ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

パースニップという名の野菜

2006-01-31 14:13:32 | 食べ物
のちkmyさんのリクエストにお応えして、パースニップの写真をアップしてみました。あんまり見栄えのする食べ物ではないですが。

写真左上が生のまるのまま。メイン部分が拍子木状に切ってローストしたものである(kmyさんの職人はだしのパンの写真を拝見した後に、自分の調理したものの写真を載せるのはちょっと恥ずかしいのですが)。

スーパーでニンジンなどと一緒にパックになって売られているのを見ると、シチュー系の料理にも使われるのかもしれないが、社員食堂やよそのお家でご馳走になった限りでは、拍子木状に切ってブラシで油を塗り、オーブンで焼くというのが一番よく見る食べ方のようである。この場合、ローストした肉などの付け合せとしていただく。

お味のほうはというと、ほんのり甘い。ひまわり油を塗ってローストしただけでも、まるではちみつをかけたような甘さがある。

もうすぐスペイン

2006-01-31 01:55:23 | イギリスの生活
フランスの家の契約日が2月3日に決まった。2月2日にイギリスを出発し、今回はスピードフェリーという高速フェリーを利用してフランスに渡る予定。これを利用するのは初めてなのだが、所要時間50分、料金は25ポンド(3000円)というのが魅力。ただ、1日3便しかないので、万が一乗り損ねたり、運休になったりした場合が心配だ。

2月2日の夜道中一泊し、2月3日の午後3時に不動産屋ファブリスの事務所で売り手と一緒に契約書にサインすることになる。3日は、イギリス人ご夫婦・ヘレンとデーブの営むB&Bに再びお世話になり、翌朝スペインへと向かい、夜にはペドロランドの我が家に到着する予定だ。

今日はまた曇りで比較的暖かい(と言っても最高気温5度だが)が、週末は晴れた代わりにとても寒かった。木曜日の夜には雪が降ったくらいである。サセックス県では6センチくらい積もったところもあったとニュースで言っていた。

スペインでは少なくとも10度はイギリスより暖かく、晴れた日には20度近くに気温が上がることもある。スペインの太陽に早く再会したいものだ。

ロンドン名物

2006-01-30 01:32:45 | 食べ物
グリさん、これが先日メールでお話したjellied eelsですが、これでしょうか?

ジェリード・イールズはロンドンっ子、特にイーストエンドに住む人たちの食べ物である。テムズ川をはじめとするイギリス南東部の川で獲れる淡水うなぎを素材とし、イーストエンドに住む貧しい人たちが好んで食べる安い食べ物であった。が、最近では、アイルランドやオランダで獲れる輸入物が主流となり、うなぎの値段も上がったため、決して安い食べ物ではない。また、イギリス人の食感覚ではゲテモノ食いの境界線すれすれくらいに位置するようで、生粋のイーストエンダーでも嫌いな人が少なくないほど、好き嫌いの分かれる食べ物でもある。灰色の地に白みのかかった皮のついたうなぎのぶつ切りは、ちょっとグロテスクに見えないこともない。また、たいてい洗面器に入って売られていて、とても上品といえるような食べ物ではないのも確かだ。

基本的には立ち食い食品で、魚屋でこれを購入したときも、ここで食べますか?と聞かれたほど。Yesと答えると、ビネガーをふってくれるのだが、写真を撮る都合があるので、持ち帰りにした。ジェリードイールズの場合、モルトビネガーに唐辛子を加えたホットチリビネガーがつき物だそうだ。持ち帰りにすると言うと、「パンと一緒に食べるとおいしいんだよね」と魚屋さんが付け加えた。「不思議の国のアリス」の中の牡蠣の話をグリさんが紹介してくださったように、魚介類とパンというのは、イギリス人にとっては切っても切れない関係のようである。

最近は少なくなったが、パブの駐車場に日曜日に出る屋台でも、cockle(トリ貝)やwhelk(バイ)、ムール貝などと一緒にジェリードイールズを食べることができる。ここでジェリードイールズを注文するとパン(パリパリの耳のついた白い食パン)がついてくることがよくある。

