ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

もうすぐクリスマス

2005-12-23 23:16:01 | イギリスの生活
今日はスーパーマーケットもガソリンスタンドもたいへんな行列だということである。肉屋にハムを買いに行った夫は、店の外まで続く行列を見た途端、ハムをあきらめたそうである。魚屋のほうはそれほど混んでいなかったと見えて、ロールモップ(真ん中に玉ねぎかガーキンを入れて3枚におろしたニシンで巻き、酢漬けにしたもの)とムール貝を買ってきた。

昨日から空港やドーバーの港などでラッシュが始まり、今年は海外脱出組の数が至上最高記録となったということである。さぞかしイギリスは空いているだろうと思ったのが、この混みようはなぜなのか。あ、わたしたちのように、わざわざ海外からイギリスにやってくる奴がいるからなのか。

フランスの家(3)

2005-12-23 23:01:53 | 旅行
今日のイギリスは

最後に居間を。2つフランス窓がついているくらいで、この部屋はわりと大きめだが、2つの寝室が小さいのがちょっと不満。

写真中央にあるのは暖炉だが、フランスの地方で都市ガスが引かれているところは少ないようだ。ここも、燃料は薪。フランスは70パーセントが原子力発電であるため、電気代が安いという話である。湯沸しボイラーとセントラルヒーティングは電気のようだ。

この家は遺産相続売りのようで、一部の家具は残るようである。イギリスだと、売買契約書にそれぞれの部屋のランプのかさまで何が売り物件に含まれるのか、はっきりと売り手が指示しないといけないのだが、フランスはそうではないようだ。フランス人の趣味はちょっと重すぎる(濃い色の木材を使ったものが多いので、暗い)のだが、とりあえず座る場所があるのはありがたい。

この家は袋小路の奥にあり、道路から裏庭に回ると正面玄関があるという不思議な造り。現在2寝室だが、車庫部分を改造して、もう1部屋作りたいと思っている。トイレは風呂場とは別に独立してるのだが、不思議なことに(でもフランスではよくあることに)手を洗う場所がない。フランス人はトイレで用を足した後、手を洗わないのか?トイレの隣がバスルームなので、トイレから出た後すぐに隣で手を洗うことはできるのだが、トイレとバスルームのドアノブが不衛生になりそうな気がする。日本のトイレのように、水槽の上で手を洗えるトイレがあると、現在の狭いスペースでも、トイレの中の手を洗えることができていいのだが。

風呂場を改装するときには、意味の無いビデを取り除いて、もう1つトイレをつけたいというのがわたしの希望。なぜかわたしにはトイレに対する執着があって、人数分のトイレがどうしてもほしい。イギリスのビーン村の家には、住人2人に対してトイレが3つあり、これはわたしの理想の家であった。トイレが2つ必要になることはめったにないだろうが、万が一2人同時に食中毒になったときに便利でしょう?

というわけで、この家は居間・台所・小さなダイニングルーム・トイレ・風呂場・2寝室・小さなユティリティールームと車庫からなる。それに別棟として車2台分の車庫。フランスの不動産は、この付属の建物が特徴だ。多くの家に車庫や物置、時に巨大な納屋とかが付いて来るので、グリコのおまけのようにうれしい。中には、同じ敷地内にある2つの家が1つ分の値段で買えるなんていうお買い得品まである。フランス人はあまり家の手入れをしないで放っておくから、荒れ果てた安い物件をイギリス人の本職の大工や日曜大工の好きな人が買って自分の好みに大改造するというのも、よくある話である。


フランスの家(2)

2005-12-22 23:28:21 | 旅行
今日のイギリスはのち

ファッションでは定評の高いフランスであるが、はっきり言って、インテリアの趣味はかなり悪いと思う。同情的に言えば、たぶん最近はそれほど悪くないのだろうけど、フランス人は家にはあまり関心がないので、熱心に家の改装をする人がいないのだろう。内装が60年代、70年代のままという家が多い。

確かフランスの持ち家率は30パーセント台だったと思う。したがって賃借人は「自分のものでもない家に金を使っても仕方がない」、大家のほうは「なるべくコストをかけず、賃貸の利益率を上げたい」ということで、面倒を見られずにぼろぼろのままの家がフランスには多い。そこへ行くと、「イギリス人男性の家は城」という言い回しがあるように、イギリスでは、賃貸住宅であっても自分の好みに部屋を改装したり、実によく手をかける人が多い。フランス人男性は家に金をかけない分、おしゃれに金をかけるのだそうだ(それにたぶん4コース料理の外食にも)。

