すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【プレミアリーグ 23/24 第7節】黄色い狼がペップにキツい一発を食らわす ~ウルヴァーハンプトン 2-1 マンチェスター・シティ

2023-10-04 05:00:53 | イングランド・プレミアリーグ
コレクティブ・カウンターが炸裂する

 プレミアリーグ第7節で現地時間9月30日、ウルヴァーハンプトンとマンチェスター・シティが対戦した。ホームのウルブスが2-1で勝利した。シティは開幕からの連勝が6で止まった。

 彼らはシティをリスペクトし、5-2-3の陣形でブロック守備をした。だがそれだけでなく、チャンスになれば両WBを上げて3-4-3に変化し、積極的にビルドアップして攻撃に出た。要所で敵を剥がす個の力がある選手が目立った。

 アタッカーであるペドロ・ネトによる単独ドリブル突破のほか、複数の選手が速いぺースでパスを繋いで前に飛び出すコレクティブ・カウンターが利いていた。

 彼らはただ守るだけでなく攻撃への意欲が強く、好機と見れば少ないタッチ数でパスを繰り出し敵陣へ殺到した。その結果、2点をもぎ取り王者シティを陥落させた。

ネトが右サイドを食い破る

 立ち上がりの13分。中盤でのシティのポゼッションに対し、ウルブスがプレスをかけてボールを奪い取る。そしてネトが右サイドを食い破った。

 彼は単独ドリブルで縦を突破しボックスへ侵入。ゴール右脇で味方にマイナスの折り返しを入れる。するとボールは足を出したシティのDFルベン・ディアスに当たってゴールに飛び込む。オウンゴールでウルブスが先制だ。

 彼らの核弾頭であるネトは第5節のリバプール戦でも大活躍し、すんでのところでレッズを倒す原動力になっていた。レッズ戦でも彼はサイドを蹂躙し、きわどいクロスを何度も入れ続けた。

 さて、その後はシティがボールを保持し、彼らの前半のポゼッション率はなんと69%に上った。だがウルブスもスキを突き効率よくカウンターをかける。

 44分にもネトは右サイドをドリブルで攻め上がり、呼応した味方としばらく敵陣でポゼッションした。かくて前半終了。リードしたホームチームの思惑通りの展開である。

アルバレスがFKを決めシティが同点に

 試合は後半に入り50分だった。ウルブスはラインを上げて中盤~前線でポゼッションした。続く52分にはロングボールを入れ、受けたネトが右サイドでキープ。そこを基点に彼らは敵陣でボールを保持しパスワークを見せた。

 彼らはワン~ツータッチでテンポよくパスを繋ぐ。いつも縦に速いカウンターをかけるというより中盤でのポゼッションも見せ、1点リードしている状況で上手に時間を消費した。

 一方、58分にはシティが反撃に出る。FKのチャンスだ。ボックスのすぐ外から、FWフリアン・アルバレスが右足でゴール左上スミに直接決めた。同点だ。GKジョゼ・サは片手でボールを手に当てたがそのまま入った。

 だが追いつかれてもウルブスのファイティング・スピリットは衰えない。左WBラヤン・アイトヌーリはマイボールになればオーバーラップし、コレクティブ・カウンターの原動力になる。また65分にはシティの攻撃を受けるが、DFクレイグ・ドーソンがシュートを掻き出し必死に守った。

 そして66分だ。ウルブスの右WBネルソン・セメドが攻撃参加する。彼は鋭いクロスを入れ、そのこぼれ球をFWマテウス・クーニャがゴール前で落とす。これに左から迫った韓国代表FWファン・ヒチャンが、ゴール右へしっかり押し込んだ。2-1。再び鼻の差をつけた。

70分頃から狼たちはうまく時間を使った

 シティが左サイドを攻めると、彼らは常に2枚で慎重に守備対応していた。そんなふうに耐えた69分には、またウルブスがカウンターに入りかける。だが途中でスピードを緩めてポゼッションし、うまく時間を使う選択をする。自分たちがリードしているからだ。

 83分にはシティの右SBカイル・ウォーカーの地を這うようなミドルが炸裂。一瞬、ドキリとしたがGKサが捕球した。そしてタイムアップ。黄色い狼たちが攻守に躍動するのに対し、シティの怪物ハーランドはまったく消えていたのが印象的だった。

 シティは出場停止中のスペイン代表MFロドリの不在が大きかったとの声もあるが、というより地力はあるウルブスの踏ん張りが目を引いたゲームだった。

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