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@MON PARIS

「わたしのParis空間で…」

フランス地方菓子の旅10

2007-12-18 19:03:34 | フランス地方菓子の旅


「ベレーバスク」

さて今年最後のプラで制作したのは前回に続いて、
Aquitaine(アキテーヌ)地方バスクもうひとつの代表的なお菓子。

さぁ、ずっーっとお顔を引いて遠くから写真をどうぞ…どうでしょう!
まさにベレー帽に見えませんか

そう、ベレー帽はバスク人の象徴。
その象徴を模ったこのお菓子の中身は濃厚なショコラづくしケーキなのであります。
ショコラのジェノワーズにたーっぷりラム酒シロップをアンビベ、
ショコラのクレームパティシエールをはさみ、
まわりにスプレーチョコをまぶして、ヴァニラのさやをちょこんと挿せば、
どこから見てもベレー帽なんて、可愛すぎる…。

ちなみになぜショコラづくしなのかというと…、
チョコレートは17世紀にスペインやポルトガルからバスクを経由してフランスに入りました。
そしてフランスで初めてチョコレート工場ができたのがバスクの中心地バイヨンヌ。
だからゆかりの深いベレー帽とショコラが結びついてこのお菓子が生まれたのですね



こちら本物のベレーバスクをかぶったバスク人のおじさま方。
2年前バスクを旅した時に出会った一場面
このように街の年配の方が本当に多くベレーバスクをかぶっていことは印象的な思い出…

ちなみに私の通っていた中高等学校にはベレー帽が制服の準規定にありました。
中学受験をする際に見学に訪れたとき、
在校生がかぶるベレー帽とボレロ&ジャンパスカートの制服に淡い憧れを感じたものですが、
意外に入学してみると、半年も経たないうちにタンスにしまいこんでしまったっけ

今回お菓子が仕上がった時、久しぶりに懐かしい母校のベレー帽姿の制服が
目に浮かび、妙にこのお菓子が愛おしく感じてしまいました。
せめて中等部の間くらい毎日がぶっておけばよかった…十数年後の後悔だわ

さて地方菓子Bコースもとうとうこの回をもって終了。
また新年からCコースが始りますが、
いったん長い冬休みに入るのでしばらくシェフやクラスメイトに会えません
毎週あまりに楽しい時間を過ごしてきたので、
さびしくてたまりませんが…この日授業は午前中で終了、
この後シェフも交えてクラス全員でランチ会がありました
その様子はまたのちほど…

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フランス地方菓子の旅9

2007-12-11 15:19:39 | フランス地方菓子の旅


さて毎週のお楽しみ(?)今回の地方菓子は…
フランス南西部、西は大西洋、南はピレネー山脈、
東を中央山塊に囲まれたAquitaine(アキテーヌ)地方から。

ここはあの有名な世界最大の良質ワインの産地ボルドーにはじまり、
フォワグラのほかトリュフやセップ茸の宝庫ペリゴール、
プリュノーの特産地ガスコーニュ、
スペイン国境の地独特の文化を持つバスクとひじょうに変化に富んだ豊かな地域。

これだけ特色豊かな地域だけにAquitaine地方菓子は今週、来週と
2回にわたってお届けしたいと思います

さて1回目の本日はまずバスク地方からあの有名なお菓子。
「ガトー・バスク」

…?お菓子好きな方なら「あれ?」と思われたのでは?
そう、ポピュラーなガトー・バスクは、
中のガルニチュールがクレーム・パティシエールですよね。
今回プラで制作したのはグリオットのコンフィチュール入りガトー・バスク。
実はクレームの代わりにItxassou(イザスィウー)という街の特産グリオットを入れるのが正統派なんだそう!
はぁ~それにしてもこのItxassouの街を捜すのにかなり苦労いたしました
仏語版 Wikipédiaをサーフィンしてでようやく見つけましたが、
もうまさにスペイン国境近くの小さな小さな街…
ここのグリオット限定だなんて地方菓子の由来は奥深いですね。

お菓子の模様は独自の文化をもつバスク地方特有「バスクの十字架」が印されています。
この変わった模様、私が旅したスペイン側のバスク地方サン・セバスチャンの街にも
たくさんお土産物屋さんに並んでいました。
そういえば…スペイン側ではこんなグリオット入りのお洒落なガトー・バスクには
出会えなかったです…やっぱり?さすがスペインだったのかしら



