”ばっきん”のブログ

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平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

助産施設は,どうしても必要なものなのか。

2010年06月27日 21時28分41秒 | 福祉政策
もともと,助産施設は児童福祉法に定められた制度であるが,この助産施設への入所は,利用される方の最寄りの福祉事務所に申し込むことができる権利である。
したがって,福祉事務所を設置する自治体は,利用者からの申請を受ける事務体制は必ず確保しておかなければならない。しかし,助産施設自体は必ずしも当該自治体にある必要はない。したがって,函館の助産施設を北斗市の利用者が使用することも「有り」なのである。原則的に助産制度を利用する場合は助産施設を利用しなさいということである。
利用の対象者は,「生活保護を受けている方,生計を一にする世帯全員の住民税が非課税の方」だが,基本的にはほとんどが生活保護者しかないのが現実である。
では,生活保護者は助産施設を頼るしかないのかといえばそうではない。
生活保護の扶助には,出産扶助というのが厳然として存在し,分娩料を支出できる。ただ,基本的に生活保護においては他法優先という原則があるので,助産制度を利用しなさいということになるのだ。
もちろん,助産制度活用を含めこれらは正常分娩の場合だけ,異常分娩の際は医療行為を伴うので,通常の医療券による医療扶助を適用することになる。
したがって,正確に言うと,生保受給者に限っては,何が何でも助産施設というわけではないのである。
問題は,出産には相当のリスクを伴うことから,危険回避の一手段としてどこの産婦人科も助産施設を避けている現状だ。
理由はそれだけではない。出産は基本的には保険外診療,助産制度なら安い料金しか設定できない。
生活保護法上ではさらに別の問題も現出する。それは,母体保護法による人工妊娠中絶を生活保護の医療扶助で実施してくれる病院がないことだ。これは,いわゆる自由診療の相場ともいうべき料金と医療扶助で実施できる料金の格差が激しいことによる。
したがって,保護受給世帯で母体保護の理由から人工妊娠中絶を受ける病院が市内では現状ないため,産まざるを得ないことや借金により処理していることが実際に起っている。
函館市内の産婦人科などは,生活保護法の指定を避けている病院さえある。
最近は様々な子育て制度が拡充されてきているが,肝心の産婦人科の病院事情は恐ろしいくらい精神的にも貧困だといえよう。


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