成長が止まるのではないか?
レアル・ソシエダの久保健英と切っても切れないのが、古巣レアル・マドリードへの復帰の噂だ。おそらくこのテのネタはメディアなるものが存在する限り、絶え間なく続くのだろう。
だがマドリーへ行かせたいメディアのみなさんには誠に申し訳ないが、個人的には久保のマドリー行きには絶対反対だ。
レアル・マドリードという巨大クラブは、ラ・リーガでプレイする選手にとっては双六の上がりだ。そこへ行ってしまったら最後、満足し「ひと息ついて」しまうのではないか?
「やり切ったぞ」という達成感とともに、久保はマドリーの選手という地位に安住するのでは? そして選手としての成長が止まってしまうのではないか? 久保は22歳。まだまだ伸びるはずの選手だ。そんなことになってはもったいない、と感じる。
ストイックさに欠けて見える久保
特に久保という選手は外から見ていると、自己肯定感が非常に強いタイプのように感じる。裏を返せば、ややもすると自分を厳しく律するストイックさに欠けて見える。いかにも大らかなスペイン風味だ。
例えば彼の属するレアル・ソシエダは、10月24日に行われた欧州チャンピオンズリーグのグループD第3節でベンフィカ・リスボンに圧勝した。彼は良いプレイをしたがゴールだけがなかった。惜しいシュートがバーを叩いた。で、試合後に彼は、「もしあのゴールを決めていれば僕が王様だった」と言い放った。
あの発言には、違和感を覚えた。
試合に勝ちメディアに持て囃され、ちょっといい気になってしまっている感じがした。もしストイックな選手なら、そんなセリフはぜったい口にしないだろう。逆に「なぜ自分はあの場面でシュートを決められなかったのか?」を自己分析し、黙ってさらなる努力を続けるはずだ。
もっとも、あの発言は久保なりのメディアに向けたリップサービスだったのかもしれないが。
この件と同じで、彼がマドリーへ行けばある意味「いい気」になり、そこで満足してしまうのではないか? マドリーへ移籍し、ある種の強い自己肯定感を味わってしまうと「それなりの選手」で終わってしまうのではないか? と杞憂する。
まだまだ果てしなく伸びるはずの選手だけに、そうなってしまうのはとても惜しい。
プレミアリーグなら伸びる余地はある
で、もし彼が移籍するとしたら、個人的にはイングランド・プレミアリーグの上位クラブあたりがいいのではないかと感じる。具体的には、今季のデキでいえばマンチェスターシティかアーセナル、スパーズの3択だ。
とにかくプレミアリーグは世界中から選りすぐりの「化け物たち」が集まる巣窟であり、上を見ればキリがない世界である。
久保はそんな世界の化け物たちと切磋琢磨し、「まだまだ自分には足りないところがある」と自覚すれば、努力を続けて成長するだろう。彼がこれまでやってきた自己研鑽を振り返ればそう想像はつく。
例えばあえて言うが、久保がまだローンでマジョルカやヘタフェなどのクラブを渡り歩いていた時代、彼は高い技術はあってもハンパな選手だった。
ちょっと接触プレイがあると両手を広げて大げさに倒れプレイをやめてしまう。で、ファウルをアピールする。だがゲームはまだ進行中なのだ。倒れた彼はそのぶん試合から取り残されてしまう。久保のチームは10人で戦っているのと同じだ。そこがわかってない。トランジションが悪い。
また彼はボールさえ持てば鬼に金棒だが逆にいえばオフ・ザ・ボールが悪く、ボールのないところでは「どこ吹く風」で足を止めてゲームに関与しないケースがあった。守備の意識も高くなかった。
そんな「技術だけはある」がハンパだった選手がその後、それらの自分の欠点を見事に修正し、いまや世界のトップ・オブ・ザ・トップに手の届くところにいる。彼は大きく成長した。
そのせっかくの成長を止めないためにも、マドリーへ行くのだけはやめたほうがいいと感じる。
レアル・ソシエダの久保健英と切っても切れないのが、古巣レアル・マドリードへの復帰の噂だ。おそらくこのテのネタはメディアなるものが存在する限り、絶え間なく続くのだろう。
だがマドリーへ行かせたいメディアのみなさんには誠に申し訳ないが、個人的には久保のマドリー行きには絶対反対だ。
レアル・マドリードという巨大クラブは、ラ・リーガでプレイする選手にとっては双六の上がりだ。そこへ行ってしまったら最後、満足し「ひと息ついて」しまうのではないか?
