メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

オクラあれこれ

2016-12-02 23:59:34 | びっくり!

東京でオクラを買いにマーケットに行けば
まずはきれいに揃ったオクラたちが
きちんと並んでパックに入っています。
みんな素直にまっすぐ伸びた優等生。

ワシントンDCやシアトルのマーケットでは
必要なだけのオクラを我が手でビニール袋に詰めて
重さに応じてレジで支払います。

これ、ある意味とっても合理的。

クレタ島料理のオクラとトマトの煮込みなどを作ろうと思えば
山のようにオクラを使いますし
ちょっとだけお浸しになどと思えば
たいして量はいりません。

ある時、どうしてもオクラが必要になって
無造作につかんでビニール袋に入れて
レジで計ってもらって、大急ぎで支払いを済ませました。

家に帰って笊にあけてみれば
うんうん、なかなかいい感じ。
みんなまっすぐ伸びやかで。

と思ったのは間違いで
中にこんなへそ曲がり、いえ個性的な子たちが隠れていたのです。

面白半分、大きさもまちまちな子たちを俎板の上に並べみたら
まるで木琴、いえ、オクラ琴になりました。
叩けば音階が聞こえそう(笑)。

自然の世界はなかなか
バービー人形のようにはいきません。

ところでオクラは英語でも「OKRA」です。

ただし日本語のようにすべての音に母音がつくわけではありませんから
オクラの「ク」は「KU」ではなくて、無声音の「K」。
口の奥の方で舌をどこにもつけずに軽く音をだす感じ。

しかもオクラのラは「R」ですから、舌をオクラの方に
いえ違った奥の方(笑)に丸めてから発声するような感じ。

たった4文字ですが
私たち日本人にはとてもむずかしい「オクラ」です。


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Le Pain Quotidienのオリーブオイル物語

2016-12-02 00:25:57 | レストラン

さてさて昨日の続きですが

この「Le Pain Quotidien」というお店

料理に使っているのも、テーブルに運ばれるのも

そしてお店で売られているのも全部チュニジアのオリーブオイルです。

 

???と思いません?

ねえ、ふつうだったらイタリアとかスペインとかギリシャとか、、、

 

今日は「なぜチュニジア?」の謎に挑みましょう(笑)。

だってそれこそがこのお店の歴史とも言えるのですから。

 

はい、それでは紙芝居風にまいります。

あ、この漫画本、日本のお店では見られませんでしたけれど

アメリカのお店ではレジに置いてあって自由にいただけるのです。

 

さあさあ、紙芝居の始まり始まり。

表紙のアランさんが手につまんでいるのはオリーブの実です。

 

昔ある所にアラン・クッモンさんという男の人がおりました。

アランはベルギーで生まれて、シェフとなり

1990年、とうとう自分のベーカリーをオープンすることとなりました。

そしてお店で使うオリーブオイルを探していました。

1999年、アランは1週間の休暇を過ごすため、友人のいるチュニジアへやってきました。

「やあ、久しぶり!」
「アラン!チュニジアへようこそ!」

マジェルダ渓谷への途中

「さあ、荷物を下ろしてくつろいで。妻が美味しい食事を用意してるから。」
「う~ん、これは美味しい。」
「この食材はすべて私たちの農場で収穫したものなんだ。明日農場に連れて行くよ。」
「それは嬉しいねえ。ブリュッセルにいる時から楽しみにしていたんだよ。」

翌朝午前5時。

「さあ行こう、アラン!林まではそう遠くないから。」

馬が突然興奮し、落馬するアラン。

「君が落ちた所こそが我々の最古のオリーブの木の下だよ。さあ、アラン、私についてきて。この農場では何代にもわたって伝統的なオーガニック栽培が行われている。ひとつひとつ手で摘まれたオリーブは向こうの搾油所に運ばれる。。まずは石でつぶしてオリーブの実をペースト状にするところから始まって最後には君が昨夜の食卓で味わったオイルになるんだ」

「う~む、これこそが『Le Pain Quotidien』にふさわしいオリーブオイルだ!」

「使われている石車はもう何百年も前のものなんだよ。ペースト状になったオリーブの実は、籠に移され、押されて、液体部分と残りの部分に分けられる。今では遠心分離機が主流になったけれど、我々は、手作業でやっているんだ。そうして絞られたオイルはしばらく寝かされる。」


5日後、キッチンに立つ時を待ちかねる思いで、ブリュッセルへと戻ったアランの両腕の鞄には、あふれるばかりの品が詰められていました。


以来、アランがチュニジアで出会ったエキストラバージンオイルといくつかの食材は

今もなお「Le Pain Quotidien」のテーブルの上に運ばれる一皿一皿を豊かに演出し続けているのです。

 ――――――――――――――――――

ですって。

はい、お し ま い。

東京のお店でもチュニジアのオイルが使われていましたよ。

 

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