貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

こしの白根

2021-06-20 15:25:52 | 日記

こしの白根

令和3年6月20日(日)

 風かほる 

  こしの白根を 

      国の花

   心地よい風の中、向こうには、

この国の精華ともいうべき白山が見える、

の意。

 元禄二年の作。越路にあっての吟。

 「こしの白根」・・・白山。

    こし(越)は北陸地方の古称。

 「国の花」・・・一国を代表する花。

 ◎ 「風かほる」とは、風が青葉の香りを

漂わせながら爽やかに吹いていること。

 残雪を、夏になっても見せてくれる

白花は、まさしく越前国の花であろう。

 むろん、越中からもよく見える。

 羽田から小松に向かって飛行機に乗って、

ふと下を見ると、白山の残雪が美しく

輝いているのが見える。

 下界に降りても、遠くの高いところに

連なる白山は実に美しい。

 ここでも風と香りが渾然となっている。

芭蕉は風の匂いが好きなのだ。

と、師匠は語る。