・・・ 地球そぞろ歩き(16)
☯ 海原に奪われそうなりロカ岬先端に立ちつくしている我 松井多絵子
昨日16日、私はポルトガルへ向かって午前10時から歩きだした。「マヌエル」という高輪にあるポルトガル料理の店へ。クラブツーリズムの<世界食卓めぐり第2回>、目黒駅から先ず東京都庭園美術館庭園にある旧朝香宮邸の庭園へ。繁華街から急に広大な庭園へ、朝香宮鳩彦王は明治天皇第8皇女の夫である。パリ郊外で交通事故に遭われ長期間フランスで過ごされた。宮邸の玄関のアールデコの彫刻はよき時代のフランスをおもわせる。
八芳園を散策する。昨日の雨に洗われて庭園の木々がうつくしい。周りを高層ビルで囲まれている、下りながら巡る庭園、池はより深く感じられる。約10000坪のなかに料亭、レストラン、結婚式場なども備えている。このツアーは15人、その中にここで見合いをした女性、娘が結婚式を挙げた方もいる。東京に生まれ育ちながら私は此処へ来たのは2度目、何十年ぶりかしら。あれは夏の夜だった。和食だったような気がする。
☯ 目をとじて肩をふるわせ外つ国の女の歌う、おそらくは「恋」
あのレストランも狭かった。目の前で中年の女が唄った。ポルトガルの演歌のファドを。私の体に哀愁が浸みるようだった。「マヌエル高輪」も客席16、店内にアマリアロドリゲスらしきファドが流れている。店長の安部さんはポルトガルが大好き、そのこだわりが客を楽しませる。壁のタイル、ランプ。ワインの並ぶ棚。さっぱりしたポタージュとサラダ、パンは柔らかい。串刺しの焼肉をプレートに斜めに立てた料理は豪勢だ、コーヒーとサラミ風のチョコも洒落ている。料理は目でも食べるのだなあ、と思う。
☯ ぶどう酒に酔いファドの調べに酔いながらふいに味噌汁飲みたくなりぬ
「マヌエル高輪」の昼食を終えて高輪の泉岳寺へ向かう。そろそろ12月、赤穂浪士の12月。主君のために命を捧げた武士が47人も。その墓を巡る。初老のNPOのガイドさんは
赤穂浪士のことを熱っぽく語る。墓参りをしている男性が何人もいる。自分のために命を捧げてくれる部下がいたら、、などと思っているかも。赤穂浪士記念館を見学、解散する。
※ ツアー料金 6670円、歩行12847、8.4km、238cal、脂肪燃焼量17g
11月17日 松井多絵子