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「ミルリトン」
最終回はフランス北西部にあって、英仏海峡に臨むノルマンディー地方からお届けします。
ノルマンディーの歴史はこれまた複雑な道をたどり、
長きに渡る英仏の戦いの犠牲となった地でもあります。
特にその首都ルーアンの街の名を有名にしたのは、
14~15世紀の百年戦争の末期に活躍したジャンヌ・ダルクが、
その地で幽閉され、のち1431年5月30日火刑に処されたという悲しい出来事。
そんな哀切残るノルマンディーの地は一方、
温暖な気候、風光明媚な土地柄がセザンヌ・モネら画家達に好まれ愛されました。
また内部では酪農業が盛んでカマンベールを代表としたチーズなど乳製品が特産。
お酒では以前「タルトノルマンディー」でもご紹介したことがありますが、
リンゴから作られるシードルやカルヴァドスがとても有名です
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そんなルーアンの街は私にとっても大変思い出深い街
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2005年の夏、2ヶ月間でしたがあの小さな町で過ごしたことは
いつまでも忘れられない大切な思い出。。。
それと同じようにあの小さな町の小さな小さなパン屋さんで買って食べた
ルーアンの名菓「ミルリトン」…あの初めて食べたときの感動は今でも忘れられない
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一応ルーアン名物なのですが、意外に作っているところは少なく、
私が時々買って食べていたパン屋さんは実は「ミルリトン」を作っている数少ない
お菓子屋さんでもあったようなのでした。
なんと、その名も「Le Mirliton」(ル・ミルリトン)
今思えば、きちんと写真を撮って中身の分析もしておけばよかったと大後悔…
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今回のコルドンの地方菓子講座を受講したきっかけは、
そんなミルリトンのちゃんとした作り方や本物の味を学びたいと思ったのが始まりだったのです。
最終回にしてやっと出会えたHシェフ直伝のミルリトン、
やっぱり想像通りの美味しさでした~
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ミルリトンとは…「葦笛」という意味。
その名前がついた由来はフランス第一共和制の騎兵隊の帽子(18世紀)から
きているといわれ、その羽飾りが葦笛の形に似ていることから騎兵帽がミルリトンと呼ばれていたのだそう。
そしてこの焼き菓子がこの騎兵帽の形に似ていたためこの名前がついたのです。
名前の響き、兵隊さんの帽子とは思えないほど可愛いですね
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さて、そのお菓子の正体は…
パートブリゼのタルトレットに、生クリーム入りのクレームダマンド、
Hシェフのは中にフランボワーズペパンを忍ばせ、上から粉砂糖を
たっぷりふりかけて焼いただけ…それが…。
こんなに作り方もシンプルで素朴な小さいお菓子が、
こんなに予想外の食感と味わいをもたらせてくれるなんて!
それくらい驚きと感動を与えてくれる幸せなお菓子
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日本でもこれを作っているパティスリーは少ないので、
これからは自分でたくさん作って、たくさんの方にその味わいを知ってほしい!
とさえ思うほど、大好きな大切なお菓子になりそうです。
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「ドゥイヨン」
もう一つ実習で作ったのは、同じくノルマンディーのお菓子。
洋梨をまるごとパイ包みにして焼いた贅沢な焼き菓子。
Douillonとはラテン語ductilis「柔軟な」から、
古フランス語doille「やわらかい」が成立したのが語源ですが、
僧侶や子供が着る綿入りの長いコートという意味もあるのだそう。
そんな意味からか、着物を着た~という解釈もあります。
まさにこのお菓子はそんな名前がぴったりで、
洋梨の芯をくり抜いたところにクレームパティシエールをたっぷり詰め、
さらに水分を吸わせるためクレープをまとわせ、
フィユタージュで包みこんで焼くというちょっぴり手間のかかるお菓子。
その工程はまさにお洋服をどんどん着せていくような感覚でした。
本来は洋梨のようですが、林檎で作るところも多く、
焼き林檎はこのお菓子を作るときにフィユタージュがなかったから、
そのまま焼いちゃったというハプニングから生まれたとかいう説も!
こちらも焼きたては最高に美味しく、
寒い冬の朝なんかにはぴったりのボリューム
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ノルマンディー特有の木組みのおうち、
まだ薄暗い朝に、あったかいスパイスティーと供に…なんて素敵
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以上で、約5ヶ月間にわたり連載(?)してきた
フランス地方菓子の旅もついに最終回
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毎週楽しみに(してた?笑)ご拝読くださったみなさま、
本当に長い間ありがとうございました~
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(このページから訪問くださった方は、
ぜひシリーズ1からもご覧くださいねー
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私も記事をしたためることにより歴史や風土などを調べたりと大変勉強になり、
講座を受けるだけにとどまらず、貴重な体験となりました。
また今回、コルドン地方菓子講座で出会ったHシェフの教え、
そのクラスメイトの皆はかけがえのない私の宝物となり
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お菓子への愛情や夢がますます膨らむのでありました。
記事には書ききれない楽しかったこと、出来事がたくさんたくさんありますが、
一言この場を借りて、みんなにお礼を
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毎週月曜日はみんなと会えて、
大好きなお菓子について深く語れる何よりも楽しみな日でした。
ずっとこんな機会が続けばと願うもあっという間に5か月が過ぎてしまいました。
本当に本当にありがとうございました。
また近いうちに地方菓子熱冷めやまぬまま、深く語り合いましょうね
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そして、私はこの熱い想いをより多くの皆さまにお伝えできるよう、
たくさんたくさんお菓子を作っていきたいと誓いま~~~す
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近いうちにお教室で「地方菓子をめぐる旅レッスン」ができるように
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