ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

ビールのCM

2013-06-12 16:35:03 | 異文化・風俗・習慣
2週間半ほど日本に帰っていたのだが、そこでモーニングショーで、イギリスのCMが紹介されているのを見た。この番組では、毎日世界のおもしろいCMを紹介しているようである。

この日、紹介されていたのは、イギリスのビール、ジョン・スミスの宣伝で、人気コメディアン、ピーター・ケイが、飛び込みの競技会で、ボミング(膝を抱えた姿勢で、飛び込むこと。通常のプールでは禁止されている)を行い、見事な飛び込み技術を披露した競争相手を破って、最高得点で優勝するというもの。

http://www.youtube.com/watch?v=ig8QjT2AF-k

司会者は、このCMは、「このビールは、他のビールより泡立ちがよい」ということを謳っていると解説していたが、これは次の2つの点で、大間違い。

1)イギリスのビールは、泡立ちのよさは売り物になっていない。(泡を好むのは、オランダ人)イギリスのパブで泡の多いビールなど出された日には、詐欺であると文句がつく。泡のない状態で、グラスの縁までビールが入っていないと、損をしたと客が不満に思うのである。

2)ジョン・スミスはビターであり、泡立ちのよさは、売り物ではない。

この宣伝のポイントは、ジョン・スミスCMシリーズのキャッチフレーズである"No Nonsence"であり、率直さである。つまり、しぶきを上げない、回転だの、ひねりだのとややこしいことを言わずに、ストレートにプールに飛び込めばいいではないか、ということである。このシリーズは、この他にも、インド料理店での2組の夫婦の会話など、同じく"No Nonsence"をテーマに、ピーター・ケイの実に率直な物言いがおかしく、イギリスでは大ヒットとなっている。

スペインのお葬式

2013-01-03 17:34:40 | 異文化・風俗・習慣
今日は、サポーターズクラブのメンバーのお葬式に行ってきた。スペインの葬式に出たのは今回が初めて。先週の金曜日に亡くなって、木曜日にはお葬式というのは、この時期、とても迅速だと思った。2年前の1月3日に義父がイギリスで亡くなったときには、葬式まで1ヶ月近く待ったのとは比べ物にならない早さだ。

サンペドロの葬儀場に式開始15分前に到着すると、静まり返っている。不思議に思って、友人に電話をしてみると、なんと隣町の葬儀場だということだった。幸い、隣町までは、車で2~3分ほど。ガソリンスタンドで道を聞き、居合わせた親切な人の先導で、なんとか時間前に葬儀場にたどり着いた。これが、普通の建物で、地味な案内標識がなければ、葬儀場と気がつかないところだった。

参列者は、普段着の人が多く、われわれも遺族のリクエストで、アーセナルのユニフォームを来て参列した。ちょっと不思議な葬式だが、友人の話によると、夏の葬式では、Tシャツにショーツの人もいたそうだ。

故人がイギリス人だったことから、式はすべて英語で執り行われた。司会者(服装からすると、牧師さんではないようだ)は、故人の名前を間違えたり、手順を誤ったりして、素人っぽい。しかも、間違いを隠さないところが、ますますプロっぽくない。故人の義理の息子に当たる人のスピーチは、これまで知らなかった故人の一生を紹介して、とても興味深かった。友人代表のマイケル・ジャクソン(当然、名前にまつわるジョークが飛び出した)のスピーチも、故人に対する友情がしのばれ、ユーモアのあふれるものだった。2曲ほど賛美歌合唱があった。

棺は閉じられていて、故人の顔を見ることはできなかったが、そうでない場合もあるらしい。友人によると、彼の行ったスペインの葬式では、開かれた棺の中の故人にキスをする人もあったそうだ。

これで式はお開きということになった。なんだか、あっけない葬式だった。奥のドアが開いて、棺がそちらに運び込まれるのかと予想していたのだが、たぶん、この葬儀場は火葬場が併設されていないためだろう。棺はそのまま、そこに置かれていて、参列者は外に出ることになった。棺を見送るということがないのは、なんとなくきちんとお別れをした気分にならない。

その後、参列者はまちまちに地元のプラヤフラメンカのバーに向った。軽食が出され、みんなで故人に乾杯をした後、わたしたちは遺族に挨拶をして、家に戻った。

お天気と国民性

2011-06-22 14:18:36 | 異文化・風俗・習慣
今日のフランス・ドルドーニュ地方の天気はときどき



イギリスで年間を通して暮らさないようになって10年が経つが、それでもイギリスに行くと、忘れていた習性が頭をもたげる。お天気になると、外に出ないでいるのがもったいない。外に出ないといけないような気がする。

