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池田敏春監督『死霊の罠』

2022-02-14 08:14:00 | ノンジャンル
 池田敏春監督、石井隆脚本の1988年作品『死霊の罠』をWOWOWシネマで観ました。


 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」に加筆修正させていただくと、
「テレビレポーター名美(小野みゆき)が編集室に入ると『眠れない夜のあなたに』と書かれた名美あての大きな封筒がありました。中にはビデオテープが入っていて名美は再生しました。中身は女性を縛り上げ目玉にナイフを刺したりして惨殺する映像でした。そしてサブリミナル手法で自分の姿が映しだされているのを名美は見つけました。名美は早速取材の許可と特集番組をプロデューサーに申し付けますがあっさり断られ、制作部の仲間を集め5人で撮影現場に取材に向かいました。
 名美らは基地跡に着きました。名美は不審な男(本間優二)に会い、名美に対し自分は人探しをしている、ここは危険だと言って去って行きました。麗(小林ひとみ)とADの近藤は取材そっちのけでSEXにふけっていました。楽しみを終えた麗が木の槍で串刺しにされ殺されました。彼女らの行動は黒いコートを来た男に見られていました。雅子(桂木文)が撮影現場を見つけ、名美、近藤、理恵が現場に向かいました。暗い通路で麗の吊るされた死体を見つけた4人は逃げ出しました。逃げる途中一人はぐれた理恵が外に逃げ出しました。施設の中の名美らは牢屋に入れられた男を発見し再び逃げます。一方理恵は車に乗り込み走らせようとしますが、浮浪者風の男に襲われます。男はお前を殺せば逃げられると言って理恵の首を絞めレイプしました。その時、コートの男が現れ、理恵も男も殺されました。
 名美が倒れていると謎の男が現れ二人で行動しました。途中でADの近藤の首が転がっていました。途中で男がボウガンで撃たれるも銃で反撃しました。コートの男に監禁されている雅子がモニターに映りました。名美は監禁場所を見つけ雅子を助けに向かいますが、部屋にはトラップがあり、雅子は死亡しました。そして名美にボウガンの矢がたくさん飛んできて名美の左足に命中します。そこに男がやって来て名美を助けました。男は抜け道があるといって再び名美と抜け道に向かいました。外に出た名美は理恵の死体を見つけ話しかけました。そこへコートの男が現われ、理恵の死体を引きづって行きました。一人になった名美は一旦は車で逃げて警察に知らせようとしますが、コートの男を追って再び建物の中に向かいました。
 名美は気味悪い部屋を見つけました。部屋には古い親子の写真が貼られ、母親の顔には大量のピンが刺されていました。母親の顔は名美にそっくりでした。そこにコートの男が現れて、ヒデキという子供と話しています。しかし子供はいません。コートの男が一人で演じているようでした。そしてコートの男はあの男でした。名美は銃を向けて警察へ一緒に行こうと迫ります。その時電気爆発が起こり、男は名美に逃げろと叫びます。そして倒れた男からクリーチャーのようなヒデキが出てきました。ヒデキは名美を襲いました。しかし、男がヒデキを自分の体に押し込み、ヒデキもろとも自分を刺しました。倒れた際にローソクが落ち男は燃えました。焼け死んだと思った男が蘇り、ヒデキの声で、もう僕の物だと言って名美に襲い掛かりますが、名美がガラスの破片を突き刺し、ヒデキを2階の窓から墜落させ、殺しました。
 退院後、名美は自分の番組『眠れない夜のあなたに』でこの取材を取り上げました。番組が終わった後、名美に贈り物が届き、中を見ると、焼けたライターが入っていました。それはあの男のものでした。すると名美は急に苦しみだし、名美の腹を破ってヒデキが姿を現すのでした」。

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『悪魔のいけにえ』を思わせるほど、ハラハラドキドキの映画でした。

