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大島渚監督『愛のコリーダ』

2022-06-19 01:19:00 | ノンジャンル
 今朝の新聞の朝刊に、ジャン・ルイ・トランティニャンさんの訃報が載っていました。享年91歳。私にとっての彼はコスタ・ガブラス監督の『Z』、エリック・ロメール監督の『モード家の一夜』、ベルナルド・ベルトリッチ監督の『暗殺の森』、ルネ・クレマン監督の『狼は天使の匂い』、エルヴィオ・ソトー監督の『サンチャゴに雨が降る』、フランソワ・トリフォー監督の『日曜日が待ち遠しい!』の姿が特に印象に残っています。一時はフランスを代表する俳優でした。心よりご冥福をお祈りいたします。

 さて、大島渚監督・脚本の1976年作品『愛のコリーダ』の無修正版をDVDで観ました。
 パンフレットのSTORYに加筆修正させていただくと、
「昭和11年2月1日。東京中野の料亭、吉田屋に阿部定(松田英子)という名の女が住み込み女中として雇われた。定は先輩女中に誘われ、主人の部屋を引き戸の隙間から覗く。そこには河岸に出かける前の主人の吉蔵(藤竜也)と女将のトク(中島葵)が交わっていた。凛々しい吉蔵の肉体に、定は息をのむ。
 翌日、老乞食(殿山泰司)が店の庭に入り込んできた。乞食は定の顔を見て驚く。定が遊郭にいた時代の客だったという乞食は、定ともう一度交わりたいとせがむ。しかし、年老いた乞食のものは役立たない。
 主人の吉蔵は40過ぎの男ざかりで、粋な男だった。一目惚れしてしまった定。吉蔵も定の持つ独特の色香に惹きつけられていく。ある日、定が吉蔵のいる離れへお銚子を持っていくと、吉蔵は良い喉で清元を唄っていた。聞き惚れた定は、吉蔵に誘われるまま身を任せてしまう。以来、二人は周囲に隠れて、色に耽ることになる。その頃、東京では青年将校によるクーデター、二・二六事件が起きていた。
 だがすぐに二人の仲は、トクの知るところとなる。吉蔵と体を重ねる様を見せつけるトクに、定は激しく嫉妬。ついに、吉蔵と定は駆け落ちをする。落ち着いた先の待合宿・みつわで、芸者をあげて祝言を行う。三味線の音に合わせて、芸者たちの前で床入りする定と吉蔵。数日で家に戻るつもりだった吉蔵だったが、定に引きずられるように、昼夜を問わず愛を交わす。吉蔵は、定の求めを拒むことのない、とことん優しい男だった。
 遊蕩の限りを尽くす二人だったが、金が底をついてしまい、定は名古屋のパトロンである大宮の元へ向かうことにする。だが、吉蔵がトクの元へ帰ることを恐れた定は、吉蔵の着物をとりあげて、自分の赤い長襦袢を着せるのだった。
 大宮から金をもらい東京に戻った定と吉蔵は、さらに待合宿を転々とする。小さな部屋でひたすら色に耽る二人。気づけば二週間が過ぎ、吉蔵は一旦家へ帰らざるを得なくなる。一度手放したら、吉蔵の身も心も戻らないのではと不安になる定。金策をした吉蔵は、定の待つ待合宿・満佐喜に戻ってきた。だが嫉妬に狂う定は、「今度別れたら殺してやる!」と包丁を振りかざす。そんな定を、吉蔵は優しくなだめるのだった。その頃から、二人はさらなる快感を求めるようになっていく。それは首を絞め合いながら、交わるというものだった。最初は吉蔵が定の首を絞めていたが、定が可哀想になった吉蔵は、定に自分の首を絞めさせる。官能に溺れ、風呂にも入らない二人の部屋には、中居や芸者も寄り付かなくなってしまった。ますますエスカレートしていく定は、ようやく来た老妓を吉蔵に犯させる。だが吉蔵の顔からは精気が失われていた。
 五月。定はもう一度名古屋に向かい金策をしてくるが、その頃には吉蔵は目に見えて瘦せ細っていた。定の求めに応じて激しく交わりながらも、吉蔵は死を受け入れたような哀しい目をしている。ようやく眠りについていると、定が紐に手を伸ばす。絞めていいよ、と言う吉蔵。定の紐を持つ手がギリギリと強まる。気づけば、吉蔵はこと切れていた。
 定は、吉蔵の陰茎を包丁で切りとり、血文字で吉蔵の体に「定吉二人キリ」、と書き記す。愛する吉蔵の分身を抱え東京の旅館を転々としたのち、捕えられた定は、世にも晴れやかな笑顔であった。」

 究極の愛の物語でした。