「マカロン・ド・サンテミリオン」

もうひとつプラで作ったのはボルドー市街から車で1時間、
やはりぶどう畑が広がる著名なワインの産地St.Emilion(サン・テミリオン)の名物。

「マカロン」の語源は「マカロニ」といわれ、
練りもの系のお菓子を総称してそう呼ぶことが由来だとも言われています。
なので、マカロンといっても私たちがよく目にするお洒落なマカロンだけではなく、
フランス全土、各地方に様々な表情をしたマカロンがあるのです

このSt.Emilionのマカロンは13世紀にウルスラ会の修道女が作ったお菓子が起源といわれ、
その作り方はまるでシューのようにお鍋で練りながら作るという変わったもの。

材料は卵白・アーモンドパウダー・砂糖と基本は同じですが、
何より珍しいのはここの特産であるソーテルヌワインが入ること

貴重な貴腐ブドウから作られる甘口の極上ワイン、ソーテルヌ。
その響きだけでもうっとりなのに、それがこの素朴なマカロンにたっぷり入っているなんて

はぁまだまだ地方菓子の奥深さ、魅力は語りつくせません
早くお教室でも地方菓子レッスンを始めたくてウズウズしております

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フランス地方菓子の旅8

2007-12-06 20:55:15 | フランス地方菓子の旅


UPが遅くなりました~。
さて今週の地方菓子は…フランス南西部、
リムーザン地方とスペイン国境のピレネー山脈にはさまれたMidi-Pyrénées(ミディ・ピレネー)地方から。

「ガトー・トゥールーズ」

主要都市Toulouse(トゥールーズ)の名がついたこのお菓子は、
今までのお菓子の中でもとっても個性的!
Hシェフも「好きな人と嫌いな人がはっきり分かれるのでは?」と言いつつも、
ご自分が大好きなお菓子なので絶対に実習すると決めていたのだそう

素朴な見た目のこのお菓子、
実は意外に手の込んだタルトなのです。
まずレモンのゼスト(皮)入りパートシュクレに、
お手製レモンのコンフィを敷き、
たーっぷりのアーモンドダイスと、たーっぷりのレモンゼストと
メレンゲを合わせたアパレイユが入るというリッチさ

さてさてそのお味はといいますと…
う~~~んトレ・トレ・ボーン
フランス菓子好きにはたまらない絶妙な酸味と甘み。
アーモンドダイスがぎっちりなので、その食感も絶妙。

地方色豊かな個性派お菓子、見た目以上の満足感で感激
毎週毎週、地方菓子の魅力にどっぷりはまっていく私ですが、
一方、一緒に勉強しているお仲間との時間もたまらなく幸せなひととき。
シェフとともにより深くお菓子について談義したり、
授業終了後に中目黒の焼き鳥屋さんに集って、さらにマニアックにお菓子を語る…

今年はあと2回で終わり…、
そのあともきっとあっという間に終わってしまうのかしら?
回を重ねるごとに終了を惜しみ、さみしくなるのですが…、
これってある種の中毒…かもしれない

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フランス地方菓子の旅7

2007-11-27 18:21:24 | フランス地方菓子の旅


フランス地方菓子も7話めになりました
全15回なのでもう半分まできてしまったのですねー。

さて今回はフランスのほぼ中央に位置する起伏に富んだ高原地帯、
Limousin(リムーザン)地方から。

「クラフティー・オ・スリーズ」

クラフティー…きっとこのお菓子の名を聞いたことがある人は多いと思いますが、
実はこの地方こそがクラフティー発祥の地。
本来「クラフティー」とは陶器またはタルト型に、
チェリーを並べ、クレープ生地と同じアパレイユを流して焼きあげたもの。

リムーザン地方のクラフティこそ唯一本物のクラフティといわれるほど
その規定は意外に厳しいものであるので驚き!
使用するチェリーはこの地方のCorrèeze(コレーズ)県のものでなければいけないのだそう。

ここに「…オ・スリーズ」(チェリーの)とお菓子の名前を挙げましたが、
「クラフティー」=チェリー入りは当然のこと!笑
フランスには厳格に守られる規定があるからこそ、
こうして各地の伝統がいつまでも大切に受け継がれていくのですね

さてさてプラ(実習)で作ったこのクラフティー、
…これがもうほんっとに美味しくて
実は自分が作ったものは一切れ味見するくらいの私ですが、
撮影半ばで我慢できずに1cut手が伸び…(なので今回は早めに撮影終了
さらにもう1cut…今もコレを書きながら食べたくてウズウズしてしまうほど!
まさに好みの味&食感…あぁサイコー!地方菓子!VIVAクラフティー!

