ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

実りの少ない年

2008-08-29 09:24:04 | イギリスの生活
16日にフランスのベルジュラック空港からイギリスのロンドン・ガトウィック空港に飛び、イギリスに来ています。今回のイギリス滞在は2週間半の予定で、来週火曜日の夜のフェリーで再びフランスに渡る予定。短い滞在なので、人に会うので忙しい。日曜日は、毎年恒例の夫の家族・親戚一同が集まるピクニックがあった。一度に20人以上の人に会えるのは都合がいい。

今年のイギリスの夏は雨が多く、気温も低いということで、わたしが来てからも、すっきり晴れたのは3連休初日の先週の土曜日くらいしかない。

トレーラーハウスの横のリンゴの木には、実がたわわになっている。お向かいのローズがアップル・クランブルを作るというので、いくつか分け(しっかり完成品のおこぼれにあずかった)、チャリティーイベントである豚の丸焼き大会用にアップルソースを作りたいというお隣のパットにもいくつかあげた。また、毎年我が家のリンゴでコンポートを作る義理の妹にもいくつか持っていった。

そのほかは今年はとても実りの少ない年だ。フランスの家のさくらんぼは、今年はほとんど実がつかなかった。ご近所でも同じ状況らしい。ミラベル(プラムの一種)も一つも生っていない。インディアン・ビーン・ツリーにはまったく花が咲かなかった。そのためか、木は上に成長する一方で、今年は巨大になっている。イチジクは、昨年かなり激しく剪定したせいで今年は成長が遅く、16日にフランスを出たときには、大きなものでもまだ直径1センチ半大ほどだった。帰るときまでには食べごろになっているといいのだが。

ガトーバスク

2008-08-12 13:33:00 | 食べ物
この日は思いがけずスペイン色の濃い食事となってしまった(ムール貝を楽しみしていたのに)。前菜もメインコースも特に珍しくないが、デザートのガトー・バスク(バスク地方のケーキ)だけは初めて。名前はときどき耳にするが、これまで試してみたことがなかった。要するにアーモンドタルトのことのようである。中にクリーム状のものが入っているが、ペーストリーにアーモンドが入っているのか、クリームがアーモンド味なのかちょっと判別がつかなかった。(このプラスチックの皿には、ドミとモーモーが怒るのも当然でしょう?)

フランス的終結

2008-08-12 13:25:59 | フランスの生活
今日は

日曜日に毎年恒例(らしい)の近所のバー常連のお食事会があった。このバーはフランスによくあるおやじバーの典型で、ブルーノのレストランが閉鎖した後、わが村で唯一のバーとなっている。この日は、朝から晴天で、気温も30度近くまで上る暑さ。バーテンダーで経営者のジャン・ピエールが世話役となり、バーの常連とその配偶者たち、総勢20名がデュエラ水車敷地内にあるレストランで昼食を共にした。

22ユーロの定食メニューは、テリーヌ・魚のスープ・ムール貝のいずれかの前菜、パエリャかステーキかのメインコースにデザートということであった。が、実際に行ってみたら、魚のスープもムール貝もなくなっていて(まだ午後1時だというのに)、代わりにトルティーリャ(スペイン風オムレツ)か生ハムとメロンということだった。

わたしたちはイギリス人カップル2組と一緒にドミニック(ドミ)とその妻モーモー(フランス人の愛称にはこの手のものが多いらしくて、バー常連の中にはジージーとドゥードゥーという人もいる)の近くに座った。ドミとモーモーはフランス国境近くのスペインに別荘を持っていて、スペインびいきでスペイン語を話す。ドミは長距離トラックの運転手でイギリスに行くことも多く、英語も多少話す。というわけで、フランス語とスペイン語と英語が入り混じり、何語を話しているのかよくわからなくなることがしばしばだ。こうなると1つの言語に波長を合わせることができなくて、聞き取るのがさらに難しい。

個性豊かなフランス人たちと傍若無人のイギリス人1人(ピーターのこと)がいると、注文をとるのはやさしくない。経験のなさそうな若い男の子が注文を取りにきたが、すっかり客に圧倒されて、いいようにされていた。特にドミとモーモーの迫力は普通ではない。なんでフランス人がフランス人にスペイン語で話すの?

