貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

夜来の雪・・・馬も驚き

2021-06-09 11:51:31 | 日記

夜来の雪・・馬も驚き

令和3年6月9日(水)

 30度越えの暑さになりそう。

 昨日は午後一雨来たので、

涼しくなったが・・・。

 今日はどうかな?

馬をさへ 

  ながむる雪の 

    朝(あした)

   雪が降り積もった朝は、

全てが新鮮で、旅人ばかりか、

その馬でさえも普段と印象が

変わり、じっと見つめることだ、

の意。 

 享元年(1684)作。

 熱田雛宮(名古屋)での吟。

 夜来の雪が止んだ朝とするのが適当。

 雪で世界が一変しことへの驚きが

率直にされている。
 
◎ 『野ざらし紀行』の句である。

  天和四年、貞享元年(1684)の冬景色。

雪の朝というのだから、

前日は雪が降らず、朝起きてみたら

一面の雪景色で、吃驚した。

 人間が驚いたのに加えて、

馬まで吃驚して雪景色を眺めている。

 馬の驚き心を中心にして

雪を描いたところが、

滑稽味もあって、

秀逸の句だ。

 もう降り止んでしまって、

朝日が輝いているいたのか、

曇って粉雪が舞っていたのかは

分からない。

 前者の方が驚きが強くて、

馬の驚きも伝わってくる。