えくぼ

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伊津野重美の朗読

2015-11-04 09:34:48 | 歌う

               ~ 伊津野重美の朗読 ~

 ♦ 文化の日をのんべんだらりと寝ころんでテレビに喋らせ歌わせている  松井多絵子

 のんべんだらりと寝ころんだのは昨年の文化の日、昨日はテレビを全く見ない充実した文化の日だった。吉祥寺のSTAR PINE'S CAFE 「伊津野重美」の朗読を聴いたのである。「伊津野さんの朗読を聴いていると酔う」らしいのは私のビタミンC・穂村弘。私も聴きたかった朗読会に「未来」の方が誘ってくださりった。5分遅れて会場に着いたとき、地下の会場は真っ暗、すでにステージで、伊津野が独り囁くように自身の短歌『紙ピアノ』の朗読を、、。

 伊津野重美は2000年より朗読活動を始める。2005年第一歌集『紙ピアノ』を刊行。詩誌「生命の回廊」発行・編集。 わたしは毎日のように短歌を読み、文字が私に短歌を伝えてくれる。目を通じて短歌を味わう。しかし昨日は耳を通して短歌を味わったのだ。そしてかなり異なる短歌や詩の世界を巡ったのである。音響が詩歌を盛り上げていた。

 ♦ 目をとじて仰向き声をふるわせて伊津野重美は光を語る

 STAR PINE'S CAFE は1997年9月吉祥寺にオープンした。会場は地下1階だが吹き抜けで天井がかなり高い。すでに開演していた時に会場へ入る私を、係りの方は懐中電灯で足もとを照らしながら案内してくださった。まるで地獄の底へ降りていくような感じだった。ふいにステージだけが明るく見えてきた。カーリーへアーの、ロングドレスの伊津野重美のつぶやきが聴こえてきた。祈りが、叫びが聞えてきた。椅子に坐り朗読を聴きながら私は波になってゆくような心地がした。さざ波、大波、逆巻く波、崩れる波、、。

     ♦ 書くならば言葉の身なりを整えて光が窓を去らないうちに

  昨日の朗読の最後は「遍し光」 伊津野重美さんも光を求めているのですね。

                           11月4日   松井多絵子