写真はバスルーム。風呂と洗面台とビデがあるのだが、紫で統一されている。写真は光の加減でピンクっぽく写っているが、実際にはかなりきつい紫。それも、床から天井まで紫のタイル貼りである。風呂桶に見られるように、縁に行くにしたがって紫が濃くなるというグラデーション付。改装は台所が優先だが、いつまで紫に耐えられるか。

フランスでは、ドアにまで壁紙を貼っている家が多い。これはイギリスでは絶対にないことで、イギリス人の話のタネになっている。イギリスでは、ドアはペンキを塗るか、木のそのままの柄を残してニスを塗るだけことが多い。フランス人がドアに壁紙を張るというのは、日本人のふすまに感覚的に近いのかもしれない。この家も例外ではなくて、それぞれの部屋のドアの廊下に面した側には廊下と同じ壁紙が貼られている(これは地味な柄なので、耐えられそう)。台所のドアは、台所の一部と同じ、果物の盛られたフルーツ皿の柄の壁紙だ。

それから、フランスの家には作りつけの収納スペースの全くないものが多く、この家もその1つ。洋服ダンスを買わないといけない。スペインの家は別荘としての用途を意識して建てられているので、小さいながらも作り付けの洋服ダンスがそれぞれの部屋にあって重宝している。この家は家具にお金がかかりそうだ。

フランスの家(1)

2005-12-21 19:43:33 | 旅行
今日のイギリスは

インテリアも見たいという皆ちゃんのご要望に応えて、フランスの家の内部をご紹介します。

まずは台所。イギリスではシステムキッチンが普及しているのだが、フランスはこの点ではかなり後進国だと思う。この家の台所は一応戸棚のドアは同じ白の素材で統一されているし、ワークトップも壁と同じタイル張り(茶色の花柄というのが残念だが)になっているので、ましなほう。

ワークトップに足がついただけのテーブル状のものの縁に針金を渡し、そこに短いカーテンを吊る下げて台所の戸棚、というのがフランスではよく見られる。なぜフランスでシステムキッチンが普及しないのかと言うと、フランス人は引っ越すときに台所まるごと次の家に持っていくのだそうだ。だから、システムキッチンにすると、壁から取り外し、ばらして輸送するのがたいへんなので、あまり人気がないのだということである。

もっとも、以前イギリスで、わたしの家の隣に住んでいた夫婦は仮住まいだったが、次の家に持っていくと言って、前の家で使っていたシステムキッチンを車庫の中にしまっていた。イギリス人の中にはたまにそういう人もいるが、ほとんどの場合はみなそのまま残していく。趣味よく整えられ、良質の材料・器具を使ったシステムキッチンはセールスポイントになるが、遅かれ早かれ、新しくその家を買った人たちが自分たちの好みに合わせて新しくシステムキッチンを作り直すのが普通である。

この台所はたぶん入居後第一番の改装対象となるであろう。

冬のフランス

2005-12-20 18:43:20 | 旅行
今日のイギリスは

またまた遅くなってしまったが、フランスの感想を少し。

やっぱりスペインよりはずっと寒かった。イギリス南東部よりも寒いかもしれない。でも、木々にはまだ茶色や黄色の葉が残っていて、風景は冬と言うよりは秋という感じ。ナルボンヌで、海岸沿いの高速道路からボルドーに向けて内陸部に入る高速道路に進路を変えると、しばらくピレネー山脈に平行して走ることになるのだが、雪に覆われた山々が太陽を受けて輝いているのが美しかった。やっぱり日差しは冬だ。

フランス人の不動産屋ファブリスの紹介で、イギリス人のご夫婦が経営するベッド・アンド・ブレックファーストに3泊ほどした。小さな村なのだが、2軒もレストランがある。もっとも、客はわたしたちだけという夜もあった。こんな小さな村でどうやって、2軒のレストランが生計を立てていけるのか不思議だ。

フランスのレストランと言うと、4コースのセットメニューを2時間かけて食べるというパターンしかないようである。この日は昼間ファブリスに連れて行ってもらった店で、たっぷりランチを取ったので(昼間のセットメニューは10ユーロ(約1400円)から13ユーロと安くて絶対にお得だ)、夜は軽く済ませたかったのだが、軽い食事を取れる店というのがなかなか無い。結局、40キロほど車を走らせて、バッファロー・グリルというアメリカ料理のチェーン店でハンバーガーとスペアリブを食べる。とても感じのよいフランス人青年が英語で世話してくれた。

