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ジャン・ヴィゴ監督『アタラント号』その5

2021-01-02 07:42:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。

 外出する花嫁。
 ジャン、花嫁がいないのに気づく。外出着も消えている。
 路面電車に乗る花嫁。
「わかったな? 出港だ」「予定では二日後だ」「決めるのは俺だ。(中略)女房が出ていった」(中略)「どこへ?」「知りたくもない。ここを離れたい」「すぐまた帰ってくるさ。1時間後か明日には…」「明日! 5分後でも御免だ」「少しは休ませろ。休暇は2日間だ。2日したら、捜しに行こう」「捜すだけムダだ。命令は俺が出す。甲板に来い。コルベイユに向かうぞ」。
 走る路面電車。
 無人のベッド。
 ネックレスのショーウィンドウを見る花嫁。
 進むアタラント号。
 動く人形のショーウィンドウを見る花嫁。
 ドレスのショーウィンドウを見る花嫁。
 舵を取るジャン。
 5時33分を示す時計。腕時計も見る花嫁。
 橋の下を進むアタラント号。
 アタラント号が消えた場所での花嫁、歩き回る。(中略)
 進むアタラント号。(中略)
ジャン、バケツの水に首を入れる。ネコを抱いてる親爺。つばを吐く親爺。「イカれたな。これが動きゃ気晴らしになるんだが…。直ったと思ったがね。また修理するか。レコードを手で回すと音楽。少年がアコーディオンを演奏していた」「何だよ。面白いか。指よりいい音を出す機械があるぞ。電気を使うんだ。電気を知っとるか? それじゃ無線電信は? 説明できるか? 話にならん。少しは勉強しろ。よし。油差しは? こんなバネは何の役にも立たん」。蓄音機、直る。「回ってる。動いたぞ。船長を呼んで来い。さてと、ちゃんと動いとる」。
 ジャン、川に飛び込む。水中で回転するジャン。
「船長が川に落ちた」「落ちた?」「落ちたんだよ」(中略)。
 水中のジャン。花嫁の姿が見える。(中略)
 縄を使って船に戻るジャン。
「泳げるから溺れんだろう。驚かさないでくれ。さあ、服を着替えて」。
 蓄音機の周りに多数のネコ。
ジャンに「レコードを聴け。蓄音機だ。最新の発明だぞ」。
 蓄音機を持った少年とジャンと親爺。座って音楽を聴く。突然走り出すジャン。
 船を探す花嫁。
 進むアタラント号と、そこに直立するジャン。
 花嫁。
 ジャン。
 ベッドの上のジャン。
 ベッドの上の花嫁、布団に入る。その姿に寝苦しく眠るジャンの姿が二重露出される。
 ジャン、起きる。
「着いたぞ」「ル・アーヴルだ」「船長、着きましたよ」「変だぞ」「どこへ行く?」。
 ジャン、桟橋を走り、階段を降りて、浜へ。戻るジャン。
 ジャン「酔いどれめ」親爺「酔いどれだと? 殴られたいか?(中略)会社へ報告に行くのに、このザマか。呼出し状が来た。誰が説明する? わしだな? 全部あの女のせいだ」。(中略)
「アタラント号の船長は?」「一人に構っとれん。来たな。船長は外で待ってろ。副長だけだ。一人だけ入れ。ドアを閉めろ。わしは忙しいんだ」。(中略)「船長は任務を遂行しとるかね? 報告書に載っていることは冗談か?」「でもないが、下らん話だ」「君は船長をかばう気か? きっと高くつくぞ。別の会社でも同じことをしたな」「よくわかってますよ(中略)」「ごまかすな。船長はきちんと統率したか?」「ほかに誰がいます? わしはその資格がないし、まして小僧じゃ簡単に船は動かせない、とは言ってもまあ…何と言うか…きちんとやってました。早く言えば揚げ足取りですな」「よし後は役目だ。わしには他の船のこともある。船長と話し合え」「役目ですか。いいですとも。じゃあ、さいなら」(中略)「考えられん。バカにするな。こんな報告書はクズ同然だ(中略)。」
 浜辺を歩くジャンと親爺。
「危うく船長が密告されるところだった。もうごまかせないぞ。奥さんを捜しだそう」「捜しに行くの?」「そうだ、奥さんを捜し出す。船長の顔を見たろ。必ず連れ戻してくる」「今すぐ?」「巴里祭まで待てるか?」
 前方をにらみつけるジャン。
 橋を渡る親爺。音楽。ベンチに座る親爺。ホテルをめぐる親爺。
 花嫁、レコード屋で“最新ヒット「船乗りの歌」”を試聴する。「船の上じゃサボれない♪働かなくちゃ♪舟遊びじゃない、船を走らせるんだ♪俺たちケツで舵取るいかつい男♪美人の笑顔と声が俺たちを呼ぶ♪」。親爺、花嫁に帽子を脱いでお辞儀し、話しかけ、抱き上げ、肩に担ぐ。
「親爺さんが捜しに?」「居場所を知ってる」「本当か? 連れて帰るのか?」「うん」「水をくれ」「くんでくる」「急げ、こぼすなよ」「かける?」「頭から、さあ」
 アタラント号。
 見張る少年。
 髭剃りをするジャン。
「来た! 一緒だ。戻ったよ。親爺さんと奥さんだ!」。
 身だしなみを整えるジャン。
 船内に降りていく花嫁。蓋を閉じる親爺。
 近づくジャン。近づく花嫁。後ずさるジャン。抱き合い、その場で横になる二人。キスする二人。
 進むアタラント号を空撮で。“リュス・ヴィゴに”の字幕で映画は終わる。

 今回見るのは3,4回目なのですが、やはり文句なしに傑作です。

 →「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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