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マイケル・ムーア監督『華氏119』その3

2020-01-23 05:40:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。

 中国の周主席と握手するトランプ「周主席は紳士だ。しかも終身国家主席。終身だぞ。すごいことをやってのけた。アメリカでも試そう」ベン=ギアット「ある考えを発信してみてメディアが取り上げてくれる」。
「国民投票で権限拡大を勝ち取ったトルコのエルドアン大統領に祝意を示すトランプ」。
 ベン=ギアット「メディアが増幅し流通させれば大きな話題に」。
「前に冗談で言った16年! 新聞は書いた、“彼らには独裁的な傾向がある”と」。トランプ「16年は本気じゃない。皆が望むなら別だ」。(中略)
 スナイダー「国民は“200年超の歴史ある民主主義は揺るがない”と。それは嘘だ。この国の民主主義の誕生は1970年頃だ。黒人や女性に選挙権がなかった時代は民主主義とは言えない。どこよりも民主的な国に住んでるとは思うが、この国の民主主義は願望で道の先があり、有権者の半分しか投票せず、政治が金まみれの間は道半ばだ」。
「100万以上の雇用。米国株への投資拡大。株価は史上最高値。国は強くなった。就任2年で公約を果たした大統領はアメリカ史上初だ。有権者への公約じゃない。彼の仲間である億万長者たちへの公約だ」。トランプ「富裕層への大減税を通過させる。オバマケアは失敗なので廃止。銀行の規制は緩和か撤廃。最高だろ?」。スナイダー「140人もの判事を保守派で固めつつある。記録的なスピードだ。終身制である最高裁判事に右派の裁判官を任命、パリ協定は“脱退する”、イラン核合意“離脱する”、キューバとの国交回復“見直す”、刑務所は民営化、株価はほぼ倍に、公立校を民営化、例の壁を建設」。
“ニュールンベルク裁判 1946年”の字幕。「我々は疑惑の領域の向こう側に第三帝国より前は輝いていた事実を確立するものです」。
 B・フェレンツ(ニュールンベルク裁判の検察官、最後の生存者、99歳)「9万人のユダヤ人を殺害した被告に尋ねた。理由を。彼は答えた、“私より賢いヒトラーが言った「ユダヤ人が攻めてくる」と”。それで自衛のためにやった。今大統領がしている話と同じだ」マイケル・ムーア「トランプが?」「我々はあの被告と同じことをしている」。
 映画「世界のどこかの共同体は、常に民主主義から専制へと物差しの上を動いている」。ムーア「公民の授業で嫌いな映画だった。今は価値が分かる」映画「有能な観察者が専制の兆候を見るのは美辞麗句や気高いフレーズだ」。
 トランプの支援者たち「U・S・A! U・S・A!」
 映画「共同体が専制に傾く時、礼儀に欠け、人種差別をする一団が台頭する」。
 男「スペインのクソ野郎!」
 女「汚らわしいニガー!」
 別の男「市民か?」別の女「そうよ」「アメリカ人か?」「来ないで」「その服着るな」。シャツに“プエルトリコ”の文字。「来ないで」。
「忌々しい中国人め」「もう一度触ってみろ。この野郎」。
「死ね。先祖と同じガス室で」。
「死ね、お前ら黒人、クソな奴め。私の国から出てけ」。
 映画「宗教差別も行なわれる」。
 記者「イスラム問題とは?」トランプ「そうとも。キリスト教は衰退が激しく、100.万人も減った。どんどん力が衰えている。宗教としても勢力としても」。
 映画「もし中間層が減少したら専制の可能性が高まる」。
 男「時給7ドル30の仕事で週17時間だけ。クソだ。何もかも」。(中略)
 映画「市民が指図に従うほかない時」。
 トランプ「メディア? フェイク・ニュース? いや、専制のチャンスだ」。
 映画「下品で歪んだメディア。驚くほど不正直だ」。
 トランプ「私の知る最悪のウソつきだ。でも殺しはしない。決して殺しはしないが、どうかな…殺さない。友好的な記者がほしい」。
 映画「質問は抑えられる」。
 トランプ「そんなこと聞くな。ひどい記者だ」。(中略)
 トランプ「まっとうな質問か?」(中略)記者「漏れた情報が真実なら、なぜ記事がフェイクなんです?」「報告がニセだ」。
 映画「本や新聞やラジオが統制されたら」。
 トランプ「座れ。座れ。座れよ」記者「質問をする権利が。私は記者だ。私には…。私に触らないで」。
 映画「大衆は支配者の望むものを読み、受け入れるだろう」。
 トランプ「真実だ。本に書いてある」。
 トランプ「それが“よい”質問だ」
 トランプ「言うことを聞け。私が法律だ」。
 トランプ「私が大統領だ。連中は違う」。群衆、拍手喝さい。
 ベン=ギアット「彼には意図が。過去のファシストの手口と同じです。汚職などの悪事が表ざたになった時、司法は傷つけられる」。
 トランプ「判事が裁く国はアメリカだけだ。諜報機関も。FBIも腐ってる。(中略)フェイクだ。皆さんが見聞をしていることは真実じゃない」。

(また明日へ続きます……)

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