どっぷり地方菓子の世界に魅了される今日この頃、
本場のお菓子を求めて再び旅に出てしまいたい症候群であります

もうこの美味しさを伝えずにはいられないので、
来年からは地方菓子も織り交ぜてレッスンのメニューを組もうかと思案中です



そしてもうひとつは…フランスの中央部、パリの南東に広がる穏やかな丘陵地帯、
Bourgogne(ブルゴーニュ)地方から。

「グジェール」

これは1750年ディジョンの菓子屋が最初に作ったことが起源のチーズ入りプチシュー。
ブルゴーニュ地方各地で作られ、
ワイナリーでのワインの試飲の際につまみとして使われています。
ワインとエスカルゴで知られる美食の地ブルゴーニュならではの名物ですね。
グリュイエルチーズと黒胡椒・ナツメグがたっぷり入った、
なんとも旨みのあるシューはちょうどこの時期ボージョレヌーボーと一緒に
供するにはぴったりのおつまみ…というわけで昨夜も飲みすぎ…?

ワイン好きにはたまらないブルゴーニュの地。
パリからも比較的訪れやすい位置、美食の街ということで私も2回訪れました。
過去log「BOURGOGNE」もどうぞ~。
たわわに実るピノノワールにうっとりです

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フランス地方菓子の旅6

2007-11-20 17:26:26 | フランス地方菓子の旅


コルドンブルーの地方菓子レッスンも2つめのBコースに入り、
この旅もまた中心地、Ile-de-France(イル・ド・フランス)に戻って参りました。

Ile-de-Franceとは、パリを中心に広がる半径約150kmのエリア、
まさに花の都Parisの代表的なお菓子たちを、
Parisで収集した小物と一緒にご紹介したいと思います

さてひとつめのこちらは…、
皆さますでにご存じマカロンですが、
実はマカロンというのはフランス各地で作られており、
土地によって形や食感がさまざまという面白いお菓子。
この表面がツルツルしていて、ピエ(足)が出ている
なんとも都会的なこのマカロンたちこそが「Macaron de paris」といわれるもの。
この表面のすべすべから「Macaron lisse」(マカロン・リス)ともいわれています。(lisse=すべすべ)

このマカロン、アーモンドパウダー、砂糖、卵白のみで作るひじょうに
シンプルなものなのに、その出来上がりはパティシエの腕ひとつでまったく違うものに!
それだけ繊細で難しいと言われることから、
マカロンが上手に焼けたら一人前のパティシエと言われるほど。

なかなか理想にはほど遠く、まだまだ修行が足りない私ですが、
そのコロンコロンとした愛らしい表情とカシャっと壊れるはかない食感、
甘く風味のある味わいにやっぱりマカロンに魅了され続けるのであります。

マカロンにそっくりなこのキャンドル、
…これはMabillonにある創業1643年のロウソクの老舗Cirというお店で購入したもの。
マカロンだけでなくほかのお菓子、野菜、チーズまで本物そっくりの
ロウソクが所せましと並ぶ素敵なお店でした。



「ポン・ヌフ」

もうひとつの愛らしい小菓子タルトレットは、
表面の格子模様が橋を表わすところから
現存するパリ最古の橋「Pont-Neuf」の名がつけられたとか。

Pont-Neufとは「9番目の橋」という意味。
セーヌにかかるその橋は抒情にあふれ、そのものが芸術作品…
Parisの人々にはもちろん世界中の人に愛される橋でもあるのですね。

またPont-Neufにはところどころに半円状にくぼんだベンチが設計建築されており、
そこに座ってセーヌを眺めたり、沈みゆく夕日を眺めたり…、
それもはもう最高に贅沢で素敵なひととき
映画にもなったくらいのロマンチックな橋ですから、
ぜひ恋人と訪れたいParisの観光名所としても有名なのでございます

さて小物はそんな恋人同士の会話につまんでいただくイメージで…
デミタスもそうですが、その上のお砂糖もParisで。
やっぱりAmour(愛)の国ですから…ハートのシュガー。
カップのふちに挿せる何とも愛らしいこのシュガーは、
7区にある老舗デパートLe Bon Marcheの食品売り場、
「La Grande Epicerie de Paris」で。
他にもいろいろな形があり、色もナチュラルなのからビビッドなものまで。
こんなキュートアイテム、さすがParisならでは

お菓子も小物も洗練されておしゃれなんだけど、
どこか乙女らしいキュートな面影を残すあたりがParisなのかしら

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