「信じる」とはどういうことか、そして愛についていろいろと考えるところのある映画でした。
中国の沿岸にある孤島は島全体が大きな妓楼となっていた。幼いころに両親を亡くし妓楼の女主人に拾われた小雪(陳妍希ミシェル・チェン)と小霜(陳意涵チェン・イーハン)姉妹は、美しい芸妓に成長していた。
父親が罹っていた流行り病の症状が小雪の身体にあらわれ始めたとき、島に舞曲の先生文秀(鄭元暢ジョセフ・チェン)がやってきて小雪の才能に惚れこみ相思相愛となる。
島を根拠地とするハイ親分(任達華サイモン・ヤム)率いる海賊は、本土の高名な茶館の娘婿である李二少を拉致して身代金を要求する。茶館の女主人芙蓉(李小冉リー・シャオラン)は単身で島に乗り込むが、娘婿は妓楼で小霜に夢中になっていた。小霜は幼馴染の海賊の一員タオパー(言承旭ジェリー・イェン)の想いを知りつつ、妓楼随一の芸妓として李二少を籠絡する。
小雪と文秀、小霜と李と芙蓉、芙蓉とハイ親分の愛と信が絡み合い、物語は変転する。。。
小雪と小霜の美しい姉妹に見とれていましたが、後半はむしろ芙蓉の凛々しさが一人際立ってました。その気丈さにハイ親分も惚れたのでしょう。病気を隠して李二少を誘惑する小霜が幼く見えてきます。
宣伝では陳妍希と鄭元暢のカップルが主役級の扱いでしたが、後半の流れを見ると任達華と李小冉こそ主役に相応しい激動の物語ではないでしょうか。
「信じること」にまつわるエピソードも事欠きません。ハイ親分と芙蓉の周囲でも、嵐の夜に持ち場を離れたタオパーや甲板の上で手下の腕を切り落とすハイ親分、李二少を信じて単身島に乗り込んだ芙蓉に、お家第一に忠義を尽くす茶館の番頭など、それぞれが仲間や部下、夫、主人を信じて行動しています。芙蓉がハイ親分との刹那的な愛よりも、昔からの番頭の忠義を選んだのも何だか象徴的です。
陳妍希はだいぶふっくらとしていました。『あの頃、君をおいかけた』の時は高校生役になるためにかなりダイエットをしたようだから、このくらいが本来の姿なのかもしれません。最後の農家の野暮ったい服装よりは、妓楼のきらびやかな衣装をもっとたくさん見たかったなあ。
公式サイトはこちら。
10/28 シネマート六本木
『ドラッグ・ウォー 毒戦』 絶賛公開中!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます