@MON PARIS

「わたしのParis空間で…」

アンダルシア~3日目

2006-03-23 01:25:32 | 旅/Spain
3日目朝、起床7時!!快晴

はい、今回旅のハイライト、アルハンブラ宮殿見学でございます。
宮殿の見学は1日の入場者数に制限があるというので、
事前にBBVA(スペインの銀行)で朝一番の8:30のチケットを予約購入。
これを入場券に交換するだけなので並ぶこともなくとてもスムーズ
パラドールの門を出てチケット売り場まで小鳥さえずる森の中をお散歩。
ほんとアルハンブラの敷地って広大だわ~…

イスラム最後の王朝ナスル朝によって築城された王宮は、
現存するイスラム芸術の最高峰ともいわれる。
「アルハンブラ」とはアラビア語で「赤い城」という意味をもつ。
それゆえなのか、外見は無骨な赤い石壁…、それが一歩足を踏み入れると
そこは千夜一夜の夢物語、まさに幻想世界を彷彿させる美しさ。

 アラヤネスの中庭

ライオンの中庭

アルバイシンの街を望む

王宮見学のあとは難攻不落の要塞アルカサバに登り、
グラナダの空気を胸いっぱいに吸ってみる。
イスラムの栄光と崩壊…そんな歴史とは裏腹に、透けるような青空の向こう
遥かなる地平線を眺め、しばらく動けないでいた。

正午前、グラナダの街を後にして次に向かったのはセビーリャ。
またまた大移動ですが、致し方ない…。
だって今夜のフライトがセビーリャなのですもの!

快適な3時間のバスの旅。
車窓から見える景色を、最後のスペインの思い出を目に焼きつけるように眺めた。

セビーリャに到着したのはちょうどシエスタタイム。
そういえば朝からほとんど何も食べていない!
あまりの空腹に慌ててガイドブックのレストランを目指すものの、
かつてのユダヤ人街サンタ・クルスの入り組んだ路地に翻弄され、
行けども行けども迷うばっかりで、自分の居場所さえ分からない…
そんな時バルのテラスで一杯やってた老人に声を掛けられた。

「何を探している?ホテルか?」

「ううん、お腹空いたの。ご飯食べれるところ~!」と訴えると、

「オレについといでいいとこあるから(ウィンク)」

細い小道をぐんぐん入って…だ、大丈夫よね?

辿り着いたのは小洒落たパティオ風のレストランだった。
何度も「ここは美味しいよ!」と言いながら笑顔で去って行く老人に
「グラシアス~」と手を振る。
なんて親切な街なのかしら。…ほっ。

お腹もいっぱいになり、フライトの時間まであと数時間、
セビーリャの街を駆け足に散策することに。
「カルメン」の舞台でも知られるセビーリャ。
イスラムとキリスト文化が融合した美しく華やかな街並み。

 ヒラルダの塔

スペイン国内最大のカテドラルは残念ながら時間切れで入場できず、
アルカサルは休館…
まぁ、仕方ないわ…ここはフライトのオマケだったんだから。

 カテドラル

ここに来て、一番南国を感じたのは、一際オレンジの木が美しかったこと。
他の街でも見かけたけど、セビーリャは美しく整備され手入れされているように見えた。



こうして闘牛とフラメンコの情熱の街セビーリャを名残惜しく後にして空港へと向かう。
帰りは格安Vuelingでバルセロナまでひとっとび。
いつも思うけどVuelingのスチュワートっていつも客と雑談して大笑いしているイメージが…。
お願いだから落ちないでね。

我が街Granollersに到着したのはすでに0時をまわるころ。
はっ!そうだ…
一回チェックアウトしていたのでフロントに預けていた大荷物を
また部屋に運び入れなくては…。
う~ん、果たしてこの翌々日私は帰国できるんだろうか…(とその時めまいがしたのです)
そして、 過去ログ「帰国」に続く…(ってエンドレスだわ)
おしまい

アンダルシア~2日目

2006-03-22 00:22:33 | 旅/Spain
グアダレビン川が刻んだ深い峡谷によって分かれた白い村ロンダ。
その新市街と旧市街の二つの街をつなぐヌエボ橋の下はゆうに100mはある絶壁。
そしてその谷の向こうには遥か彼方まで原野が続いている。

