレンシア市を中心として行われる火祭りの季節がやってくるが、イスラム教徒の感情を害するような人形は祭りには出さないということで、人形作家たちの間で取り決めができたそうだ。イスラム教に関連した人物像がすでに2つの人形の一部となっていたのだが、これを取り下げたということである。

また、バレンシア州各地にはムーア人とキリスト教徒の祭りの習慣があるのだが(時期はそれぞれの地区によって異なる。ペドロランドの祭りは小規模だが、7月の最終土曜日に行われる)、最近行われた2つの町の祭りでは、Mahoma(ムーア人つまりイスラム教徒の兵士だが、ムハンマドとは関係がないとのこと)と呼ばれる張りぼての人形を焼く行事がカットされたそうである。