なかなか飲み物も食べ物も出てこないし、料理はプラスチックの皿に出てきたというので、メインコースが始まる前くらいから、ドミとモーモーがウェイトレスに文句を言い始めた。お粗末なサービスに満足しないのは、すばらしい根性だと思う。イギリス人たちも感心していた。日本人やイギリス人だったら、絶対に黙ってお粗末なサービスに甘んじていただろう。

モーモーのもう1つの不満は、定食はチーズとデザートの両方が普通なのに、チーズはなくてデザートだけだったこと。おまけにそのデザートも、2種類のケーキだけで、アイスクリームは売り切れということだった(でも、隣のテーブルにアイスクリームが行くのをわたしは見た)。かわいそうに、パンやペーストリーの嫌いなメリルはデザート無しだ。

コーヒーはセットメニューに含まれていないかったのだが(水のように薄いワインも含まれていない)、みんなが不満を述べ立てたら、店側が妥協して、コーヒーはただになった。

お勘定の段になると、1人27ユーロ50サンチームだと言う。プラスチックの皿で、ラ・ショミエールより高いのはとんでもないと再び不満爆発。ドミはこんな粗末なサービスと食事に金は払わないという。シェフ兼マネージャーが出てきて、経営者ではない自分には権限がないので、交渉には応じられないということだった。結局、食い逃げするわけにもいかないので、15ユーロが適当であろうというドミとモーモーにしたがって、われわれも15ユーロだけ払うことにした。ドミはレストランの持ち主と火曜日に会って話をつけると言う。

このレストランの建物と敷地はわが村に帰属するそうだ。それをレストランの持ち主にリースしているということである。だから、村民はかなり強気なのかもしれない。この日バーの常連とは別にレストランに来ていた女性はモーモーの友達のようだったが、彼女は村長の秘書だということである。

そのほかの人たちはというと、何人かは飲み物代だけ払ったり、ジャン・ピエールを含め数人は全額27ユーロ50サンチームを払ったそうである。このへんのばらばら加減がいかにもフランス人らしいような気がした。日本人だったら、たぶん大勢にしたがっていただろうし、イギリス人だったら協議の上、統一した行動に出ていただろう(そうでないと抗議の意味がない)。というわけで、思い思いの行動を取り、お開きとなった。それでも、相互間に敵対関係とか苦い感情はないようである。ただ単にサービスに対して自分が適当と思われる対価を払ったというだけのことのようだ。ただ1つだけ共通するのは、誰ももう2度とこのレストランには行かないだろうということだ。

クレームブリュレ

2008-08-08 18:05:00 | 食べ物
メインの後はいつもどおりチーズ。ここは小さく切った3種類のチーズが胡桃のドレッシングのかかったレタスと一緒におしゃれな皿に乗って銘々に配られるのであるが、量は少ないものの、味はどれもいい。もっとも小さく見えても、メインの後には十分すぎる量。

今回はアップルパイは頼まず、クレームブリュレにした。クリームはかなり濃厚で味もこってりしている。上に砂糖がかかっていて、それが火で焼かれているのだが、イギリスではテレビの料理番組の中で人気シェフたちが溶接用の小型トーチランプをこれに使い始めたため、DIYセンターでトーチランプの売り上げが一気に伸びたという逸話もある。本場のフランスのシェフたちはどうやって焼き色をつけているのだろう。今までクレームブリュレはカスタードプリンをちょっと固めにしたものくらいに思っていたのだが、これはずっとクリームっぽかった。



再びラ・ショミエール

2008-08-08 18:02:28 | 食べ物
今日の天気はたりたり。
火曜日・水曜日と気温は30度を越え、日本の夏を思わせる蒸し暑さだったが、水曜日の夜に3時間くらい雷雨が続いた後、気温も湿度も下がり、過ごしやすくなっている。

さて、先週の土曜日に6週間ぶりにラ・ショミエールに行った。今度も19ユーロ50サンチームのセットメニューにしたのだが、前菜からすべて前回と異なったものを選んだ。

前菜はスープ。牛肉のカルパッチョもたいへん魅力だったのだが、メリルの「気持ち悪い」という言葉に遠慮して、スープにしてしまった。メリルは食に関しては典型的なイギリス人で、ステーキはウェルダンしか食べないし、シーフードはまったく食べない。もっとも、ブライアンのほうはメリルの意見はまったく無視で、カルパッチョを注文していた。スープはトマトベースの味なのだが、色は緑がかった薄茶色。各種野菜の入ったスープのようである。