目が覚めると、部屋にまぶしいほどの朝の光りが射し込んでおり、
窓を開け、ベランダに出ると、頬をさす冷たい空気と太陽を浴び、
素晴らしい景観にしばらく動けないくらい…。



北スペインでは見ることの出来なかった頭の中にあるスペインのイメージ。
それがこのアンダルシアだったんだ…。

旅というと、すぐに郷土料理や地酒方面に走ってしまう「花よりだんご」な私
ここに来て、いわゆる「旅への思いが掻き立てられる…」という旅情を強く感じました。
これが旅の醍醐味なんですね…。



いつも食べたいもので旅先を決める私でしたが、
今回、「見てみたい景色」「泊まってみたい宿」「移動を楽しむ」というテーマが
このスペイン滞在最後の旅を本当に素晴らしいものしてくれたのでは…と。

次の目的地はグラナダ。
昼過ぎにはロンダを出発し、列車で一路グラナダへと向かう。



広大な景色が延々と続く…3時間の車窓の旅は飽きることなく魅了し続ける。
空の青色、雲の白色…それが溶け合って地平線までグラデーションを描き、
もうすぐ春を思わせる草の色とミモザの黄色が鮮やかに映える。
こんなときこそ五感が冴えてくるものなのね…。
大切な何かを忘れかけたとき、はっ!と「旅に出よう」と思うようになりそう…。

さて、アンダルシアの旅情あふれる列車の旅を終え、グラナダに降り立ったのは夕刻。
少し陽が延びたのかまだまだ明るいので、市街を散策することに。
広場、カテドラル周辺を散策し、お約束のチョコラテコンチュロスで体を温める。

その後、アラブ統治下に城塞都市として発展した
グラナダ最古の街並みが残るアルバイシンへ。
迷路のように入り組んだ路地を上がっていくと、異国情緒にあふれ、
一瞬遠い過去に迷い込んだかのように錯覚する。
夕陽が路地を照らし、当時レコンキスタによるグラナダ陥落の際アラブ人最後の砦となった
哀しい歴史を残すこの地を赤く染めるように感じた。

そんなグラナダでの今夜のお宿は…
栄華を極めたイスラム王朝、難攻不落の名城といわれたアルハンブラ敷地内にある
15世紀に建てられたフランシスコ会修道院を改装したパラドール。

モダンで明るい雰囲気だったロンダのパラドールと違い、
こちらは歴史の重みを感じるたたずまい。
雄大な歴史ロマンに浸るには最適ですが…、
ちょ~っと怖がりの私にはなかなかスリル満点なお部屋でしたわっ
いえいえ、ここで千夜一夜の夢の世界に誘われてぐっすり眠ることにいたしましょう。

 パラドール内のパティオ

翌朝はいよいよ旅のハイライト!
イスラム建築の最高傑作アルハンブラ宮殿の観光です。

アンダルシア旅行記3日目につづく。

アンダルシア~1日目

2006-03-21 10:37:42 | 旅/Spain
帰国する直前に3泊4日(車中1泊)でアンダルシアを旅しました。
遅くなりましたが、つれづれ旅行記をします。

3月3日金曜日。
この日までにダンボール4箱の荷造りを済ませ、
不要になってしまった家電や食料品を掲示板で帰国セールに出したりと、
滞在始まって以来の慌しさでした。
そんな中でもホテルに家電等を引き取りに来て下さった方々との楽しい出会いがあったり、
滞在最後に本当に良い思い出が出来ました。

残った最後のお米でおにぎりをこしらえ、いざ出発!
21:30バルセロナ発→翌朝10:30マラガ着の夜行列車で15時間の旅。
今回は寝台クシェットが取れず、なんとリクライニングシート!
それがまたたいしてリクライニングしないので辛い辛い…眠れない…。

