軽井沢からの通信ときどき3D

移住して10年目に入りました、ここでの生活と自然を写真と動画で発信しています

日本一のシラカバ林

2019-07-26 00:00:00 | 信州
 八千穂高原には素晴らしいシラカバの自然林があり、現地に行くと、「日本一のシラカバ群生地」という看板も見られ、まことにその通りと思える規模と美しさで、シラカバ林が広がっている。関西方面からの来客があると、よくここに案内している。

 すぐ近くには、八千穂レイクという人工湖もありここは管理釣り場になっていて、レインボートラウトやイワナ釣りができるので、違う楽しみもある。

 地元佐久穂町観光協会公式HPには次のような記載があり、「日本一美しい」とこの白樺群生地を謳っている。

 「八千穂高原は北八ヶ岳の東麓に広がる自然豊かな高原。この広大な八千穂高原には、約200haの敷地に50万本の白樺林が堂々と植生し、その群生は日本一にふさわしい優美さ。ヤマツツジ、ミツバツツジ、レンゲツツジ、ドウダンツツジの群生地としても有名で白樺とのコントラストが美しい。
 クリンソウやベニバナイチヤクソウなどの山野草が高原のあらゆる所に咲く頃、白樺やミズナラ、カラマツが一斉に緑濃くなる。八千穂高原の頂上には、2,100m以上の湖としては日本一広い白駒の池があり、苔と原生林が神秘的である。そこは、清らかに流れる大石川の源流でもある。白樺林の中の遊歩道、白樺林に囲まれたキャンプ場、白樺群生地に隣接する八千穂レイクを散策すれば、自然と森林浴も楽しめる。
 紅葉の訪れは、高原一面が白樺とカラマツにより黄金色へと変わる時。その美しさに、多くの写真家が魅了される。雪化粧した高原は、澄み切った白銀の世界。深い青空が雪化粧をした高原をより輝かせ、満天の星空は手を伸ばせば届くかのような光を放つ。このように四季折々の光を心に残す八千穂高原。そこには、いつも白樺の白い森がある」


八千穂高原の案内図(佐久穂町観光協会公式HPより)

 軽井沢からは、佐久平経由で国道141号線を南下し、途中清水町の信号を西に入り、メルヘン街道(国道299号)を登ることになるが、行程50km、1時間と少しで到着する。比較的便利なこともあり、季節ごとに訪れている。

 春の芽吹きの頃、秋の紅葉の頃とそれぞれに、次のような美しい景色を楽しむことができる。


春のシラカバ林1/5(2017.5.22 撮影)


春のシラカバ林2/5(2017.5.22 撮影)


春のシラカバ林3/5(2017.5.22 撮影)


春のシラカバ林4/5(2017.5.22 撮影)


春のシラカバ林5/5(2017.5.22 撮影)


秋のシラカバ林1/6(2018.10.17 撮影)


秋のシラカバ林2/6(2018.10.17 撮影)


秋のシラカバ林3/6(2018.10.17 撮影)


秋のシラカバ林周辺4/6(2018.10.17 撮影)


秋のシラカバ林周辺5/6(2018.10.17 撮影)


秋のシラカバ林周辺6/6(2018.10.17 撮影)

 周辺の草地では、蝶の姿も見られるので、私にとっては尚一層の楽しみがある。最初にこの八千穂高原を訪れた時に、初めてクジャクチョウの飛ぶ姿を見ることができた思い出がある。

 スジボソヤマキチョウやヒョウモンチョウなどの姿もあった。


スジボソヤマキチョウ(2015.9.13 撮影)


ミドリヒョウモン♂(2015.9.13 撮影)


ウラギンヒョウモン♀(2015.9.13 撮影)

 この八千穂高原のシラカバ林のことは、軽井沢に住むようになる以前から知っていたので、現地で言われているとおり、ここが「日本一のシラカバ林」であると思っていた。

 ところが、2015年に東北地方を旅行し、久慈で琥珀採集を楽しんだ後、駅近くに戻って来た際に、地元の観光案内板に、「日本一の白樺林」という文字を見つけて、オヤと思った。


岩手県久慈市の観光案内板(2015.11.11 撮影)


「日本一の白樺林」の文字が見られる、上記写真の部分(2015.11.11 撮影)

 その時は、旅行中で詳しく調べなかったが、帰宅後調べてみると、そのシラカバ林は久慈市の平庭高原のものであることが判った。

 岩手県久慈市の公式HPを見ると、平庭高原を紹介するページには、次のような記述が見られる。

 「日本一の白樺林『平庭高原』です。四季を通じて自然の息づかいを満喫させてくれます。久慈平庭県立自然公園には、スキー場、パークゴルフ、闘牛場、平庭高原ビール工場、ワイン工場、ロッジ、レストラン、キャンプ場、春夏秋冬通じて楽しませてくれる観光地帯です」。