イギリスでは、太陽が出ると、取る物も取り敢えず外出する。いつまで晴天が続くかわからないからだ。明日はもちろん、2時間後もまだ太陽が出ているかどうかわからない。夏があるかどうかもわからない。だから、太陽が出ている間に、それを満喫しなくてはならないのだ。

先日、ヨーロッパ選手権の出場権を賭けたイングランド対スイスのサッカーの試合をテレビで見ていたら、試合開始後15分経っても、空席があちこちで目立つ。「今日はお天気がいいので、試合場に到着するのが遅れている人が多いのですね」などと悠長なことをイギリス人解説者が言っていたが、わたしだったら、50ポンドも払った試合には、1時間前に到着して、1分でも多く楽しむぞ。が、解説者の言うことには、大いにうなずけるのだった。

ロンドンで会社勤めをしていた頃に、仕事を抜け出して近くの歯医者に行った。わたしが受付で自分の番を待っていると、予約の時間に遅れてきた男性の患者が、「いやー、天気がよかったので、ついその辺をぶらぶらしてしまいました」なんて、とんでもない言い訳をしながら入ってきた。しかも、明らかに、歯の治療を受けるために仕事を抜け出してきた様子である。予約の時間に遅れた患者に、歯医者の貴重な(そして高価な)時間を無駄にしたとして、罰金を課する歯医者も最近は少なくないのに、能天気な奴である。でも、これがイギリス人なのだ。

ほぼ年中晴天が約束されているスペインで一年の大半を暮らしていても、不思議なもので、イギリスに戻ると、この感覚が甦る。スペインにいるときは、あまり外に出ない。海がすぐそばにあっても、海辺で日光浴をするのは、イギリスからお客さんが来る前か、イギリスに戻る直前である。見栄をはって、少し日焼けをするためだ。三つ子の魂百までと言うが、10年でも結構しみ込むものである。

ドイツのイースターエッグ?

2010-03-22 12:19:10 | 異文化・風俗・習慣
2ヶ月半も更新していなかったのに、突然更新を始めると、立て続けに更新してしまうのでした。ロンドンバスと呼んでください。

来週の金曜日はグッドフライデーで、復活祭が近づいてきた。木曜日にペドロランドの隣人・ドイツ人のディーターとモニカの家の前を通りがかったら、こんなものがあった。レモンの木にイースターエッグを飾っている。イギリスでイースターエッグというと、最近はチョコレートのものが多く、スペインでは、彩色されたゆで卵がスーパーに並ぶ。が、ドイツのイースターエッグというのは、こんなのなんだろうか?しかも、木にぶら下げるというのは、今まで見たことがない。

年越しハギス

2010-01-08 10:21:16 | 異文化・風俗・習慣
今日のペドロランドは

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年もよろしく。

一昨日(1月6日)でクリスマスの12夜も終わり、我が家では、クリスマスツリーとクリスマスカードからなる、質素なクリスマスの飾りつけを取り外した。1月6日は公現節でもあり、スペインでは子供がクリスマスプレゼントを受け取る日。もっとも最近では、外国の影響を受けて、12月25日にもクリスマスプレゼントを交換する家庭が増えてきたと言う。

イギリスの大雪ほどではないが、ペドロランドは昨日は大雨で、道路が浸水しているところが多かったようだ。ペドロランド近辺の道路は排水溝がないため、大雨が降ると、道路がすぐにあふれる。降った雨は海に向かって流れるが、あちこちでスピード運転防止用のバンプがダムのように水を堰きとめてしまうために、すぐに道路は洪水状態だ。が、その代わり、雨がやむと水が引け、道路が乾くのも早い。

大晦日は、友人のリッキーがDJを務めたハバナ・バーの大晦日パーティーに行った。一昨年もリッキーがDJをするため、友人たちと一緒に応援に行ったのだが、今年は不況の影響がしみじみと感じられるパーティーだった。

前年は食べきれないほどのスナックが盛りだくさんだったのに、今年はハギスだけ。もっとも今までに見たことがないほど大きなハギスだった。ハギスは、15年以上前に、お気に入りの近くのレストランに行ったら、たまたまバーンズ・ナイト(1月25日)の特別メニューで試したのが最後だ。このときは、キルトに身を包んだバグパイプ演奏者に先導され、うやうやしくシェフがハギスを大皿に乗せて登場し、ロバート・バーンズの詩の朗読後、ハギスをいただいた。特においしかったという思い出はなかったのだが、大晦日のハギスはとてもおしかった。ハギスとは「刻んだ羊や子牛の臓物をオーツ麦と共に胃袋に入れて煮込んだ料理」なのだが、これはほとんど羊のひき肉とオーツ麦だけのようで、スパイスがたっぷり効いていて、ちょっと辛め。実においしかった。付け合せのニープス・アンド・タッティーズ(マッシュしたカブとジャガイモ)との相性も抜群。大晦日は、「ホグマニー」としてスコットランドで大々的に祝われるので、今年の食べ物のテーマはそこから来たのかもしれないが、去年と比べて、スケールダウンの感は否めない。

