えくぼ

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秋の紅葉か、春の桜か

2015-11-01 09:27:43 | 歌う

             ~ 秋の紅葉か、春の桜か ~

 ♦ 昼中のわれに読書をさせる雨しずかに紅葉を洗っている雨  松井多絵子

 今日から11月、今年もあと2か月で終わる。年の終わりを飾るように紅葉が華やぐ。
昨日の ☀ be読者調査 「秋の紅葉、春の桜、心にしみるのは?紅葉49%、桜51%。
「若い頃は絶対に秋のほうが好きだったが、年を重ねるごとに秋は切なく物かなしくなり、生命感あふれる春の方が好きになってきた」という48歳の女性の言葉が添えられているが、私は半世紀も変わりなく紅葉を愛しんでいる。紅葉の方が好きな人たちの理由は ①赤や黄など色が豊富 ②燃えるように美しい ③色づく木々の種類が多い ④長時間楽しめる ⑤古都などに似合う これらの理由に私も同感である。

 ♦ しなかった、できなかった事あれこれと思い出させる桜の吹雪

 わたしも桜は大好きだ。春がはじまる幕開けとなる希望あふれる花だ。しかし10日足らずで散ってしまう。命の儚さを思わせる花でもある。加齢とと共に「あと何度桜を見ることが出来るか」などと思わせる桜は、近年の私には切ない花にもなってきた。そしてあっけなく過ぎ去った青春への悔いを募らせる花でもあるのだ。

 ♦ まだ紅のもみじの落ち葉いちまいを手に取りしばし捨てかねていつ

 1昨日訪れた軽井沢の雲場池の紅葉を見ながらさらに紅葉が好きになった。紅葉は長く木
にとどまる。紅が褪せてもレンガ色の葉は美しい。私はレンガ色の服を何枚か持っている。この色の服を着ると気持ちが安らぐ。ほどほどに華やかなレンガ色は老人に似合う色ではないか。晩秋の紅葉は老人でもまだ明りが、艶が残っているように思わせて愉しい。しかし都会人には紅葉は 「秋の自然の美しさ」だが、北国では厳しい冬の到来を感じさせる切実さがある。「北海道では紅葉の季節を飛び越えて雪が降り出すことも。その寒かった思い出もあり、紅葉にはいまひとつ心が引かれない」という58歳の男性の言葉がきびしい。

                          11月1日  松井多絵子