ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

窃盗の季節

2005-03-31 04:40:52 | スペインの生活
今日(3月31日)はついに夏が来たかと思うほど、暑かった。朝から晴天で、最高気温は24度。ペドロランドの春は短い。冬が終わったと思うと、いきなり夏に突入する。一度夏になると、あとは連日晴天で、気温も25度以上が続く。

今朝はペドロランドのあちこちで、泥棒のニュースが聞かれた。今回は自動車中心らしい。幸い我が家の車には物色した跡もなかった。被害のあったのは一般道路に近い入り口付近の家ばかりのようだ。何が幸いするかわからないもので、鍵をかけておいた車はこじあけられて、ドアを壊されたりしたようだが、鍵をかけなかった車は中を物色されただけで、何も盗られなかったようである。

このところしばらく泥棒の話がなかったが、やはり観光シーズンが始まっただけある。泥棒たちも冬眠から覚めたようだ。

マーケット

2005-03-31 01:54:48 | スペインの生活
土曜日にはマーケットが出る。ペドロランドのあるプラヤ・フラメンカにストリート・マーケットができたのは今から4年ほど前だ。ある日突然、市役所からお達しがあって、マーケットが始まった。住宅街の普通の道路に土曜日の午前9時~午後3時まで市が立つ。こういうのはイギリスの常識では考えられないと言うので、地元の英字新聞では当初ちょっとした議論を呼んだ。土曜日は休暇を過ごす人たちが到着したり、あるいは母国に帰って行くことが多い。そうした移動の多い日の朝6時から午後3時までに、この道路がほとんど通行止め状態になるのは、近所に住む人や別荘をもつ人たちにとって不便きわまりない。こんな重要な決定を住民に相談無く、突然市役所が実行に移すのはとんでもないというのが、反対派の意見であった。一方、賛成派の意見は、マーケットはスペイン人の生活の一部である。せっかくスペインにいるのであるから、それを楽しめば?というものであった。

結局のところ、反対派の心配はかなり悲観的な観測だったようだ。あらかじめ、土曜日は近辺の道路の渋滞を見込んで早めに家を出るとか、前日の夜に自動車を車庫から出しておいて、裏道に駐車して置くとかすれば、この問題は防げる。我が家はこのマーケットから直線距離でほんの100メートルほどしか離れていないのだが、一度に何百人もの人々が行き来するマーケットがすぐそこにあるとは思えないほど、土曜日も静かだ。午後4時半までには、ゴミ収集車が来てきれいにゴミを片付け、またもとの静かな住宅街の道路に戻る。兵どもが夢のあとである。

値段のついているものは、その値段でしか売ってくれないが、値段のついていないものは、交渉の余地ありだそうである。モロッコ人やアルジェリア人の露店にこの類が多い。やっぱり値切るのはお国柄であろう。「ハウマッチ?(いくら?)」と聞くと、「ハウマッチ?(いくらなら買う?)」と聞いて来る。わたしは面倒くさいので、この手の店には寄らない。値切る手間を惜しまない人だったら、いい買い物ができるだろう。残念ながら、このマーケットは観光客主体なので、あまり安くない。うっかり値段表示の無い野菜など買おうものなら、スーパーの倍くらい払うことになる。しかし、いい点は800メートルほどの一直線の道路の両側に露店が出ているので、まず行きは値段を比較して、戻るときに一番安かった店で買うということが可能であることだ。

普段はイギリス人の多いマーケットであるが、先週の土曜日(3月26日)はいつもよりスペイン語が多く聞かれた。やっぱり、イースターはスペイン人の休暇シーズンなのだろう。

沈黙の行列(3)

2005-03-27 01:17:21 | 異文化・風俗・習慣
今回の行列で気がついたのは、山車には車輪のついた脚がついていることだ。行列が停まっているときには、担ぎ手たちは肩を休めることができる。あるいはこの山車だけなのかもしれないが。

今日の行列はたいへん小規模なものだった。ブラスバンドもなく、旗持ち・ナサレロ・鼓手・山車という簡素な構成である。お菓子を配る子供たちもいない。しかし、街頭が消えて真っ暗になったときにはちょっと不気味なくらい、厳かな行列だった。キリストの受刑を翌日に控えた木曜日にふさわしい行列だったように思う。山車を担ぐ男性たちのしぐさは、キリストが自らの十字架を担いでゴルゴダの丘に登って行った姿にも似ていると言う人もいる。この行列の最後、山車の後を多くの一般の人たちが従って歩いて行った。

というわけで、今回は山車は細い横道を通って行ったので、あまりいい写真が撮れなかった。わたしは行列の先回りをし、もう少し写真を撮り直したかったのであるが、連れの3人が早くバーに生きたそうだったので、断念した。それもそのはず、3人ともトイレに行きたくてたまらなかったのだ。入ったバーはスペイン人の若い男の子と女の子のたむろするバーだった。エレクトロニック・スコアボード付きのダーツ板などもあったりして、ちょっと変わったバーだった。帰り道にもう1軒、今度はイギリスのバーに立ち寄って、家に帰る。