ウ・ミンホ監督『KCIA 南山の部長たち』

2022-02-13 08:23:00 | ノンジャンル
 ウ・ミンホ監督の2019年作品『KCIA 南山の部長たち』をWOWOWシネマで観ました。

 サイト「Cenemarshe」から文章を一部修正して転載させていただくと、
「「本作品は1979年に起きた大統領暗殺事件を取り上げ、実録本「南山(ナムサン)の部長たち」を基に事件前40日を描いたフィクションである」の字幕。
 「1979年10月26日宮井洞 設宴所」の字幕。3人の男が集まり、そのうちの一人が館の奥へ進み、しばらくすると銃声が聞こえる。
 「1961年5月16日、軍部がクーデターを起こした。クーデター勢力は新政権を樹立。韓国初の情報機関“中央情報部”を設立した。中央情報部は強大な権限を武器に朴正煕(パクチョンヒ)大統領による長期政権を支えた。南山にあった中央情報部はその存在自体が恐怖の対象だった。大統領に次ぐ権力を持中央情報部の歴代部長は“南山の部長たち”と呼ばれた」の字幕。
大韓民国の諜報機関である、中央情報部(通称KCIA)部長キム・ギュピョン(イ・ビョンホン)。
彼は1979年10月26日、独裁者と批判されている権力者、パク・チョンヒ大統領(イ・ソンミン)暗殺を決行します。

 「40日前 ワシントンD.C.」の字幕。映画はKCIAの元部長パク・ヨンガク(クァク・ドウォン)が、亡命先のアメリカ下院議会聴聞会でパク大統領(イ・ソンミン)の腐敗ぶりを告発するところから始まります。
その40日前。アメリカ議会でロビー活動をするデボラ・シム(キム・ソジン)の助けを借り、韓国軍事政権の実態を暴く回顧録を執筆中のパク元部長の行動に、大統領は激怒します。
これはKCIAの失態であると、大統領の側近クァク・サンチョン大統領警護室長(イ・ヒジュン)は追及します。事態を収拾すべくキム部長は、かつての友人でもあるパク元部長に接触しました。
大統領を守るために、あらゆる手段を尽くすキム部長。しかしこの一件だけでなく政界工作の失敗や、釜山と馬山で発生した民主化運動への対応を責められ立場を失います。
軍事政権内の暗闘に巻き込まれ、愛国心と野心の狭間で揺れ動き、追い詰められてゆくキム部長。彼は大統領を暗殺し、軍の本部長と同じ車に乗りますが、南山に行こうとするキム部長に対し、本部長は陸軍本部へ行くように言います。
 「キム本部長は中央情報部ではなく陸軍本部へ向かい、結局軍に逮捕された。その後、陸軍高等裁判で死刑を言い渡され、絞首刑に処された」の字幕。
 「大統領暗殺から47日後、軍部の新たな勢力がクーデターを起こし、再び軍事独裁時代の幕が上がった」の字幕。
 「チョン・ドンファン保安司令官による捜査発表」の字幕。「この事件は内乱目的でキム部長が起こしたものだ」と述べるナレーション。
 「金載圭の最終陳述」の字幕。「自分の行為は民主主義を回復するためのものだった」と語るナレーション。

