中国では西遊記がブームなのでしょうか。周星馳チャウ・シンチーが監督した『西遊記 はじまりのはじまり』が最近あったなあ、と思いながら、こちらは甄子丹ドニー・イェンが完全特殊メイクで孫悟空の誕生から五行山へ封印されるまでを描く。キャストも豪華で、玉帝に周潤發チョウ・ユンファ、牛魔王に郭富城アーロン・クォック、女優陣もチョイ役なのに陳慧琳ケリー・チャンや梁詠ジジ・リョンが出ています。
仙石から生まれた孫悟空は素性を見込まれて仙人の下で修行を積み、七十二の変化術を会得して筋斗雲を自在に乗りこなすまでになる。しかし素行が悪く兄弟子たちに乱暴を働くため、花果山に帰される。孫悟空はここで美猴王と呼ばれ猿たちから崇められる。仲間の猿たちの武器を手に入れようと東海竜王のもとへ行ってひと暴れ、如意棒や豪華な甲冑、たくさんの仲間たちの武器を得た。
天界との争いに敗れ、火焔山に封じ込められていた牛魔王は逆襲の機会を窺っていた。天界での待遇に不満がある二郎真君と通じ玉帝と対決するつもりだが、魔族は天界の門の結界に入ることができない。そのため孫悟空に結界を破壊させようと企んでいた。牛魔王から斉天大聖とおだてられその気になった孫悟空は、天界で弼馬温に任じられるが、ここでも自由奔放な振る舞いで仙桃を食べるなどやりたい放題。孫悟空が天界に行っている間に花果山は何者かに襲撃され、仲間の猿たちが全滅した。復讐に燃える孫悟空は。。。
『ロード・オブ・ザ・リング』みたいなファンタジーアクションを中国で作ったらこうなりました、みたいなものかな。何と言っても甄子丹の特殊メイクが見どころのひとつ。瞳の輝きは甄子丹だけど、表情やら動きやらは全く甄子丹のイメージがなく、ここまでやる必要があったのか?とちょっとした疑問も。そして甄子丹の特殊メイクは相当手間暇掛けているんだろうけど、狐の妖精(夏梓桐シア・ジートン)と一緒にいたパンダやら何やらの仲間たちは、遊園地の着ぐるみレベル。せっかくやるならそういう細部にまでこだわってほしいなあ。
話の流れがわからなかったから、なかなかメインの戦いにいかないのでまさかこれも前後半の二部作か?と一瞬思ったけれど、花果山が全滅して孫悟空が怒りに燃えてからは一気呵成に怒涛の展開、前後半のバランスがいまいち悪い気がします。陳慧琳と梁詠はスクリーンで久しぶりに観ました。2人とも結婚して、陳慧琳は子供も2人いるから、なかなか映画の撮影は難しいのでしょう。
大陸では3Dで公開されたらしいし、ファンタジー映画だからたくさんVFXを使っているのもわかるけど、エンドロールは長すぎ。せめて海外版はもっとシンプルにしてほしいなあ。何とも中国らしいといえばらしい映画でした。
公式サイトはこちら。
5/18 シネマート六本木
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