夜が明け、白い村々コスタデルソルの玄関口マラガに近づくと、
車窓に美しい街並みが飛び込んできた。
列車を降り、すぐにミハスに向かうためバスターミナルへ。

アンダルシアの旅はRENFEよりバスが断然便利とのこと。
主要都市を中心にあちこちの村々へ繋がっているのだ。
大きな観光バスが何台も並ぶターミナルに着くとなるほど多くの旅人で賑わっていた。
ほこりっぽいターミナル脇のバルでカフェコンレーチェを口へ押し流し、
ミハスへの経過点フエンヒローラ行きのバスに飛び乗った。

マラガから約30Km、バカンスシーズンは観光客で賑わうリゾート地フエンヒローラで、
さらにバスを乗り継ぎ、9km北上した山の中腹に忽然と白い集落が姿を現す。



1時間もあれば周れる小さな村ミハス。
今は村全体が観光地になっていてテーマパークのようだけど、
その昔は非常に貧しい村だったという。



白壁がまぶしく、どこを撮っても切り取った絵画のような美しさ。
そう、実家のリビングに飾ってある油絵からずっと訪れてみたかった場所でした。



ランチはこのミハス村でゆっくり。
アンダルシア名物ガスパチョをいただきます。
これが夏だったらもっと美味しいのに…
でもさすが本場!今まで食べた中で一番美味しかった



暗くなる前に今夜のお宿ロンダに向かうため、夕方には出発。
やっぱりフエンヒローラからロンダ行きのバスが出ているので時間が来るまで、
ビーチを散策。
そこで見つけたのがこんなお洒落なダストボックス。
ちゃんと分別のために絵が描かれてあるのがでしょ?



はい。約1時間40分いろは坂のようなクネクネ道を登っている途中から
深い霧と豪雨に見舞われ、一時はどうなることかと思いましたが無事ロンダに到着。
今夜のお宿、タホ渓谷の断崖絶壁に建つパラドールのお部屋からの眺めです。

はい、そうでございます。今回の旅のテーマ。

「パラドールに泊まろう!!」

…なので珍しく食を追求しておりません!あらかじめご了承ください~

アンダルシア旅行記2日目につづく

バスク~ビルバオ

2006-02-08 01:46:28 | 旅/Spain
日曜早朝サン・セバスチャンからバスに乗って約1時間、バスクの首都ビルバオへ。
ヨーロッパでも屈指の工業地帯として発達してきたこの街はバスク地方の中でも
最も活気があり、強い経済力を持った豊かな街だそう。

まずは到着したバスターミナルから最近開発が進んでいると思われる最新トラムに
乗り、グッゲンハイム美術館へ。



ここはフランク・ゲーリーの設計の奇妙な金属製建築が見たくて外観のみ見学。



ビルバオ川沿いにそびえる建物を見ながらぐるっと1周お散歩。
朝早いので、地元のオジサマものんびりお散歩。
しかし、私の住んでることろでは見られない早朝のジョギング姿やウォーキング姿を
サン・セバスチャンでもビルバオでもたくさん見かけました。
全く所変われば意識も全く違うのですね~。
セニョーラたちのスウェット姿のウォーキングを見て少し日本を思い出しました。



ビルバオ川沿いの街並み。
川を挟み右側が旧市街、左が新市街。建物も全く雰囲気が違いました。



旧市街と新市街を結ぶ橋。こちらは新市街の街並みです。



旧市街にあったパン屋さん。
木製の棚に整然とパンが並び、セニョーラの衣装もなんだか可愛い。
ここで本場「ガトーバスク」を買いました。



あるバルの前で。
ワンちゃんのご主人はバルで1杯…全く出てくる気配はありませんが、
おりこうなワンちゃんは周りには一切気をとられず、窓越しにご主人を一心に見つめております。
それにしても入り口の「犬出入り禁止」マークと後姿、なんとも哀愁漂うわ…。

最後にまた入りきれないくらいギュウギュウのバルでピンチョスとチャコリを頂き、帰路へ…。
ビルバオ空港までは中心広場からバスで15分。近い!
約1時間の空の旅で、あっという間にバルセロナ到着。
夜行の辛さは一体…

バスクを食べ尽くす事ができたかどうかは?ですが、
日本ではバスクというとETAの活動などがしばしばニュースに取り上げられて
知られていますが、そんな憂慮はどこへやら!
街全体が美しく整備され、どこよりも平和で穏やかな雰囲気、
人々は何かにこだわって生きているようなそんな印象を受けた街でした。