紙のパーティーハットなどの入ったパーティーバッグも2人に一つ。昨年は一人一つで、パーティークラッカーも入っていたのに、今年はバッグの中身はすかすかで、ちょっとさびしかった。昨年は、外に出て、近くのコマーシャルセンターの花火大会を見たのだが、今年はそれすらなかったようだ。

12時になると、手を前で交差するようにしてみんなで手をつなぎ、『蛍の光』を歌う。『蛍の光』といえば、先日イギリスのお笑いクイズ番組"QI"で、司会のスティーブン・フライが、「日本のデパート(それともスーパーと言ったかな?)では、毎日閉店時間に『蛍の光』を流す」と言っていた。夫に「それ本当?」と聞かれたのだが、わたしには閉店時間まで買い物をするという根性はなかったので、よくわからない。日本のみなさま、これ本当?

その後、午前1時にイギリスの新年を祝い、もう1度『蛍の光』斉唱。

一夜明けて、元日は晴天で、毎年恒例の元旦バーベキューため、近くの砂浜に友人たちと繰り出す。心配していた風も午後になって弱まり、日向は20度を越える暖かさだった。

今年の元旦バーベキューは例年より少人数で、参加者は11人。トニーは翌日土曜日にイギリスに帰ることになっており、暖かな天気に、名残惜しそうだった。が、やっぱり土曜日に帰っておいてよかったかもしれない。リンとケンは水曜日にマンチェスターに帰る予定だったが、その後、イギリスの大雪のために、飛行機の便がキャンセルされ、来週の月曜日まで帰れないことになっている。3週間のロンドン滞在を終えて昨日に帰ってきているはずのミックとメイベルも、無事にスペインに着いただろうか?





ペドロランドのカーニバル

2009-02-24 17:07:55 | 異文化・風俗・習慣
今日のペドロランドはのち

今日はキリスト教の暦ではざんげ火曜日。伝統的には、明日からの四旬節に先立ち、ご馳走の食いだめをする日である。ラテン系の国ではカーニバル(謝肉祭)をするのであるが、イギリスではパンケーキを食べたり、フライパンでパンケーキをひっくり返しながら競争をする日。やはりイギリスは質素である。

ペドロランド周辺でも最近はカーニバルが盛んになってきた。近くの町では先々週末から1週間以上に渡って、パレードなどの催しがあった。

先週の金曜日、午前10時半頃、音楽が聞こえてくるので、どこかの家で朝っぱらからパーティーでもやっているのかと思ったら、音が近づいてくる。そこで、カーニバルと気がついた。近所の小学校の行事のようである。

残念ながらマーケット通りまで行ったときには、すでに高学年によるメインの行列は過ぎ去っていて、学校に戻った後のようだった。かろうじて低学年による行進に間に合ったが、衣装は絶対に高学年のほうが豪華だったと思う。たぶん、衣装は夏の『キリスト教徒とムーア人』祭用のもののようだ。中にはレゲエのお兄さんとか(教職員なんだろうか?)まったくの普通の服の子供もいた。前もって宣伝してくれたら、最初から見られたのに。沿道に繰り出した人たちはほとんどが父兄のようだ。この物騒なご時世、いかがわしい人たちが集まって来ないように宣伝を避けたのだろうか?でも、さすがにスペインではビデオやカメラは解禁で、ちょっとほっとした。

ラウンドアバウト

2008-12-06 14:10:34 | 異文化・風俗・習慣
今日の天気は今朝はマーケットでタンクトップ姿の人をかなり見かけたほど暖かかった。

ラウンドアバウト(roundabout)はロータリー交差点とか環状交差点とか訳されているようである。わたしの電子辞書には括弧付きで「ここに公衆便所・電話ボックスなどがある」と書かれている。これは大きな間違い!!

