マキペディア(発行人・牧野紀之)

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『枝野ビジョン』を読む

2021年06月08日 | abc ...
『枝野ビジョン』を読む
    枝野代表への手紙

 立憲民主党代表の枝野氏の近著(文春新書)を読んでみました。今の日本の政治を良くするには立民を応援する以外にないと思うからです。

 全体的感想としては、真面目な人で信頼できるな、というのが第1印象ですが、まだ若くて経験と勉強が足りないな、というのが第二点です。
 これの好く出ているのが253頁の1行空きの次の結論です。
 曰く「政権を取るためにも、その政権が期待に応えるためにも、何よりも,理念と哲学、「目指すべき社会像」を明確にすること、そして、それらが自民党とどう違うのかを明確にすることが重要だと考えている。」

 この考えに基づいて、本書は、終始一貫「枝野ビジョン」を展開しています。
 その時、枝野氏の忘れていることは、
 第1に、「私と一緒に、私たちといっしょに、新しい時代の扉を開こう」(254頁)と言いながら、立憲民主党の住所も、電話番号も、メルアドも、存在しているらしい機関誌の申し込み方法も書き忘れている、ということです。

 もう少し大きな忘れ物を指摘しますと、54頁以下で「経験不足の民主党政権」を論ずるそぶりを見せながら、具体的内容がないことです。憚りながら、私はとっくの昔に、ブログ「マキペディア」の中で「民主党政権はなぜ短命でおわったか」を論じてあります。
  最後に、政党は政治を動かすための組織です。「そんな事分かっているよ」と言うでしょうが、それならなぜ立憲民主党の「組織としての現状」をどう考えているか、どこをどう改善するつもりなのかを、何も言わないのでしょうか。
 レーニンは「自分に組織を与えてくれ。そうしたら、世の中をひっくり返してみせる」と言い、その組織はニセモノを絶対にいれない「狭量の精神」でなければならない」と言いました。実際には、スターリンは危険だと気づきながら、狭量の精神を実行できず、人類の歴史に比類のない不幸の種をまきました。
 一九五六年ころに混乱を乗り越えて日本共産党が再出発を始めた時、指導権を握った宮本顕治さんが最初に何をしたか、ご存知ですか。全党員に手紙を送って次の三つのことを訴えたのです。

 第1に、細胞会議に出てほしい。第2に、機関紙「赤旗」を毎日読んでほしいこと。そして、第3に、党費をきちんと払ってほしいことです。

 これは、返事をくれない人には催促をする程徹底したものでした。そして、ここから今の共産党の前進が始まったのです。

 お節介ですが,今の立憲民主党が何をするべきか、私案案を書きます。
 第1は、衆議院の全ての選挙区に最低でも「週に1回以上開くコドモ食堂」を開き、党員はみな協力すること。世田谷区長の保坂展人さん
の経歴と今日の支持率を調べて見てください。そうすればこの提案の根拠がわかるでしょう。
 第2にするべきことは、機関紙を「立民週報」として、最初は、党内から男女一人ずつ、党外からも優秀な人を男女一人ずつ、合計四人の体制で始めることです。
 今秋の総選挙には間に合いませんが、次の参院選以後は大効果を発揮するでしょう。
 ご健闘を祈ります。
 





 






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