・・・ わたしのチュニジア ・・・
もう1度ぜひ行きたいと願っているチュニジア。この7月17日のテロによる襲撃事件は悪夢であって欲しい。ノーベル平和賞は「チュニジア国民対話」組織に決定。うれしい。我が家のサボテンたちも喜んでいる。10数年前の秋にチュニジアを訪れたとき、サハラ砂漠近くのホテルの庭のサボテンの大きな木から葉を2枚頂いて秘かに持ち帰った。これは違法行為かもしれないが10年以上も前のことなので時効だと私は思っている。そのサボテンが居間の鉢植えで根付きどんどん増えて5つの鉢植えになり、みな元気なのである。今度チュニジアへ行ったら、このサボテンの葉2枚をあの国のどこかに植えるのを楽しみにしている。
わたしのチュニジア十首 松井多絵子
サングラスかければ砂漠はあの冬の東尋坊の荒海となる
ラクダの背に跨り二階のベランダの手すり跨りゆれるがごとし
われの乗るラクダよお前は何歳か贅肉のなきこの背この首
風が来て砂が飛びかい目つむれば風のいさかう音のみとなる
まなうらよサハラ砂漠の風紋をこの線描を忘れてはならぬ
のぼりゆく最後のひとりとなり我は砂丘を見上げ空を見上げる
あえぎつつ砂丘を登りのぼるとき遠き夕日に見られていたり
どうしたらいいのだろうというような砂丘斜面のわれの足あと
オアシスの店にてバラの花を買う風の作りし砂岩のバラを
「孤独とは砂漠のことだと思います」 サハラより日本へ葉書一枚
歌集『えくぼ』より
10月10日 松井多絵子