写真中央にあるのがそれで、円状の部分を中心に自動車の交通が環状に流れる交差点のことである。この交差点では、イギリスでは右から来る車に、スペインやフランスでは左から来る車が常に優先となる。

ラウンドアバウトはイギリスの特許かと思っていたら、5年くらい前からペドロランド周辺でとみに増えてきた。スペインに戻ってくると、必ず新しいラウンドアバウトが出来ている。すばらしいものを見つけたので、夢中になって作っているという感じだ。写真は先週完成した近所のラウンドアバウト。中央にはタイル貼りの円錐台が置かれている。中から電線が突き出しているところを見ると、これから何かの電気装置が取り付けられるのかもしれない。

イギリスのラウンドアバウトは殺風景なものが多い。数年前のクリスマス時期に、酔っ払い運転防止の啓蒙活動として、事故でぐちゃぐちゃにつぶれた車をラウンドアバウトの中心に飾ったことがあったが、これは運転者の注意を散漫にするということですこぶる評判が悪かった。

それに対し、ペドロランド周辺のラウンドアバウトは手の込んだものが少なくない(これはその市町村にどれだけ金があるかで異なる)。小さなピラミッドが真ん中に立っていたり、Orihuela Costaと芝生の中に植木で地名が綴られていたりする。中にはラウンドアバウトの真ん中に花に縁取られた小道とベンチがあったりして、勘違いのはなはだしいものもある(公園ではなくて、交差点のど真ん中であることをお忘れなく)。

一番驚いたのは、フランスのアミアン市街のラウンドアバウト。両側2車線ずつの幹線道路に設置された巨大なラウンドアバウトには、芝生の敷かれた中に大きな牛の像が5~6頭置かれている。街中に田園シーンを持ち込んだというところが斬新なアイデアなのかもしれないが、とてもシュールでちょっと滑稽。そのほかにも、真ん中に色とりどりの花で一杯のハンギングバスケットが飾られた美しいラウンドアバウト(誰が命を賭けて水やりに行くのだろうか?)とか、フランスのラウンドアバウトも手が込んでいるものが少なくない。

ドイツに長年住んでいた近所のイギリス人によると、ドイツにはラウンドアバウトは非常に少ないそうだ。スペインでもごく最近雨後のたけのこのように出現し、きちんとした教育を受けていないため、ラウンドアバウトでの運転の仕方を知らない運転者が多い。外側の車線から入って、左折しよう(最後の出口で出よう)とする人とか、内側の車線から入って、最初の出口で出ようとする人とか、どのような行動に出るかまったく予想がつかない。スペインのラウンドアバウトでは、何でもありの覚悟で注意をする必要がある。

フランスのカエル

2008-09-12 11:11:46 | 異文化・風俗・習慣
茶色のカエルは見たものの、今年は緑のカエルがまったく出てこないなと思っていたら、昨日我が家の庭にお目見えした。しかも、すごいハンサムである。体格もよく、カメラをくっつけても全然物怖じしない度胸のよさ。逆にカメラを向けたら、正面を向いてポーズまでつけてくれたほど。

フランスの東洋料理店(ベトナム人が経営していることがほとんど)では、カエルの足が必ずメニューに載っている(唐揚げになっているので、よく見ないと鳥と間違える。メリルいわく、足首の細いのがカエルだそうだ)。バイキングでも、寿司や焼き鳥はない日もあるが、カエルの足がない日はないようである。ちなみにこの東洋料理のバイキングコーナーには、いつも必ずスライスしたフランスパンが置かれている。中華料理を食べに来ても、フランスパン無しには生きていけないフランス人がいるのだろう。イギリスのインド料理店で、ライスではなく、カレーにチップス(ポテトフライ)を注文する人(イングランド北部出身の人に多い)も許せない。

聖ヨハネの焚き火

2008-07-02 16:15:27 | 異文化・風俗・習慣
何も起こりそうな雰囲気のない教会前広場を後にしてバーに行った後、広場に戻ると9時45分になっていたが、やはり一向に始まる気配がない。そこで家に帰ったら音楽が聞こえてきた。再び教会前に行くと、すでに焚き火に火が付けられていた。スペインの聖ヨハネの祝日も火祭りであるが、この日にかがり火を燃やすのは、夏至に近いこともあり、太陽を崇拝する異教の影響ではないかということである。

太ったDJがフランスのポップ音楽をかけ、それにあわせてダンスが始まった。フランスでもラインダンスが流行っているようだ(写真でもわかるようにキャンプファイヤーを囲んで踊るというわけではない)。家に帰っても夜12時くらいまで音楽は鳴り止まなかった。

かえる委員会

2008-07-02 16:10:45 | 異文化・風俗・習慣
主催は村の祭委員会。写真はビアテントで、ここで生ビールを提供している。なぜかスタンドの絵柄はカエル。カエルを食べるフランス人をさげずんで、イギリス人はフランス人をフロッグとかフロギーとか呼ぶのだが、彼らはそれを知っているのだろうか?知っているのだとしたら、たいへんなユーモアのセンス。