攻撃的だが守備は苦手なマクアリスター
現地時間10月26日に行われたヨーロッパリーグ第3節のトゥールーズ戦で、リバプールの遠藤航が移籍後初ゴールを決めてメディアが大はしゃぎだ。「遠藤が凄い! これでレギュラーまちがいなしだ!」とばかりに、天地がひっくり返ったように騒いでいる。
だが慎重なクロップは、たった1回ゴールを決めた程度では考えを変えないだろう。「継続的」に攻撃的なプレイを見せ続けなくては、遠藤のレギュラー獲りは遠いままだーー。
さて残念ながら、目下、アンカーの遠藤はヨーロッパリーグとカップ戦要員に収まっている。プレミアリーグには相変わらずマクアリスターがアンカーとして先発する日々だ。この構図が完全に固定化している。
だがマクアリスターは本来攻撃の選手であり、ぶっちゃけ守備は苦手だ。本ブログでは過去に何度も具体的に彼の守備面でのミスを指摘しているが、彼は守備の選手なら絶対にやらないような「致命的なやらかし」をアンカーの位置で何度もやり、チームをたびたび失点の危機に陥れている。
マクアリスターのミスのおかげでチームのリズムがすっかり狂い、不安定になることがしばしばある。いや別に私は彼に個人的な恨みがあるわけじゃない。ただ淡々と客観的に状況を分析しているだけだ。サッカーチームというものは、まず守備が安定していなければ本領を発揮できないものなのだ。
現在、レッズはプレミアリーグで6勝2分け1敗の4位と上位にいるため、結果的に彼のミスは目立たない。だが試合の内容をつぶさに見れば、彼の失敗が足を引っ張っているのは一目瞭然だ。赤いシャツのチームはギクシャクと不安定な試合を繰り返しながら、それでもなんとか勝ち続けている状態である。
「攻撃好き」なクロップが選ぶのは?
ではなぜ攻撃的なマクアリスターは、こともあろうに守備的なアンカーポジションの先発要員としてクロップに使われているのか? それはおそらくクロップ自身が「攻撃的な選手が好みだから」だろう。
例えばマクアリスターは、アンカーの位置からでも試合を一発で決めてしまえるようなキラーパスが出せる。攻撃面だけに限定すれば、非常に高い技術の持ち主だ。具体例をあげれば、第6節のウエストハム戦でFWダルウィン・ヌニェスに放った、チームの2点目に繋がったような高度なパス出しだ。
このときマクアリスターは中盤の底の深い位置から、最前線のヌニェスを狙って縦への鋭いロングパスを入れた。寸分の狂いもなく、ボールはヌニェス目がけて飛んで行く。
一方のヌニェスは自分の頭上へと飛ぶボールの落下地点へ素早く移動し、目の前に落ちてきたボールを足の甲にうまく乗せてなんとダイレクトでシュートを決めた。超絶的なゴラッソだった。
つまりマクアリスターは、こういう必殺のパスが出せるから先発で使われているわけだ。
クロップはレッズの欠陥を自覚しているが……
さて、ここで思い出されるのは、遠藤を獲得したときクロップが彼に言ったというジョークだ。
クロップは「うちのチームには守備的なMFが足りないんだ」といい、「つまりウチは、なんというか、攻撃的すぎるんだよ(笑)」と笑った。
ユーモアのセンスがあるクロップは冗談に絡めて、「いまのリバプールは守備に欠陥がある」という現状分析をして見せたのだ。この分析はまったく正しい。冒頭で説明したように、レッズの守備には欠陥がある。
そして皮肉なのは、クロップはこの自チームの欠陥を自分で重々わかっていながら、にもかかわらずアンカーという守備の要諦を握るポジションに攻撃的な、(だが守備はヘタな)マクアリスターを起用してしまっていることだ。
つまりクロップは客観的には自チームの欠陥をわかっていながら、それでも攻撃好きな彼は「本能的に」マクアリスターを選んでいるわけだ。
いまのレッズには何が求められているか?