昔はうなぎの脂がのっていて、うなぎから出た煮汁だけでゼリーが作れたと年配のロンドンっ子が言っていたが、最近ではゼリー部分にゼラチンを加えることが多いようだ。が、それでも魚のだしがきいており、イギリス料理にしては微妙な味が複雑に混ざっていて、ゼリー部分はなかなかおいしいと思う。

洗面器の入れ物から、適当にうなぎとゼリーとを混ぜて、写真のプラスチックの入れ物(直径8センチ・深さ4センチほど)に入れてくれる。これで2ポンド(約400円)也。

ちなみに、一緒に写真に写っているのが、フィッシュ・アンド・チップスをはじめイギリスの魚介類とは縁の深いモルトビネガー。味は普通の酢ほど酸っぱくなくて、まろやかである。

起業するならイギリス、引退するならフランス

2006-01-27 23:44:08 | イギリスの時事
先日、ケントのローカルニュースで、イギリスに移住するフランス人が増えてきたと報道していた。これまでは、圧倒的にフランスに移住するイギリス人が多かったのに対して、やっと輸出超過が是正され始めてきたということである。

イギリスに移住したフランス人の目的は起業。ビジネスを起こすのに、イギリスは最適だと、若いフランス人女性が流暢な英語で語っていた。ケント県内のパブを買い取ったフランス人男性が、一緒に厨房で働くフランス人シェフを募集したところ、フランス全土から600人もの応募があったと言う。

一方、フランスの安い住宅価格に惹かれて家族でフランスに移住したイギリス人男性が事業を始めようとしたが、許可が下りるまでが大仕事。とにかく、フランス人は書類が大好きである。申込用紙を申請するための用紙に記入しないといけないほどだ。夫が事業を始めることに同意しているという手紙をお役所宛てに妻が書かなくてはならなかったそうである。とうとう、この男性、地元の役所の前に赤い紙テープを体中に巻きつけて立ち(お役所主義を英語ではレッドテープと言う)、抗議行動に移したそうだが、果たしてフランスのお役人たちに理解してもらえただろうか?この番組では、もう一人、フランスに恋をして移住を決意した若いイギリス人女性を紹介していたが、彼女も職はなかなか見つからず、苦戦中のようだ。

この番組、最後に「引退するにはフランスは最高だが、起業を試みるならイギリスのほうがよい」と締めくくっていた。

休暇を過ごすのと実際に生活をするのではだいぶ違う。やはりイギリスのテレビ番組で、スペインに移住を試みる人々をカメラで追っている番組がある。みな最初は休暇で来て、のんびりとした生活スタイルが気に入り、あくせく働くイギリスの生活を捨てて、移住しようと決心するようだ。が、貯金のある年金生活者でもない限り、やはり働いて生計を立てないとならない。物価が安いだけすみやすいかもしれないが、賃金もイギリスより安いので、あまり事情は変わらない。やはり物質的に豊かな生活をしたいと思うなら、あくせく働くしかないのである。現実は厳しい。


久々の太陽

2006-01-21 00:20:40 | イギリスの生活
のち昨日ラジオでのDJと天気予報のおねえさんとのやりとり。お天気のおねえさん "Guess what's coming this weekend?" DJ "Snow?!" お天気のおねえさん "The sun!!" このDJが太陽よりは雪のほうがありそうと思うのも無理はない。

今月の日照時間は合計8時間と言っていた。とにかく、毎日灰色である。そもそも日の出は午前8時、日の入りは4時半なので、太陽が出ても日照時間は短い。曇りとか霧雨・小雨の日となると、朝から1日中電気をつけて消さないという日も珍しくない。が、やっと今日、太陽が顔を出した。やっぱり青空は気持ちがいい。

先週の金曜日にロンドンに出かけた。ロンドンに出かけるとなると、あれもこれもということになり、日本の美容院でカットをし、日本食料品を買い込み、洋服を見たり。で、夕方には元同僚の日本女性ばかり11人が中華料理のバイキングに集まった。

フォートナム・アンド・メイソンをハリー・ポッターのリサーチ目的で訪れたのだが、お目当ての"crystallised pineapple"は見つからなかったものの、クリスマス食品が大割引であった。で、クリスマスプディングとミンスパイを買う。907グラムのクリスマスプディングは11ポンド50ペンス(約2300円)から3ポンド50ペンス(約700円)に大幅値下げ。わたしはクリスマスプディングはあまり好きではないので食べていないが、見た目もスーパーのとはちょっと違うよう。