フランス人にとって食べるということはとても重要なことのようだ。フランス滞在2日目、、ファブリスが付き添ってくれて、目的の銀行口座開設と購入する家の再訪に出かけた。英語を話すフランス人の銀行員をファブリスが紹介してくれ、問題なく銀行口座を開設することができた(フランス人もスペイン人以上に書類が好きだ。その大量の書類の1ページずつに頭文字をサインしないといけない。大仕事である)。一つ目的を達成すると、時刻は正午。ファブリスがそわそわし始める。「そろそろお昼の時間かな?」夫は家を見たくてたまらないので、家を見てからということになる。家に行き、写真を取ったりするが、だんだんファブリスが不安そうになってくるのがわかる。昼食が心配なのだ。1時近くなり、もう一度午後に来るということにして家を出て、ファブリスの行きつけの店に行く。

仕事の合間に食事を取る人たちでごった返しているのだが、そこはさすがにフランス。きちんとセットされたテーブルについて、4コースのセットメニューである。作業着姿の人たちのテーブルには、赤ワインのボトルまでのっている。2時になると、レストランは途端に静かになる。「みんな2時までに食事を済ませたいから、昼食時は地獄のような忙しさよ」とウェートレスが文句を言っていたが、そんなに急ぐのなら4コースの料理なんか食べなければいいのに。ファブリスが言うには、スーパーマーケットの中にあるレストランは、ちゃんとした料理を出すが、45分くらいで食事を済ませられるということで、迅速サービスのレストランもあるらしい。が、それでも45分である。日本の立ち食いそば屋など見たら、フランス人は腰を抜かすかもしれない。

「今日はちょっと食事を作る気がしないから、軽く外食で済ませちゃお」という気分のとき、フランスの主婦はいったいどうするのであろう。料理が嫌いなわたしは、これからの生活に不安を覚えるのだった。そのたびに4コース料理を食べるのは疲れる。しかも、残すと不機嫌になるのだ。夫の助けを借りてなんとかチーズまでは残さずに済んだが、最後のデザートはさすがに食べきれず皿に残したら、ウェートレスに「マダーム!!」と言っておこられた。

フランス人はフランス料理が一番だと思っているから、フランス料理以外のレストランがあまりない。それがフランスの問題点だとファブリスが言う。これはわたしも10月にフランスを旅行したときに気がついた。スペインのペドロランド近辺では、石を投げれば安い中華料理店に当たるのだが、このとき、フランスではたった1軒しか見かけなかった。経済面でも、フランスではあまり外食はできない。フランス料理の店のセットメニューは、24ユーロ(約3300円)からと夜になると途端に高くなる。あるレストランでは、ワイン1瓶20ユーロも取られた。

ファブリスによると、20キロほど離れた町に中華兼ベトナム料理の店が1軒あるそうだ。そこに昨夜行って、最近その店で始めた日本料理を食べてみたとのこと。わさびって本当にうまく名づけたものだ、「わぁっーーーさっびー」というくらい辛かったとたいへん感心してた。辛味ってフランス料理にはない味覚だものね。

イギリスに到着

2005-12-12 00:58:21 | イギリスの生活
6日(火)の夜にスペインを出発した。出発前にブログへの投稿を考えていたのだが、1日中インターネットに接続が出来なかった。最後の最後まで、テレフォニカには迷惑をかけられる。この日は、スペインの国民の祭日だったので(聖ニコラスの祭日でもあり、憲法記念日でもある)、サーバーに問題があったのだが、誰も直せる人がいなかったのではないだろうか。しかたがないので、仕事のほうは、普通の電話回線を使い、ダイヤルアップ接続でファイルのやり取りをしたのだが、月39ユーロ99セントという決して安くないADSL料金を払った上に、同じ電話会社に、ダイヤルアップの電話料金を払って、儲けさせてやるのは、おもしろくない気分であった。

フランスで3泊し、昨夜(10日)イギリスに到着した。朝9時半にボルドーの東約70キロメートルのところを出発し、カレーには午後6時に到着した。長い運転で疲れている夫の意見でユーロトンネルを利用することにしたが、なんと片道料金が155ポンド(約33,000円)というので、ぶっ飛んでしまった。フェリーの港に引き返す気にもなれないので大枚をはたいたが、もう2度と利用しないぞ。

朝、フランスで起きたときは一面の霜で、その後気温は日中でも4度を越えることはとうとうなかった。車外の温度を示す車の温度計が、一時期マイナス2度を示したこともある。イギリスは零度。トレーラーハウスの近辺はとても濃い霧が立ち込めていた。夫いわく、「スペインにいればよかった!」