ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

オランダ人の味覚

2006-04-21 13:32:29 | 食べ物
最近、オランダ人のお宅に食事呼ばれることが立て続けに2度ほどあった。

お向かいのヤンとティーニの家では、スープの前菜にスモークソーセージとザワークラウトが出された。スープはオランダ風ではないということで、ヒヨコ豆の入った野菜たっぷりのスープ。

ドイツ人は自分のほうが本場というかもしれないが、これはオランダの伝統料理だということで、ザワークラウトが出てきた。隣同士の国ではよくあることで、イギリスでもケバブ屋はトルコ人経営の店とギリシャ人やキプロス人経営のものとがあるが、どちらも自分の国こそが本場と言い張っている。

ただし、ドイツのザワークラウトと異なっていたのは、マッシュポテトの中にザワークラウトが入っていて、おまけにプルーンも入っていたことだ。わたしは、酢豚にパイナップルが入っているのが許せない人間なので、マッシュポテトの中のプルーンは受け入れられなかった。で、おかわりは控えた。

昨日はお隣のアリーとトーシュの家でバーベキューパーティーがあった。われわれ夫婦の15年目の結婚記念日と彼らの35年目の結婚記念日を祝うものである(偶然にも同じ日なのだった)。ヤンとティーニと、アリーとトーシュの友人でやはり近所に別荘を持つオランダ人のカップル、ヴィムとレーニも招かれていた。

ちょっと変わっていると思ったのが、サラダ。リンゴとパイナップルのほかに豆2種類が入っていて、それをカレー味のドレッシングであえてある。もちろん辛くはないのだが、カレー味のサラダというのが斬新であった。

オランダでの外食経験からも感じたことだが、オランダ人はソースが好きだ。このときも、ピーナッツたっぷりのサテーソース(インドネシアを植民地にしていた関係もあって、サテーソースはオランダではかなり定着しているようである)、ガーリックソース(これはマッシュルームのバーベキューにとてもよくあった)、エキゾチックソース(どうやらしょうがや玉ねぎ、パイナップルなどが入っているらしい。怪しげなので、わたしはこれには手をつけなかった)、チーズソース(鮭用)、ピンク色をしたソース(オランダ人たちはこれとケチャップをドイツ風ソーセージにかけていた)などなど。

まだデザートには達していないのに、缶詰の桃が出てきたので不思議に思っていると、ヴィムがそこから1つ取り出して、ラムチョップの乗った皿に乗せた。そして、サテーソースに桃をどっぷりと浸して食べるのである。心配して、レーニに「これって普通?」と尋ねると、桃にサテーソースというのは、オランダ人の感覚でも異常だそうだ。安心した。

外食の世界というのは、ヨーロッパではかなり標準化してきていると思う。どこへ行ってもそれほど驚くことはないのだが、やっぱり個人のお宅でご馳走になると、ときどき意外な発見があっておもしろい。

内陸部への日帰り旅行(6)

2006-04-10 15:54:04 | 旅行
レストランを出て、帰路に着く。写真はレストランの庭にあったミモザの木。3週間ほど前にペドロランド近辺のミモザの木を見たら、つぼみは緑で堅く、咲くのはまだまだ咲きという感じだった。が、先週末にはもう満開を通り越して、花も黒くなりかけていた。

沿道に広がる果樹園の脇を車で通ると、いい匂いがしてくる。実をたわわにつけたオレンジやレモンの木もあれば、花と実を一緒につけているオレンジの木も少なくない。オレンジは収穫シーズンでありながら、花の季節でもあるわけだ。我が家のオレンジの木も、花がそろそろ終わりに近づき、小さな緑の実をつけ始めてきた。

内陸部への日帰り旅行(5)

2006-04-10 15:52:15 | 旅行
2時過ぎると、スペイン人の食事客たちが続々と到着し、たいへんにぎやかになる。グループが多い。1つのグループは、子供を入れて総勢20人ほどで、食事の前に家から持参した豆を配ってみんなで食べていた。

ノベルダへ行く途中で寄った軽食堂に集っていたバイカーたちもこの豆を注文して(?)食べていた。枝豆にビールっていうノリかなあと思っていたのだが、なんと生でいただくようである。さやから1つずつ豆を取り出して、そのまま口に運ぶ。写真を撮ってほしいと頼みに来たスペイン人の男性にトーシュがかわりに豆を分けてもらったので、みんなで食してみた。青臭くて、ちょっと苦味があって、決しておいしいとは言えない。聖週間の始まりのこの日、シュロの主日には豆を食べるという習慣でもあるのであろうか。(写真に写っているはアリーの指。念のため)