ミンスパイは直径5センチ深さ3センチくらいあって、ショートブレッドのパイもおいしいし、ミンスミートも甘すぎない。今まで食べたうちで一番おいしいミンスパイであった。が、元値の6ポンド(1200円)では買わなかっただろうな。1個1ポンドはいくらおいしくても高すぎる。でも、6個で1ポンド50ペンス(300円)としてはいい買い物であった。クリスマス食品は1月に買うことをお勧めします。

フランス生牡蠣の謎

2006-01-12 17:57:54 | 食べ物
のち月曜日に仕事でロンドンに行ったが、仕事が終わった後、日本からロンドンへ5日間の予定で来ていらっしゃるiさんにお会いした。iさんとはサイトを通して知り合った仲である。

この日は、年末・年始の地下鉄ストライキ第2弾の日にあたり、29の駅が閉鎖されているということで無事会えるかどうか、朝から心配していた。が、結局待ち合わせ場所のセント・ポールズ駅も開いていたし、電車のほうも間引き運転らしかったが、iさんいわく山手線のように次から次へと電車が入ってきて、まったく支障はなかったようだ。

ところで、前から気になっていたこと。このブログをご覧くださっている方の中には、食通の方が多いので、お答えをいただけるのではないかと期待しつつ、質問をさせていただきます。

12月初めにフランスに寄ったときに、フランス料理店で生牡蠣を食べた。28ユーロのコースの前菜である。牡蠣を食べるのは実に数十年ぶりであった。子供の頃、母がよく牡蠣フライを作ってくれたのだが、これが大嫌いであった(お母さん、ごめんなさい)。それ以来牡蠣からは遠ざかっていたのだが、この日はなんとなく気分が向いて、生牡蠣を注文してみた(夫は鴨のトリロジー・サラダというのを注文した。心臓・胸肉・フォアグラで三部作だそうである)。生牡蠣6個と一緒に運ばれてきたのが、刻んだエシャロットを酢(たぶん赤ワインビネガー)に漬けたものとバターであった。酢漬けのエシャロットは生牡蠣との相性もよくて美味であったが、謎なのはバター。この2つは小さな盆に一緒に乗っていた。

結局わたしたちはこのバターをフランスパンにつけて食べてしまったが、フランスやスペインで食事の初めに出てくるパンとともに、バターが出てくることはほとんどない。スペインでセルベッサの次に覚えた単語がマンテキーリャであったくらいだ(もっとも最近はバターなしのパンにすっかり慣れてしまったけど)。とすると、やはり生牡蠣と一緒に食べろということなのだろうか。バターは、前菜が終わったときに、牡蠣と一緒に下げられてしまった(パンはメインコースの後まで残っていたが)。

ちなみに、生牡蠣は殻付きで、海藻(ただの飾りとわたしは見た)の上に並べられていた。もちろん、冷たく冷やされている。バターは溶かしバターではなくて、小さな容器に入って固まったままだ。

フランス生牡蠣はとても身が薄かったように思うのだが、牡蠣ってこんなものなんでしょうか。

クリスマスの終わり

2006-01-07 03:01:31 | 異文化・風俗・習慣
のち今日(6日)はクリスマスの12日間の最終日である。イギリスでは近年、だんだんとクリスマスの始まりが早くなり、最近は9月にクリスマスカードやクリスマスクラッカーが店頭に現れるようになった。それにしたがって、クリスマスはずいぶんと長くなってきたが、今日が正式なクリスマスの終わりということになる。今年は「クリスマスを短くするキャンペーン」というのを促進する団体が、派手な電飾で家をピカピカに光らせている家庭に、「御近所の迷惑」であるということで、苦情の手紙を出したというようなニュースも聞かれた。クリスマスの商業化にはうんざりしてきたが、2~3週間くらいクリスマス気分を楽しむのは許されるのではないかと思う。なにしろ、年に一度なのだから。