攻撃的な能力でくらべれば、確かに遠藤はマクアリスターに一歩譲る。前述したようなFWヌニェスへマクアリスターが出したような超絶的なロングパスなどは遠藤にはマネできないだろう。
だがいちばんに考えるべきは、いまのリバプールには何が求められているのか? だ。それはもちろん「守備の安定」であり、ならばアンカーに誰を使えばいいかは一目瞭然だろう。
どう考えても両インサイドハーフにはマクアリスターとソボスライを起用し、より前の位置でマクアリスターの攻撃的な能力を生かすのがベストだ。と同時に、彼らより一列下がったアンカーには守備が安定している遠藤を使うのがいい。
ならば遠藤はクロップに求められている縦パスなどの攻撃的な能力を今後高めながら、虎視眈々とレギュラー入りを狙ってほしい。
現地時間10月26日に行われたヨーロッパリーグ第3節のトゥールーズ戦で、リバプールの遠藤航が移籍後初ゴールを決めてメディアが大はしゃぎだ。「遠藤が凄い! これでレギュラーまちがいなしだ!」とばかりに、天地がひっくり返ったように騒いでいる。
だが慎重なクロップは、たった1回ゴールを決めた程度では考えを変えないだろう。「継続的」に攻撃的なプレイを見せ続けなくては、遠藤のレギュラー獲りは遠いままだーー。
さて残念ながら、目下、アンカーの遠藤はヨーロッパリーグとカップ戦要員に収まっている。プレミアリーグには相変わらずマクアリスターがアンカーとして先発する日々だ。この構図が完全に固定化している。
だがマクアリスターは本来攻撃の選手であり、ぶっちゃけ守備は苦手だ。本ブログでは過去に何度も具体的に彼の守備面でのミスを指摘しているが、彼は守備の選手なら絶対にやらないような「致命的なやらかし」をアンカーの位置で何度もやり、チームをたびたび失点の危機に陥れている。
マクアリスターのミスのおかげでチームのリズムがすっかり狂い、不安定になることがしばしばある。いや別に私は彼に個人的な恨みがあるわけじゃない。ただ淡々と客観的に状況を分析しているだけだ。サッカーチームというものは、まず守備が安定していなければ本領を発揮できないものなのだ。
現在、レッズはプレミアリーグで6勝2分け1敗の4位と上位にいるため、結果的に彼のミスは目立たない。だが試合の内容をつぶさに見れば、彼の失敗が足を引っ張っているのは一目瞭然だ。赤いシャツのチームはギクシャクと不安定な試合を繰り返しながら、それでもなんとか勝ち続けている状態である。
「攻撃好き」なクロップが選ぶのは?
ではなぜ攻撃的なマクアリスターは、こともあろうに守備的なアンカーポジションの先発要員としてクロップに使われているのか? それはおそらくクロップ自身が「攻撃的な選手が好みだから」だろう。
例えばマクアリスターは、アンカーの位置からでも試合を一発で決めてしまえるようなキラーパスが出せる。攻撃面だけに限定すれば、非常に高い技術の持ち主だ。具体例をあげれば、第6節のウエストハム戦でFWダルウィン・ヌニェスに放った、チームの2点目に繋がったような高度なパス出しだ。
このときマクアリスターは中盤の底の深い位置から、最前線のヌニェスを狙って縦への鋭いロングパスを入れた。寸分の狂いもなく、ボールはヌニェス目がけて飛んで行く。
一方のヌニェスは自分の頭上へと飛ぶボールの落下地点へ素早く移動し、目の前に落ちてきたボールを足の甲にうまく乗せてなんとダイレクトでシュートを決めた。超絶的なゴラッソだった。
つまりマクアリスターは、こういう必殺のパスが出せるから先発で使われているわけだ。
クロップはレッズの欠陥を自覚しているが……
さて、ここで思い出されるのは、遠藤を獲得したときクロップが彼に言ったというジョークだ。
クロップは「うちのチームには守備的なMFが足りないんだ」といい、「つまりウチは、なんというか、攻撃的すぎるんだよ(笑)」と笑った。
ユーモアのセンスがあるクロップは冗談に絡めて、「いまのリバプールは守備に欠陥がある」という現状分析をして見せたのだ。この分析はまったく正しい。冒頭で説明したように、レッズの守備には欠陥がある。
そして皮肉なのは、クロップはこの自チームの欠陥を自分で重々わかっていながら、にもかかわらずアンカーという守備の要諦を握るポジションに攻撃的な、(だが守備はヘタな)マクアリスターを起用してしまっていることだ。
つまりクロップは客観的には自チームの欠陥をわかっていながら、それでも攻撃好きな彼は「本能的に」マクアリスターを選んでいるわけだ。
いまのレッズには何が求められているか?
攻撃的な能力でくらべれば、確かに遠藤はマクアリスターに一歩譲る。前述したようなFWヌニェスへマクアリスターが出したような超絶的なロングパスなどは遠藤にはマネできないだろう。
だがいちばんに考えるべきは、いまのリバプールには何が求められているのか? だ。それはもちろん「守備の安定」であり、ならばアンカーに誰を使えばいいかは一目瞭然だろう。
どう考えても両インサイドハーフにはマクアリスターとソボスライを起用し、より前の位置でマクアリスターの攻撃的な能力を生かすのがベストだ。と同時に、彼らより一列下がったアンカーには守備が安定している遠藤を使うのがいい。
ならば遠藤はクロップに求められている縦パスなどの攻撃的な能力を今後高めながら、虎視眈々とレギュラー入りを狙ってほしい。