メインコースは、マルミート鍋(marmite)入りの魚(スズキの一種だそうだ)と野菜。クリームとバターがたっぷりで、味はよいが、かなりこってりしている。横に添えられているのは、ドーフィネ風ポテト(クリームソースのかかったポテトグラタン)。わざわざジャガイモが別皿に乗って出てくるのはレストランだからで、普通の家庭料理だったら、この場合魚と野菜だけで、パンをソースに浸して食べて、腹の足しにするのではないだろうかと推測する。わたしもパンをクリームソースに浸して食べたかったが、お腹がいっぱいになりすぎるし、ソースのカロリーが高そうなので断念した。隣のテーブルのフランス人は前菜の「スモークサーモンと卵のココット」からパンを使いっぱなし。パンでせっせと入れ物を拭いては食べていた。

我が家のうさぎ

2008-08-02 13:27:36 | フランスの生活
前に我が家ではまだうさぎが出現していないと書いたが、その後うさぎが頻繁に出没するようになった。彼らはどうも暑さに弱いようで、朝と夕方を好み、特に日陰が好きなようである。草をはむときも、日陰を選んでいるようだ。

うちでも庭の草(クローバーが好み)を食べているのだが、お隣には各種野菜が植えられた立派な家庭菜園があるので、たぶんお隣のほうがうさぎたちに人気があるのではないだろうか。でも、田舎のフランス人のことだから、絶対に猟銃を持っているだろう。ピーター・ラビットの父親のように、うさぎパイにならないことを祈っている。

なぜかまたルー・マルミトゥーになってしまった

2008-08-01 17:51:50 | 食べ物
昨日おとといと日本の夏を思い出させる蒸し暑さだったが(昨日の最高気温は33度)、今日は一転曇り空で気温も25度前後。ずっと過ごしやすい。

昨日は、2軒隣のブライアンとメリルと一緒にルー・マルミテゥーに行った。もともとは思いつきでル・シャレー(Le Chalet)に行こうということになったのだが、ブライアンが電話をしてみたところ、女主人のテレーズのお母さんが危篤だか亡くなったかで、彼女がいないので閉店だということである。昨年以来ル・シャレーに行っていないので残念。テレーズはとても感じのいい女性で、食事のほうはローストチキンにマカロニ(塩コショウしてバターで炒めたもの)という奇想天外なメインコースだったので、今度はどんなものが出てくるのか楽しみにしていたのだった。

突然行っても確実に開いているところというと、ルー・マルミトゥーしかない。この日は8時近いとはいえまだ暑かったので、外で食事をすることにした。普段は駐車場になっているところに、テーブルとプラスチックの椅子にパラソルが並べられている。

最初のコースは本日は豆のスープ。いつもどおり、上にスライスしたパンが並べられている。豆のスープと言っても、ポタージュ状ではなくて、コンソメベース。でも、しっかり豆の味がする。ほかにもたまねぎやにんじんなど野菜が入っているが、動物性の味がするので(きっと豚でだしを取ってあるに違いない)、いつものようにベジタリアン向きではない。

次のコースは本日はクリュディテ。出てきたのは、スライスしたトマト、千切りのニンジンと飾り程度のレタスであった。ニンジンにはガーリックの効いた汁がたっぷりかかっている。今日はあまりに暑くて、前菜にまでオーブンを使う気になれなかったのだろうかなどと思う。食べるほうも、冷たい前菜は歓迎だけど。

メインコースは、豚肉かローストビーフ。それにフレンチフライ(細くきったジャガイモを揚げたもの)が付いて来た。前回は4人の男性も圧倒されるくらいの芋の量だったが、今回は適量であった。わたしは豚肉にしたのだが、オーブンで焼いたもののよう。ちょっと長くオーブンに入りすぎていたかなという感じがしないこともないが、風味はよかった。

続いていつものとおりチーズのコース。そして、デザートはクレームブリュレのムース。クレームブリュレの風味にムースの食感というのはなかなかいいコンビネーション。

赤ワイン2本とパンを含めて、一人12ユーロ50サンチーム也。"cheap and cheerful"という形容詞がぴったりの定食屋である。

ところで、今回のワインはちょっと苦かった。メリルいわく、ワインを卸す業者が変わったからだろうということだ。以前は、わたしたちの村のカーブ・デュ・リオンからワインを買っていたらしいのだが、数ヶ月前にこの経営者が猟銃で自殺した(我が家の前家主といい、この村の人口当たり自殺率はかなり高いに違いない)。わたしたちもこのワイン屋から買っていたのだが、店じまいしてからは隣町のワイン屋から買っている。

(すみません、今回は料理の写真がありません。大皿で出てくるため、すぐに取り分けないといけないという周囲のプレッシャーに負け、写真を撮る余裕がありませんでした。デザートの時点ではすでに暗くなってしまっていたし。)