「やり切ったぞ」という達成感とともに、久保はマドリーの選手という地位に安住するのでは? そして選手としての成長が止まってしまうのではないか? 久保は22歳。まだまだ伸びるはずの選手だ。そんなことになってはもったいない、と感じる。
ストイックさに欠けて見える久保
特に久保という選手は外から見ていると、自己肯定感が非常に強いタイプのように感じる。裏を返せば、ややもすると自分を厳しく律するストイックさに欠けて見える。いかにも大らかなスペイン風味だ。
例えば彼の属するレアル・ソシエダは、10月24日に行われた欧州チャンピオンズリーグのグループD第3節でベンフィカ・リスボンに圧勝した。彼は良いプレイをしたがゴールだけがなかった。惜しいシュートがバーを叩いた。で、試合後に彼は、「もしあのゴールを決めていれば僕が王様だった」と言い放った。
あの発言には、違和感を覚えた。
試合に勝ちメディアに持て囃され、ちょっといい気になってしまっている感じがした。もしストイックな選手なら、そんなセリフはぜったい口にしないだろう。逆に「なぜ自分はあの場面でシュートを決められなかったのか?」を自己分析し、黙ってさらなる努力を続けるはずだ。
もっとも、あの発言は久保なりのメディアに向けたリップサービスだったのかもしれないが。
この件と同じで、彼がマドリーへ行けばある意味「いい気」になり、そこで満足してしまうのではないか? マドリーへ移籍し、ある種の強い自己肯定感を味わってしまうと「それなりの選手」で終わってしまうのではないか? と杞憂する。
まだまだ果てしなく伸びるはずの選手だけに、そうなってしまうのはとても惜しい。
プレミアリーグなら伸びる余地はある
で、もし彼が移籍するとしたら、個人的にはイングランド・プレミアリーグの上位クラブあたりがいいのではないかと感じる。具体的には、今季のデキでいえばマンチェスターシティかアーセナル、スパーズの3択だ。
とにかくプレミアリーグは世界中から選りすぐりの「化け物たち」が集まる巣窟であり、上を見ればキリがない世界である。
久保はそんな世界の化け物たちと切磋琢磨し、「まだまだ自分には足りないところがある」と自覚すれば、努力を続けて成長するだろう。彼がこれまでやってきた自己研鑽を振り返ればそう想像はつく。
例えばあえて言うが、久保がまだローンでマジョルカやヘタフェなどのクラブを渡り歩いていた時代、彼は高い技術はあってもハンパな選手だった。
ちょっと接触プレイがあると両手を広げて大げさに倒れプレイをやめてしまう。で、ファウルをアピールする。だがゲームはまだ進行中なのだ。倒れた彼はそのぶん試合から取り残されてしまう。久保のチームは10人で戦っているのと同じだ。そこがわかってない。トランジションが悪い。
また彼はボールさえ持てば鬼に金棒だが逆にいえばオフ・ザ・ボールが悪く、ボールのないところでは「どこ吹く風」で足を止めてゲームに関与しないケースがあった。守備の意識も高くなかった。
そんな「技術だけはある」がハンパだった選手がその後、それらの自分の欠点を見事に修正し、いまや世界のトップ・オブ・ザ・トップに手の届くところにいる。彼は大きく成長した。
そのせっかくの成長を止めないためにも、マドリーへ行くのだけはやめたほうがいいと感じる。