この後、2種類のスープが出てきて(それぞれ、ヒヨコ豆と白インゲン豆がどっさり、ソーセージがちょこっと入っていた)、メインには、ハーブやトマトソースなどで煮染めた4種類の肉が出てきた。豚肉・ラム肉(骨が多くて食べるところがあまりない)・牛肉、もう1つについてはウェーターが「バンビ、バンビ」と連発していた。「バンビ」と言われて、ディズニーの目の大きな小鹿を想像したわれわれは、一瞬ひるんでしまったのだが、バンビの肉が一番おいしかったというのが一致した意見である。味としては牛肉に近い。

スペイン人のこのへんの感覚というのは、ちょっとイギリス人たちには理解しがたい。スーパーでも、スペイン語がわからなくても(あるいは字が読めなくても)何の肉かわかるように、パックに絵が描かれているのだが、ラム肉のパックに、いたいけな子羊の顔をのせるのはやめてほしい。

この後、アッパルパイのデザートとコーヒー(オランダ人もこのコーヒーは濃いと言っていた)が出てきて、食事はおしまい。赤ワインを1本追加して、合計6人で81ユーロ(11,600円)であった。全く選択の余地もない簡素な食事であったが、量も種類もたっぷりで、この値段は安いと思う。

内陸部への日帰り旅行(4)

2006-04-10 15:37:42 | 旅行
教会の駐車場に戻ると、車から折りたたみの机などを取り出し、ピクニックの用意をするスペイン人家族の姿が見られた。到着したときには、ほとんど人気(ひとけ)のなかった教会であったが、この頃までに車の数もぼちぼちと増えていた。それでも、観光地というには程遠いほど静かなところである。

ノベルダの教会を後にして、次の目的地である、アゴストから5キロほど離れたレストランに向かう。途中、アゴストの町の中で、長い衣装をつけ、白いシュロの枝をかついだ人たちに出会った。ちょうど祭りの行列が終わったところのようだ。

1車線しかない橋を渡り(対向車が来なくてよかった)、でこぼこの曲がりくねった道をたどって、レストランに到着したのは1時半頃だった。ほかにはまだ誰もいなかったが、いくつかのグループに分かれたテーブルの上には、すでに食事の準備がされている。写真の前菜のほかにミネラルウォーターの1.5リットルボトルと赤ワイン1本が並べられていた。席に着くと、1リットルのビールの大瓶が出てきた。

ちなみに、前菜はサラダ・チョリソ味のソーセージ・トルティーヤ(別名スパニッシュオムレツ)・真ん中にツナのトマトソース和えの入ったケーキ・ポテトチップ・ピーナッツ・生ハム・ヤギのチーズである。

内陸部への日帰り旅行(3)

2006-04-10 15:34:54 | 旅行
これは、教会の一角。タイルがなかなかかわいい。

中から男性が出てきて、"English? Japanese?"と聞くので、期待して待っていると、英語の観光案内を持ってきた。わざわざ聞くからには日本語のパンフレットもあるのかと思ったが、さすがにここまで日本人の観光客の足は及んでいないらしい。残念。スペイン語・ドイツ語・英語のパンフレットしかないそうだ。でも、カラー写真がふんだんに使われていて、なかなか立派だった。

内陸部への日帰り旅行(2)

2006-04-10 15:32:55 | 旅行
昨日は

このタイル絵のほかに2つのタイル絵が正面のドアの上に飾られている。残念ながら、崖の上に立っているために、じゅうぶん下がって正面全体が入るような写真を撮ることができない。そのため、裏の写真(この前の記事につけた写真)を撮ったのだが、あいにくの逆光である。

この教会横には、13世紀と14世紀にムーア人によって建てられた城の塔が若干残っている。

内陸部への日帰り旅行(1)

2006-04-10 15:31:07 | 旅行
今日はときどき

昨日(4月9日)は、ヴィムとレイニー、アリーとトーシュという2組のオランダ人カップルと一緒に車で内陸部に出かけた。朝9時半出発。わたしたちは早起きに備えて、前夜は12時には家に帰って、午前1時には床に就いていたが、ヴィムたち4人は午前2時まで近所のバーで飲んでいたということで、ちょっと疲れ気味。

まるでマカロニ・ウェスタンのような乾いた風景の山の中、曲がりくねった道を行くと、沿道の軽食堂の前にオートバイがずらりと並んでいる。どうやら、バイカーたちのお気に入りのたまり場のようだが、家族連れや地元の人たちも、タパスを食べながら、ビールを飲んだりしている。ここでコーヒーを飲んで、それぞれ睡眠不足の体にカフェインを注入する。

第一の目的地のノベルダに到着する。目指すは山の上の教会なのだが、この日は復活祭の聖週間の初日であるシュロの主日(パーム・サンデー)にあたり、お祭りが行われているため、町の中はあちこちで道路が封鎖されていた。人に聞いて、やっと教会にたどりつく。

この教会はガウディ設計のバルセロナのサグラダ・ファミリア(聖家族)教会に似た特徴のあるデザインだ。近くの山から切り出した石や小石、タイルなどが使われている。名前は、サンタ・マリア・マグダレーナ教会と言って、マグダラのマリアを守護聖人として奉っている。