☆☆☆「Martin Berasategui」

2006-02-07 17:06:35 | 旅/Spain
今回バスクを訪れた最大の目的。三ツ星レストラン「Martin Berasategui」。
スペインには5軒のミシュラン三ツ星レストランがありますが、
その一つがあの予約が世界一取りづらくて有名な「エル・ブジ」。
そのエルブジ氏と並んでスペインガストロノミーの中枢的存在と言われる
マルティン・ベラサテギ氏がオーナーシェフを務めるレストランのディナーへ。

ここは2001年末に三ツ星になったそうで、
サン・セバスチャンの街からタクシーで20分ほど離れた閑静な住宅街にありました。

広い邸宅にグリーンを基調としたダイニング。
60席あるそうだけど、私達の席は暖炉の目の前で、
テーブルの間隔にかなり余裕があり、周りのお客がほとんど視界に入らないので
まさに邸宅に招かれたような気分に…。

アペリティフにカヴァ、アミューズブッシュにクリームクロケット。
カルトをゆっくり眺めますが、マルティン氏の料理は繊細で独創的な小皿感覚で
いただくのがよろしいそうなので、最初から決めておりました。
いわゆる本日のコースということで《THE GREAT DEGUSTATION MENU》を。

カルトを閉じ、しばらくすると大きいカルトに変わり、
オーダーしたMENUの小さなカルトを持ってきてくれました。
さすが三ツ星、余念ない演出です。
ワインはソムリエのオススメ、魚介が多いのでガリシアの白をチョイス。

それでは、今まさに注目されているマルティン氏の芸術の世界へご一緒に!



これが本日いただくMENUのカルト。
ここに書かれてある全てが出されるというのでドキドキ



ビーツのクリームスープ…中に貝のむき身が入っていました。
うなぎとフォワグラのミルフォイユ…表面には青りんごのキャラメリゼが!



生牡蠣…棒状にカットしたりんごの上に牡蠣が乗せてあり、
下にフェンネルのジュレ、レモングラス。



いんげんのスープ…ガーリッククルトンを刺したフォワグラ、トリュフのジュレ。



ウニのスープ…カプチーノ仕立て、中に生うに、もやし。
二層になっているスープはカレー、シナモン、コーヒー風味!



イカのスープ…イカの身のラビオリ・中はイカ墨とワタ、米のクルトン。



シーフードサラダ…ドレッシングではなくジュレでいただくのですね~。



スズキのソテー…キュウリのジュレ、セロリと米のソース。



ピジョン(鳩)のソテー…フォワグラとカリカリチーズ、チェリー添え。



デセール1…レモンソルベ、青りんご、チャコリのジュレ、ブラッディーオレンジ。
上のパリパリは蜂蜜風味でした。



デセール2…アーモンドのアイス、フリュイセックのスープ、フリュイセック、ボンボン。



カフェ&小菓子…ショコラ、シナモンミルク、フリュイルージュのスープ、
レモンメレンゲ、フィナンシェ。

以上、お腹いっぱいなのは言わずもがな…
そして組み合わせの不可思議に衝撃を受け言葉が出ないのも…。

これがスペイン最先端のヌーベルキュイジーヌの姿なんだ~と感嘆するばかり。
ガツンとくるトラディショナルと違い、またその技を見に何度でも行きたくなる感じ。

いつの間にか邸宅は満席になっており、最後のテーブルのメインがサービスされた後、
マルティン氏本人が厨房から出てこられて一つ一つテーブルを回りお話を。
私達のテーブルにもいらっしゃって、どうでしたか?とお尋ねに。
「トドムイビエン!トレビアンでしたわ!」
氏は満面の笑みで流暢なフランス語で話してくださり、写真を一緒にとお願いすると、
「もちろん!あっちで撮りましょう」とエントランスのサンセバスチャン画の前で
腕を組んで記念写真を撮りました。
最後に握手した、幾つものレストランやカフェをプロデュースしている敏腕シェフの手は、
厚みのある職人の手でやさしいぬくもりでした。