というわけで、クリスマスツリーをはじめとするクリスマスの飾りを取り外す日ということになる。6日を過ぎても、クリスマスの飾りをつけたままにするのは、縁起が悪いのだそうだ。このへんは、3月4日以降雛人形を出したままにしておくと、娘が嫁に行きおくれるという日本の習慣に似ているかもしれない。というわけで、我が家もクリスマスツリーをしまい、居間に飾ったクリスマスカードを全部まとめて処分した。このブログの壁紙もクリスマスものをやめ、冬らしいものにしてみた。

スペインでは今日は公現日で祭日である。この日に東方の三博士(三賢人とも)がベツレヘムを訪れ、キリストに贈り物をしたのにちなんで、スペインでは贈り物の交換をする。イギリスでは、12月25日の朝にプレゼントを開ける。オランダでは、12月6日の聖ニコラスの祝日(サンタ・クラウスの日)に子供にプレゼントをあげるのが習慣だそうだ。

多国籍化の進んだペドロランド近辺では、子供たちは12月25日と1月6日の両方にプレゼントをもらうが、最近聞いた話によると、マドリッド辺りでも同じような英西折衷の習慣が定着しつつあるそうである。

1月6日には、スペインでは三博士にちなんだ「3人の王のケーキ」というのを食べる習慣があるが、はっきり言ってこれは期待はずれであった。わたしがパン屋から買ったのは、ドーナッツ型(リース型と言ったほうが高級に響くかもしれない)パンであり、上にアンジェリカなどのドライフルーツの飾りが少しついていただけだった。クリームが入っているという説もあるが、これはマドリッド・バージョンかもしれない。わたしの買ったのには、中には何も入っていなかった。いや、忘れてはいけない。実はおまけが入っている。小さな瀬戸物でできた、赤ちゃん姿のイエス・キリストが入っているのだ。幸い、パン屋のおにいちゃんがスペインの習慣に疎いだろうと見て、この秘密を予め教えておいてくれたのでよかったが、知らなかったら、イエス・キリストを喉に詰まらせて死んでいたかもしれない。あるいは、ケーキを切り分けるときに、イエス・キリストが真っ二つとか。キリスト教徒でないとしても、あまりいい気持ちはしない。で、このイエス・キリストに当たった人には、幸運が訪れる(喉に詰まらせていなければ)ということである。手作りのクリスマスプディングに硬貨を入れ、これにあたった人は将来金持ちになれるというイギリスの習慣に似ている。

というわけで、ついにお祭り気分も終わり、通常生活が始まることになる。

A Happy New Year!

2006-01-02 02:03:07 | イギリスの生活
ときどき

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお付き合いのほどをお願い申し上げます。

スコットランドではホグマニーと言って、大晦日にお祭りをして新年を迎える習慣が昔からあったが、イングランドでも最近は大晦日にパーティーをするところが増えてきた。

昔はイングランドでは元日は休日ですらなかったが、大晦日にパーティーをして二日酔いで翌日休む人がだんだんに増えてきたため、こんなことだったら、いっそ休みにしてしまおうというので、休日(銀行協会の定める銀行の定休日)になったそうである。

昨夜(大晦日)は各地で12時のビッグベンの鐘の音と共に(気の早い人もいて、午後10時くらいから始めている人たちもいたが)、花火が上がった。ロンドンからの花火中継をテレビで見ながら、同時に近所で上がっている花火を窓から眺めた。かつてビーン村に住んでいたときには、家が高台にあったため、テムズ川の向こう岸にあたるエセックスからロンドンのドックランドまで、あちこちで上がる花火を一度に見ることができたのが懐かしい。

もっとも、イギリスの新年の祝いは元旦の午前零時になった瞬間からあまり長く続かない。元日と言っても、普段の日曜日とあまり変わらないし。日本の新年のように厳かで神聖な感覚もなくて、ちょっと物足りない気がする(もっとも去年は日本で15年ぶりの正月を迎えたが、日本の正月もあまり正月らしくなくて、ちょっとがっかりした)。

が、イギリスでも新年の抱負というのを立てる習慣はある(廃れつつあるようだが)。この時期になると、ウェイト・ウォッチャーのような痩せるためのクラブやスポーツクラブの入会者が増え、週刊の語学教材雑誌の発行が始まったりする。

明日は今日(元日)の振り替え休日で、わたしの仕事は休み。が、クリスマス明けからイギリスではセールが始まっており、小売業は書き入れ時である。