 日本一が二箇所あってはいけないが、どのような経緯でそうなったのか、興味がわいてきたので調べてみることにした。そして、私たちが東北を旅行したのと同じ年、2015年の1月31日付けの産経ニュースに次のような記事が出ているのを見つけて納得した。

 「NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台で知られる岩手県久慈市が1月19日、市内の平庭高原(旧山形村)の白樺林を『日本一』と宣言した。初の本格的調査で、生育本数31万846本▽群落面積369ヘクタール▽国道281号沿いの群落距離4・5キロ-がいずれも『日本一』と分かったためで、市は『あまちゃん』と並ぶ観光の二本柱に育てようと意気込んでいる。・・・
 日本一を宣言したこの日に合わせて制作した国道281号沿いの白樺林をバックに『白樺美林』310000本を超える日本一の白樺ロードへ-の文字が躍るポスターを持つS社長と遠藤市長に満面の笑顔が広がった。・・・
 しかし、(この『日本一』という表現は、それまでも使われていたのであるが)具体的に生育本数や群落面積を調べたことはなく、自称にすぎなかった。・・・長野県佐久穂町が八千穂高原の白樺林を約200ヘクタールの敷地に50万本の『日本一美しい白樺群生地』と宣伝していたからだ。これが正確ならば生育本数は平庭高原の1・6倍以上。強力なライバルの存在にトーンダウンせざるを得なかった。」

 そこで、本格調査を行うことになったが、

 「調査は白樺林に20×20メートル以上の広さの標準的なサンプルを任意に11カ所設定。昨年8~9月の現地調査で生育する白樺の密度が1ヘクタール当たり平均643本であることが分かり、衛星画像で解析した群落の面積369ヘクタールにかけて31万846本の生育本数を割り出した。
 (八千穂高原の場合)白樺が約200ヘクタールに50万本が生育するには間隔が平均2メートルしかなく、客観的にあり得ないとした。これで生育本数と群落面積、さらには国道281号沿いにつづく白樺林の距離約4・5キロを名実ともに『日本一』と宣言した。
 ところで、佐久穂町観光協会が日本一と称する約200ヘクタールに50万本について問い合わせたところ、これも自称だった。『広葉樹の標準植生本数、1ヘクタール当たり3000本から推計したといわれています』という答えで、いつから日本一を称しているかは分からないということだった。・・・
 『日本一の白樺林』宣言を受けて、先月26日から3日間、東京・銀座にある岩手県のアンテナショップのいわて銀河プラザで樹液でつくった清涼飲料水『森の恵み・白樺の一滴』の試飲会が開かれ、反応も上々だったという。第二の『あまちゃん』に地元の期待は大きく膨らんでいる。」

 やや一方的な「日本一」宣言のようにも見えるが、客観的な判断基準も示されているので、佐久穂町のほうでも特に異議を唱える様子もなく、お互いに「日本一美しいシラカバ林」という表現を使ったりしているようである。

 私も、久慈の平庭高原のシラカバ林をまだ見ていないので、美しさについては何とも判定のしようがない。


平庭高原の日本一の白樺林を謳うポスター

 私にはシラカバについて、もう一つ別の子供の頃の思い出がある。当時住んでいた大阪市内にはシラカバの木はなく、珍しさも手伝ってのことであったが、父がまだ若く、戦地に赴いた時のアルバムに、シラカバの樹皮が多数貼られていたのをよく眺めていた。このシラカバの樹皮を見て、若い頃の父の様子や、遠い大陸・満州に出かけていた時の様子などを思い浮かべていたのであった。


父のアルバムの表紙


シラカバの樹皮が貼られているアルバムのページ

 軽井沢の家の庭にはまだシラカバは植えていないが、我が家とほぼ同時期に建てられた隣家の庭に植えられたものは数年たち大きく美しく成長してきている。いずれ、我が家でも植えてみたいものと思っている。

 ところで、シラカバ林のある八千穂高原へのアクセスが昨年から幾分便利になった。中部横断自動車道の建設が進んだからである。現在、上信越自動車道の佐久小諸ジャンクションから中央自動車道の長坂JCTと双葉JCTを経て新東名高速道路の新清水ジャンクションを結ぶ高速道路建設が進められているが、この内、佐久小諸JCTと佐久南ICの間は少し前に完成し、一部利用が始まっていた。

 これに加えて、佐久南ICから八千穂高原ICの間約15kmが昨年秋に完成し、すでに完成していた部分も含めて、佐久北ICから八千穂高原ICの間約23kmが無料で解放され利用できるようになったのであった。このことを報じる地元紙を読んで、我々も早速出かけてみることにした。佐久北ICと八千穂高原IC間の高速道路の利用で、軽井沢からだと10分ほど八千穂高原が近くなる。


佐久北ICから佐久穂IC間の開通を伝える地元新聞軽井沢ニュース

 この中部横断自動車道が全線開通するようになれば、首都圏や中部・関西から八千穂高原までのアクセスが更によくなって、「日本一便利に行けるシラカバ林」と言えるのではないかと、肩を持っている。

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