ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

やっとイギリスに行けることになった

2006-09-08 17:04:52 | フランスの生活
フランスの夏は終わってしまったと思ったら、今週初めに夏が戻ってきた。しかもより強力になって。この5日間、連日30度を越える日が続いている。日向の柱に下がっている温度計は上限の50度を突き破ってしまった。

ずっと動きのなかった、故障した車をめぐる状況に、やっと新たな展開があった。火曜日にロードサービスの会社から電話があって、修理工場では修理に2~3ヶ月かかると言っているが、スペインに車を運んでほしいか?ということだった。仮に部品調達に時間がかかるとしても、2~3ヶ月ということはありえないだろう。理由は忙しいからということのようだったが、要するにやる気がないのである。何ヶ月かかっても待ちますとでも言ったら、きっと今度は法外な修理代を見積もってきて、こちらがあきらめるのを期待するに違いない。というわけで、フランスの修理工場に期待するのはやめた。

わたしが思うに、金というのはフランス人にとってはあまりインセンティブにならないのではないだろうか。面倒くさいことをしてちょっと金を儲けるくらいなら、その分収入が減ってもストレス無しに過ごしたほうがましという考えなのだと思う。フランスに長い間住んでいて、自身もビジネスを営んでいるイギリス人が言っていたが、フランス人にはあまり商業センスというのがないらしい。金銭的な成功とか繁栄というのは、フランス人の働く原動力にはならないのかもしれない。

ナポレオンはイギリスをショップキーパー(商店経営者)の国と呼んだそうだ。これは、イギリスには兵士はいないという意味で、戦争能力についてイギリスを侮辱したらしいだが(イギリス人は、ワーテルローの戦いに勝ったのは誰かと反論するだろう)、フランスには商業センスのある人がいない故のやっかみだろうかと思ったりする。あるいは、商店経営者を軽蔑する意識がフランス人の間に綿々と受け継がれてきて、それゆえに商業センスを持った人が現れないのか?ビジネスで成功しようというフランス人が続々イギリスに移住しているという話も最近よく聞く。もっとも、その最大の理由はフランスのお役所仕事に嫌気がさしたためだそうだ。フランスでは何をするにも、書類を提出して、お役所の承認をとらないといけないが、イギリスは自由で事業を起こすのに面倒くさい手続きが要らないため、イギリスに移住して起業を試みるフランス人が増えているらしい。

それはともかく、スペインへ運ぶ費用との差額を自己負担するので、イギリスへ車を運んでくれないかとロードサービス会社に交渉してみたら、関係者各位に問い合わせてみた上で、合意してくれた。スペインの会社なのだが、実にまめに連絡を取り、よく働く。フランスの修理会社にはフランス語で交渉し、イギリス人の客には英語で相談に乗る。面倒見がいい。スペイン人を見直してしまった。

というわけで、車は1~2週間以内にイギリスに運ばれ、わたしたちは来週の火曜日にボルドーから飛行機でイギリスに行くことになった。やっと未来が見え始めたのにはほっとしている。特に、これまでは他人頼みだったのが、ついに自分たちで主導権を握って行動を起こせるようになったのはうれしい。