沈黙の行列(2)

2005-03-27 00:58:23 | 異文化・風俗・習慣
こうして陣取った場所は肉眼で見るのには絶好の場所だったのだが、写真を撮るにはちょっと近すぎた。写真中央の男性は鼓手の一人である。単調かつ厳かなリズムを刻むドラマーたちに先導され、山車がやってくる。このドラマーたちは、年齢的には3歳から19歳くらいまでの男の子たち。3歳の先頭鼓手はほとんどやる気がない。沿道からお母さんが出てきて、シャツのすそをズボンにたくし込んだり、いろいろと世話を焼いていた。

写真中央に見える竿のようなものは、道路に張り渡された電線を持ち上げるためのものである。山車が電線に引っかかるのを防ぐため。

ちょうど教会裏に行列が差しかかったところで、街頭が一斉に消えた。辺りは真っ暗になり、山車の上に飾られた十字架上のキリストの姿だけが暗闇の中に浮かび上がる。

沈黙の行列(1)

2005-03-27 00:47:55 | 異文化・風俗・習慣
一昨日(3月24日)、またピラール・デ・ラ・オラダーダに復活祭の行列を見に行く。この日は、「沈黙の行列」の日であった。名前からして、あまり華やかそうなパレードではない。本当は、火曜日か水曜日が多くの山車が出て、よさそうだったのだが、火曜日は連夜の外出で疲れていたし、水曜日は現在はまっているテレビ番組とかちあうので、行列見物を見送った。この町では、聖週間の始まりの日曜日から1週間、月曜日を除く毎日、行列が行われている。毎日異なった同一教会員団体(日本の祭りで言うと、町内会に当たるのではないか)がそれぞれ山車を出し、異なったルートを通って、最後に教会前広場で全部の山車が集まるというパターンのようである。

この日は、近所に住むイギリス人男性・リッキーと彼のいとこで、イギリスからこの日到着したばかりのミシェルも行列を見に行くことになった。行列の始まりは午後10時半ということだったのだが、早めに行って、行列ルートを確認し、バーで飲む。10時25分頃になると、バーのプロジェクタのスクリーンが下りてきた。フットボールの試合でも見せるのかと思ったら、なんと行列の模様を映し出した。もう行列が始まっている。時間にはおおまかなスペインのことだから、予定通り10時半には始まるまいと油断していたわたしたちは、急いでビールを飲み干して、町庁舎に向かう。ここにはもう誰もいなくて、早足で教会前広場を目指す。太鼓の音が聞こえてきた。横道を通って、行列の前に回る。

今夜のナサレロは、一様にエンジに黒の衣装を身に着けている。ナサレロとは、山車に付き添う人たちを指し、自分の犯した罪を悔い、神の許しを請う人たちがこの役を務めたそうである。自分の正体を隠すために、目のところだけ穴の開いたとんがり帽の覆面をかぶったと言う。今でも、この伝統は受け継がれているのか、あるいは町内会で役を振り当てるのか?この役はもっぱら女性ばかりのようなので、たぶん町内会で決められたのだろう。貸し衣装屋のウィンドウに、マンティーリャの行列の時のナサレロの衣装が飾ってあった。


イースターの食べ物

2005-03-23 20:02:50 | 異文化・風俗・習慣
一時イギリスでイースターの食べ物と言ったら、やっぱりホット・クロス・バンだろう。この写真はわたしのHPから転用したもの。残念ながら、今年はスペインでイースターを過ごすことにしたので、手に入らなかった。レーズンとオレンジ・レモン皮の入ったパンで、ミックスド・スパイスとシナモンで味がついている。ちょっと甘めのパンで、半分に切ってトーストし、バターをぬって、お茶と一緒にいただく。生地に十字に切り込みを入れて焼くという方法もあるようだが、最近スーパーで見られるのは、写真のように白いリボン状のアイシングのようなもので十字模様をつけたものばかりだ。キリストが十字架にかかったことを記念して、これをイースターに食べるわけである。もっとも、このパンはキリスト教渡来前よりイギリスに存在したそうだ。

グッド・フライデーに焼いたパンには特殊な力が宿っていると信じられていたそうである。興味のある方はぜひHPをご覧いただきたい。この記事を書いたのは今から7年ほど前になると思うが、今ではホットクロスバンは1年中スーパーに並ぶようになった。やっぱりわたしのようなファンたちが1年に1週間ほどしか食べられないのは残念とスーパーに訴えかけたのだろう。イギリスに帰るたびに食べられるようになったのはたいへんうれしい。

このほか、イギリスでイースターの食べ物と言うと、シムネルケーキがあげられる。これはイギリス人お気に入りのどっしりとしたフルーツケーキで、黄色い卵の形をしたマジパンの飾りが上にたくさんついたなかなかかわいいケーキである。

