すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【西野ジャパン】本田&宇佐美の2シャドーに守備の不安はないか?

2018-05-27 08:58:25 | サッカー戦術論
宇佐美はどこまで守備をするか

 ロシアW杯をめざす西野ジャパンは26日、初のフォーメーション練習を行った。ベールを脱いだ形は、長谷部をリベロに据えた3バックを採用する1トップ2シャドーの3-4-2-1だ。大迫と岡崎が交代で1トップに入り、本田と宇佐美がレギュラー組の2シャドーを務めた。全体図は以下の通りだ。


               ◯大迫(岡崎)

         ◯宇佐美          ◯本田


      ◯長友   ◯山口蛍   ◯柴崎    ◯原口



          ◯槙野  ◯長谷部  ◯吉田


 なるほど攻撃に関してはわかりやすい。チームでいちばんシュートがうまい本田、宇佐美ら3人が決定的な仕事をするんだな、と察しがつく。だが問題は守備だ。

 いま日本がボールを失った。で、敵CBがボールを保持してビルドアップしようとしている場面をイメージしてみよう。

 このとき日本のワントップは、ミドルサードの敵陣側からプレッシングを始める設定だとする。この場合、敵の2人のCBが横パスをつなぐのは勝手にやらせておく。ただし日本のワントップは縦のパスコースを切り、相手のボランチを日本のシャドーかボランチが見て絶対に縦パスを通させないようにする。

 すると問題はサイドにボールが出た場合だ。

 そのときは日本の同サイドのウイングバックとシャドーがボールに圧力をかける。WBが縦を潰し、シャドーが横を切る。ワントップもプレスバックして後ろから囲い込む。せっかく敵のボールをサイドに誘導したのだから、サイドでボールを奪いたい。

 さてここで、(日本ボールのときでさえ)オフ・ザ・ボールの動きがダメな宇佐美が、足を止めずに守備のタスクをきっちりこなせるかどうか? 宇佐美のサイドから「水が漏れる」のでは守備が破綻し失点のリスクが高まる。対戦する3ヵ国すべてが格上であることを考えれば、日本が先に失点してしまっては苦しくなる。

岡崎がシャドーなら守備は万全だが

 一方、もしシャドーが岡崎なら、守備の仕事は完璧にこなせるだろう。とはいえ攻撃力なら宇佐美のほうが上回る。ならば宇佐美を使うことによる攻撃と守備のメリット・デメリットを秤にかけた場合、トータルでの収支決算をどう判断するか? だろう。つまり西野監督の決断は攻撃的なのだ。

 だが対戦相手との力関係から守備を重視せざるを得ない日本の立場を考えれば、スタメンは(宇佐美でなく)守備の得意な岡崎をシャドーで使い、まず守備から入って悪くても引き分けを視野に入れるというシナリオもありえる。

 そしてもし日本が先に失点してしまい、どうしても点がほしい局面になれば宇佐美を途中投入する、という考え方もできる。(宇佐美の守備がリスキーだと考える私が監督ならそうする)。というか、もし私が監督ならそもそも宇佐美は使わず、頭から武藤嘉紀を使う。

 このへんはガンバ大阪つながりな西野監督の「宇佐美愛」が強いのだろうが……さてこれが吉と出るか凶と出るか? いや、とはいえケガの乾が目下、別メニュー調整中で全体練習には加わってないので、まだ暫定的な人選なのだろうが。

 なお、このほか同日のフォーメーション練習から推察すれば、ボランチはまず山口蛍が当確。で、彼の相方は柴崎と大島の争いであることがわかる。ここのスタメン競争も非常に興味深い。

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