 バックに絶えずものものしい音楽が流れ、ラストの銃撃戦も迫力あるものでしたが、人間関係が複雑で、ストーリーはよく分かりませんでした。

大森立嗣監督『MOTHER マザー』

2022-02-12 07:31:00 | ノンジャンル
 大森立嗣監督・共同脚本の2020年作品『MOTHER マザー』WOWOWシネマで観ました。

 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」を一部修正加筆して転載させていただくと、
「三隅秋子(長澤まさみ)はシングルマザー。一人息子で小学生の周平(郡司翔)と暮らしてはいるが、散財ばかりする秋子のせいで日々貧しい暮らしを強いられていた。元夫からの養育費もすぐに浪費してしまい、親や妹からも借金ばかりしていて絶縁状態になる。
 ある日、途方に暮れていた秋子は、ホストの遼(阿部サダヲ)と出会い、一緒に暮らし始めるが、住むところもままならず、周平に対しては虐待や育児放棄まがいなことをしながらの生活だった。
 ある日、別の交際男性である宇治田に周平を預け、秋子は遼と出かける。宇治田は自宅に周平を連れていく訳にいかず、秋子の自宅に食料とともに周平を置いていくが、その夜、電気が止められてしまう。
 「6日後」の字幕。秋子が自宅に帰ってくると、一人にされていた周平を見て怒り、宇治田をレストランに呼び出す。遼と秋子は宇治田に対し「子供に手を出した」といちゃもんをつけ、金を脅し取ろうとする。
 しかしその後、宇治田の自宅で遼ともみあいになった宇治田は、包丁が腹に刺さってしまい意識を失う。殺してしまったと思った遼と秋子は周平を連れて逃亡する。
 「2週間後」の字幕。しばらくして宇治田が死んでいなかったことを知る秋子。遼は働いていた旅館から金を盗み出し、秋子と周平と共にその町を去る。
 「10日後」の字幕。行き着いたラブホテルをねぐらにしていた3人。そんな中、秋子の妊娠が発覚する。遼は秋子のお腹の子供を認知しようとはせず、周平や秋子に暴力をふるって去っていく。すると秋子はその様子を見ていたラブホテルの経営者と体の関係を持ち、しばらく敷地内で世話になることに。
 「5年後」の字幕。周平(奥平大兼)は17歳になったが、学校には通わず、幼い妹の冬華の面倒を見ていた。
 ホームレス状態で困っていた状況に、ある日、児童相談課の高橋亜矢がやってきて、彼らに簡易宿泊所を提供してくれた。亜矢を煩わしく思う秋子だったが、周平は秋子から紹介を受けてフリースクールに通い始める。
 そこは周平には新鮮で、学ぶという事が楽しいと思えた。自らも施設出身だという亜矢も優しくしてくれた。
 そこへ借金取りに追われて遼が戻って来た。秋子達を連れて逃げようと言い出す。しかし周平は「二人で逃げて。学校に行きたい」と主張する。
 しかし秋子は周平を諦めさせて、結局は皆で逃げることになる。
 しかし逃げ切れなくなった遼は、このままでは秋子や子供達に危害が加わってしまうと、借金取りの所に自ら向かう決意をした。遼は周平に「妹を頼む」と告げると、一人去っていった。
 「6カ月後」の字幕。周平は土木事務所に住み込みで働いていました。秋子たちも同じ寮に住み、相変わらずの体たらくな生活をしていたが、ある日、周平に給料の前借りをさせようとするものの、社長に拒否されたことで周平は深夜の事務所を物色しようとする。ところがすぐに社長に見つかり、寮にいる秋子に怒鳴りに来る。
 改心したかに見えた秋子だったが、その社長ともすぐに関係を持ってしまうのだった。
 秋子の元には遼から「50万が必要だ。助けてほしい」と連絡が入っていた。どうにかして遼を助けたい秋子は周平に事務所にある金庫から金を盗んでくるよう指示するが周平が手にした金額では到底50万円には及ばなかった。
 土木事務所から逃げるように去っていった秋子たち一家は再びホームレスに。そして秋子が周平に告げたのは、絶縁状態にある祖父母を殺してでも金を取ってこいという信じられない言葉だった。
 周平は母の言葉に従い、祖父母の家に向かう。祖父母にとっては久々に見る孫の顔。二人は喜んで周平を歓迎する。周平は妹の冬華の話をすると、二人は嬉しそうに「会いたい」と話す。
 しかし周平は祖母と祖父を包丁で刺し殺害してしまう。金を奪い、血まみれの周平が秋子の元に戻る。
 のちにすぐに逮捕された周平は「全てボクがやりました。お母さんの指示はないです。」と弁護士に話す。しかし秋子の所業はすぐ明るみになり、懲役2年6月、執行猶予3年の刑を受けることに。
 逮捕後も秋子は開き直っていて「自分の子供だから自由にして何が悪い」と悪態をつく。
 周平は懲役12年の刑を受けることになったが、秋子も周平も控訴はしなかった。
 報道で事件を知った亜矢が服役中の周平の元に面会に来る。「なんで全部背負ったの?」との亜矢の問いかけに「お母さんが好きだから」と答える周平。
 せめてこの子供の切ない思いを伝えたいと、亜矢は秋子にも会いに行く。冬華が施設に入れられたこと、そして懸命に周平の思いを秋子に伝えた。しかし秋子は必死で話す亜矢の話に、何の表情も浮かべず、ただ黙って聞くのだった。」

 周平役の存在感がとても印象的でした。

ティム・バートン監督『チャーリーとチョコレート工場』

2022-02-11 07:25:00 | ノンジャンル
 ティム・バートン監督の2005年作品『チャーリーとチョコレート工場』をWOWOWシネマで観ました。

 サイト「映画ウォッチ」の「ネタバレあらすじ」を一部修正加筆して転載させていただくと、
「世界中で大人気のお菓子メーカーのウィリー・ウォンカが、これまで公開されたことのなかったお菓子工場の見学に、子供達を招待するというキャンペーンを実施することになりました。製造するチョコレートの中に、5枚だけあるという金色のチケットを手に入れた子供が、工場へと招待されることとなります。チケットをあてた子供のうち1人には、工場見学だけではなく、素晴らしいプレゼントも一緒にもらうことができます。全世界の子供達がチケットを欲しがる中、5人の幸運な子供達がチケットを引き当てたのでした。
 5人の幸運な子供の中には、貧しい家に生まれた少年、チャーリーも含まれていました。工場見学には、子供だけではなく、家族を一人同伴することができます。チャーリーは、大好きなおじいちゃんと一緒に工場見学をすることにしました。おじいちゃんは、昔、ウォンカの工場で働いていて、工場見学を熱望していたのでした。工場の案内人であるウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)に連れられて、待ちに待った工場見学が始まりました。
 工場で働いているのは、小人たちや、リスなどの奇妙な生き物たち。子供達が何かするたびに、工場の中から、1人ずつ子供達がいなくなっていきます。ついに、残された子供はチャーリー1人となってしまいました。実は、最後に残った子供が素晴らしいプレゼントをもらえることができるというルールだったのです。そのプレゼントとはチョコレート工場のことでした。ところが、プレゼントをもらうためには、家族を捨てなければならないという条件がありました。
 家族を失ってまで、チョコレート工場を欲しいと思わなかったチャーリーは、工場の後継者になるという素晴らしいプレゼントをもらうことを辞退します。それを聞いたウォンカはびっくり仰天。まさか辞退されるとは、夢にも思っていなかったのです。チャーリーの家族を思う気持ちに、心を打たれたウォンカは、やがてチョコ作りのアイディアで煮詰まり、チャーリーを連れて、かつて自分を勘当した歯科医の医師である父のもとを訪問し、仲直りをします。家族のありがたさを理解したウォンカは無条件でチャーリーに工場をプレゼントすることにします。貧乏だったチャーリーは、チョコレート工場を手に入れ、家族と幸せに暮らしました。」