イースターエッグ

2005-03-23 19:33:02 | 異文化・風俗・習慣
イギリスでイースターエッグというと、最近はチョコレートのものが圧倒的に多い。一番多いのは、大きな卵型で、中が空洞になっており、そこにいろいろな種類の小さなチョコレートが入っているというもの。最近はイースターというとチョコレートのやりとりをする時期ということになってしまっていて、まるで日本のバレンタインデーのようである。うさぎ型のチョコレートもよく見られる。

スペインでも、この時期になると、色とりどりの固ゆで卵がスーパーの店頭に並ぶ。イースターの2週間くらい前から並んでいるので、食用ではなく、飾り用なのだろう。イギリスでも、イースターサンデーの朝食に色つきの固ゆで卵(天然染料を使ったものだそうです。ご安心を)を食べる習慣があるそうだが(わたしは実行している人を知らないけど)、ほとんどが飾りだと思う。一度、飾り用のイースターエッグを作るのに付き合ったことがあるが、中身は抜くようである。これがなかなか難しい。生卵に小さな穴を針で開け、ストローを入れて、中身を吹いて抜き出すのだが、下手をすると、生卵を吸い込んでしまう。こうして、中身を抜いた卵に染料で色をつける。絵を書いてもいいが、水に溶いた染料の中に卵を静かに落として、できた模様を楽しんだりする。

イースターに卵を交換するイギリスの習慣はサクソン民族の信仰から来ているという。が、イタリアなどでもイースターに固ゆで卵を食べる習慣があるようだし、サクソン民族に限ったものでもないようだ。もっとも、スペイン人は普段からゆで卵が大好きである。縦割りに半分にしたゆで卵を円状に並べるための皿(6~8個の卵型のくぼみがある)なども売られているくらいで、ちょっとしたパーティーやおつまみにゆで卵を食べることが多い。近所のイギリス人に言わせると、イギリスと比べてスペインの卵はとてもおいしいのだそうだ(わたしは特になんとも思わないけど)。

マンティーリャの行列(3)

2005-03-22 02:24:40 | 異文化・風俗・習慣
これがクライマックス。神輿というべきか山車というべきか。やっぱりかつぐものだから神輿?最近では、モーターのついたものが多くなってきたそうだ。そうなるとやっぱり山車だろう。

先頭に鐘がついていて、角にさしかかると鐘を鳴らす。そうすると、全員足踏み状態になって、先頭から徐々に向きを変えていく。この調子で繁華街を一周するのだから、ご苦労なことである。一度に進むのはほんのわずか。わずかに体を左右にゆすりながら、肩にかかる重さを分散させ、バランスをとるのがこつだそうだ。トーレビエッハのイギリス人のかつぎ手たちも本番の2ヶ月前くらいから毎週1回練習を重ねてきたらしい。

最後にもう1団の鼓笛隊が続く。その後にパトカーがやってきて、おしまい。実は最初の部分を見損ねたので、横道を通り、行列の先回りをして、別の場所でもう1度最初から見直す。同じようなことをして、繰り返し行列を見ている人も多いようだ。このへんが小さな町のあまり有名でない祭りのいいところかもしれない。

こうして、一通り見終わって家に帰った。スペインに住んで4年になるが、実は聖週間の行列を見るのがこれが初めて。去年とおととしはイギリスでイースターを迎えたし、その前はどこで何をやっているのか全然わからなかった。やっぱり、スペイン人は祭りの天才だ。

マンティーリャの行列(2)

2005-03-22 01:57:22 | 異文化・風俗・習慣
次には黒衣の女性たちが続く。この女性たちのかぶっている黒の髪覆いがマンティーリャと呼ばれる。彼女たちの持っているろうそくは電池式のようで、本物ではない。立ち止まったときに、ふと沿道の人たちにカードを差し出している女性も見かけた。いかにも袖の下という感じで、そっと後ろ手に差し出す。隣で見物していたスペイン人女性が受け取っていたが、どうやら、聖母マリアか町の守護聖人の絵の描かれたカードのようだ。なぜここまで、こっそりとする必要があるのか不思議。

この後、お香の匂いとともに、3~7才くらいの男の子たちが7~8人現われる。みんな白の長袖ワイシャツに黒の長ズボンといういでたちだ。一人は銀のポットのようなものを持っていて、もう一人はやはり銀色の香炉(よくカトリックの司祭さんがミサのときに振っているものです)を振っている。行列にはまったく興味が無いのか、お香を振っている年長の子供以外は、まっすぐに歩かずにあちこちでぶらぶらしている。

マンティーリャの行列(1)

2005-03-22 01:51:19 | 異文化・風俗・習慣
鼓笛隊の後には写真のような覆面をした女性(だと思う)たちが1メートル近い細長いろうそくを持って従う。ときどき立ち止まっては、後に続く行列との歩調をあわせる。

この後、ややり白地の服に深緑の帯をしめ、深緑のリボンを髪につけた3~6才くらいの女の子たちが6~7人現われた。一人ずつ小さなかごを持っていて、沿道で見物をする子供たちにお菓子を配ったりしている。