すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【CL 23/24 D組 第2節】久保健英がCLで初アシストする 〜ザルツブルク 0-2 レアル・ソシエダ

2023-10-06 05:00:05 | CL/EL/EURO(世界規模のサッカーリーグ)
ハイライン・ハイプレスが冴えた

 チャンピオンズリーグ(CL)のグループD第2節が10月3日に行われ、レアル・ソシエダはアウェーでザルツブルクと対戦した。彼らはオヤルサバルとブライス・メンデスのゴールで2-0と快勝した。インテルと引き分けたグループ初戦に続き、これで合計勝ち点4の首位である。

 ハイライン・ハイプレスのソシエダは、立ち上がりから前線で敵に圧をかけた。そしてボールを奪うと少ないタッチ数でパスを繋ぐ。非常に集中しており、コンパクトな陣形を維持し続けた。久保健英には2枚のマークがついたが、彼は1アシストした。

 特に前半はザルツブルクに何もさせず、完璧に押さえ込んだ。自分たちだけがサッカーをした。ただ後半に崩れるパターンが多い彼らは、このゲームも例によって後半には押し返されて苦戦する。そこをクリーンシートで終えられたのは大きい。

 レギュラーと控えの力の差が大きいラ・レアルは、どうしてもスタメン固定になる。ゆえに後半は運動量が低下し、力の落ちる控え陣が途中出場するためどうしても試合の締め方が課題になる。

 ソシエダのフォーメーションはいつもの4-1-2-3。守備時4-4-2だ。スタメンはGKがレミロ。最終ラインは右からトラオレ、スベルディア、ル・ノルマン、アイエン・ムニョスが構える。

 中盤はアンカーがスビメンディ。右IHはブライス・メンデス、左IHはミケル・メリーノという不動のメンツだ。前線は右から久保、オヤルサバル、バレネチェアである。

オヤルサバルが先制ゴールだ

 ソシエダは立ち上がりから、前線で激しくプレスをかけた。ライン設定も高い。

 ザルツブルクが最終ラインでボール保持の時、久保とオヤルサバルがそれぞれ敵CBに、左のバレネチェアが敵の右SBにプレスした。相手の左SBには右SBトラオレが前に出て当たる。そしてボールを奪うと、素速いポジティブトランジションから攻撃する。その攻めは暴力的だった。

 逆にラ・レアルの攻撃時、久保には敵の左SBテルジッチと左SHキェアゴーが2枚がかりでマークに来た。だが久保はその包囲網を突破し、特に前半輝いた。

 さて試合開始7分。オヤルサバルがブライスメンデスからパスを受け、1〜2タッチしてボックスのすぐ外からゴール左にインサイドで軽くシュートを決める。1-0。さっそく先制点だ。

 ソシエダはテンポよくボールを繋ぐ。一方のザルツブルグはなかなか形にならない。

 そして27分、ラ・レアルは自陣でボールを奪った。久保とワンツーをかまして自陣から飛び出したブライス・メンデスが長駆ドリブルで独走する。彼は左足でゴール右にショットを叩き込み、追加点を奪った。これが久保のCL初アシストになった。2-0だ。

 ザルツブルクは両SBを高く上げ、アンカーが最終ラインに降りて3バックでビルドアップする。だが中盤とその前はあまり組織だった動きはない。中盤で誰を誰が捕まえるのかはっきりしない。前半のポゼッション率はソシエダ56%でシュート9本と圧巻、ザルツブルクは同44%でシュート3本だった。

後半はザルツブルクが追い上げた

 一方、後半の立ち上がりは、逆にザルツブルクがボールを保持する展開になる。彼らは前半とはガラリと変わり、左サイドからアーリークロスを入れたり、SBがロングボールを蹴り前線に当てて再展開した。

 48分には彼らの左サイドから前線にボールが入り、飛び込んだFWシミッチをソシエダGKレミロがPA内で倒したとしてPKが宣された。だがVARの結果、取り消しになる。

 続く53分、ザルツブルクの右サイドから前線に鋭いアーリークロスが入り、ひやっとしたが事もなし。彼らは途中交代のラトコフとシミッチの2トップがかなりアグレッシブな動きをしている。大人しかった前半が嘘のようだ。

 ザルツブルクの2トップは前半と違い、ボールを保持するソシエダの最終ラインにしつこくプレスをかけてくる。彼らは中盤も前半よりかなり機能的になった。久保にはボールが入らなくなったため消え気味になる。こうしてソシエダは後半に点を取られるケースが多い。今日はどうなるだろうか。

 かくて63分、久保に代えてチョを、バレネチェアに代えてカルロス・フェルナンデスを投入する。これでフェルナンデスをCFにし、オヤルサバルは右WGに回った。チョは左WGだ。こうして彼らは後半に控え組を出すたびパワーダウンする。大きな課題だ。

 だが90分になっても、今日はオヤルサバルが守備に走り回っている。まったく頭が下がる。ソシエダはボールをキープして時間を使いたいが、すぐボールロストしてしまう。

 91分、ザルツブルクのシミッチが右足で低いシュートを打つが、ゴール左に外れる。立て続けに95分、ザルツブルクの決定的なチャンスをGKレミロがパンチングする。そしてゲームセット。ソシエダは失点ゼロで逃げ切った。彼らは今季、チャンピオンズリーグ初勝利だ。約20年ぶりにCLで勝った。大きな勝ち点3が手に入った。

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