 色鮮やかな工場の中のデザインと、工場の部屋ごとに楽しめるアイディア、そしてジョニー・デップの怪演ぶりが印象的な映画でした。

斎藤美奈子さんのコラム・その105&前川喜平さんのコラム・その66

2022-02-10 05:01:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず1月30日に掲載された「命どぅ宝」と題された前川さんのコラムを全文転載させていただくと、
「劇団文化座の「命(ぬち)どぅ宝」は、1950年代から沖縄返還に至る時期の瀬長亀次郎と阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)の闘いを描く芝居だ。
 瀬長は沖縄人民党を結成し52年の第一回立法院議員選挙で当選。琉球政府創立式典では米国への宣誓を拒否する。米軍統治を真正面から批判した瀬長は投獄されるが、出獄後の56年には那覇市長に選ばられる。米国民政府は財政圧迫を加えるが、那覇市民は自主的な納税で市財政を支える。高等弁務官は瀬長を公職から追放するが、復権した瀬長は68年の選挙で再び立法院議員となる。踏みつけられても必ず立ち上がる不屈の人。「沖縄の九十万人人民が声をそろえて叫んだならば、太平洋の荒波を越えて、ワシントン政府を動かすことができます」と人々を鼓舞する。
 阿波根は伊江島でデンマーク式農民学校の建設を志すが、沖縄戦で一人息子を失う。敗戦後は「銃剣とブルドーザー」による米軍の土地強奪に非暴力で抵抗。田畑を奪われて飢えた阿波根らは、55年に「乞食行進」を始め「乞食をするのは恥であるが、武力で土地を取り上げ乞食にさせるのはなお恥です」と訴える。それが沖縄の島ぐるみ闘争につながっていく。
 祖国復帰運動の先頭に立った瀬長と阿波根。だがこの50年、祖国は沖縄を裏切り続けた。見終わってこみ上げるのは怒りと悔しさだった。」

 また、2月2日に掲載された「戦時性暴力を描く」と題された斎藤さんのコラム。
「直木賞には落ちるも本屋大賞にノミネートされている、逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』が評判だ。独ソ戦に参戦したソ連軍の女性兵士を描いた長編である。ドイツ軍の攻撃で壮絶な体験をした少女たちが集められ、ハードな訓練を経て優秀な狙撃兵に成長、復讐(ふくしゅう)心を胸に戦場に赴く。
「史実を背景にした戦闘少女モノかな」「そうだね、アニメっぽい」「漫画やアニメになったらヒットするよね」
なんて会話を先日にもしたのだが、そこで話題になったのが「このシーンをアニメならどう描くだろう」だった。『同志少女』にはソ連兵の性暴力の場面があるのだ。
 戦時性暴力はなぜ発生するのか。戦争という非常時のせいなのか。
 開高健賞を受賞した平井美帆『ソ連兵へ差し出された娘たち』はそこに横たわる女性蔑視の構造を暴き出している。満州(現在の中国東北部)から引き揚げる途中のある開拓団で事件は起きた。ソ連軍に自分たちの団を守ってもらうのと引き換えに「接待」と称して十八~に十歳の娘たちを差し出す。「身体を張って犠牲になってほしい」と命じられた娘たちに断る選択肢はなかった。
 現実は物語よりいつだって陰湿だ。女性蔑視を告発する姿勢をやはり示しながらも『同志少女』にアニメが重なって見えるのは、実感に乏しい異国の物語だからかもしれない。」

 そして、2月6日に掲載された「教師の残業代」と題された前川さんのコラム。
「二日の本紙に、三重大学の付属学校で教師に残業代を払っていなかったという記事があった。労働基準監督署からの是正勧告を受け、現職教師78人に未払いの残業代計1億5900万円を支給したという。その上で同大学では、部活動指導を保護者に委託する案など教師の負担軽減策に知恵を絞っているという。残業を減らさないと財政が持たないからだ。
 残業代の未払いは国立学校と私立学校では時々起きるが、公立学校では起きない。公立学校の教師の残業には労働基準法だけでなく、給与特別措置法(給特法)が適用され、残業時間に応じた残業代ではなく本給の4%相当の教職調整額が一律に支給される。残業代が膨れ上がる心配がないから残業させ放題になる。
 一方、一日の本紙は、全国の教師不足が昨年4月の時点で2558人に上ったと報じた。2021年度採用の公立小学校教員試験の倍率は2.6倍にまで低下したという。このままでは日本の学校教育が崩壊する危険がある。学生が教師を志望しない主な原因は、長時間残業など教師の過酷な勤務実態だ。
 給特法は教師の勤務の特殊性が根拠だとされるが、公立学校の教師だけの特殊性など存在しない。給特法の正当性は破綻している。公立学校教師の長時間残業を是正するため、まずは給特法を廃止すべきである。」

 どれも一読の価値のある文章です。