ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

五位ダム

2016-10-03 15:38:23 | 富山県
2016年9月22日 五位ダム
 
五位ダムは富山県高岡市福岡町の小矢部川水系子撫川にある灌漑用ロックフィルダムで、氷見市と高岡市の用水不足を解消するため1992年(平成4年)に農水省の事業により建設され、運用開始後は富山県が受託管理を行っています。
五位ダムは子撫川の上流にあり、多目的ダムの子撫川と連携して運用されています。
またダム湖畔には『とやまふくおか家族旅行村』があり、キャンプ場やロッジなどが整備されています。
 
高岡市福岡町から県道75号を北上すると五位ダムに到着します。
まずは下流から
左岸の洪水吐導流部と堤体の間に地山があり導流部から堤体はわずかしか見えません。
 
県道から堤体下流面。
草が生え一見アースの様相。
堤体には『夢の水 五位ダム』と描かれています。
 
天端は関係車両以外通行禁止。
歩行での立ち入りは大丈夫。
 
堤体直下で県道がヘアピンを描いています。
 
上流面。
 
堤体下流面。
 
左岸洪水吐。
 
 
洪水吐導流部。
 
0872 五位ダム(0604)
富山県高岡市福岡町五位
小矢部川水系子撫川
57メートル
230メートル
富山県
1992年

子撫川ダム

2016-10-03 15:00:00 | 富山県
2015年12月15日 子撫川ダム
2016年09月22日 
 
子撫川で『こなでがわ』と読みます。
子撫川ダムは富山県小矢部市の小矢部川水系子撫川にある富山県営の多目的ロックフィルダムです。
蛇行を繰り返し豪雨のたびに洪水被害をもたらした子撫川の洪水調節、小矢部市、高岡市、氷見市への上水道供給のほか安定した既得取水権の確保を目的として1978年(昭和53年)に建設されました。
現在は河川維持放流を利用して管理用の小水力発電もおこなっています。
 
小矢部市街から子撫川に沿って県道74号を北上、宮島温泉の二股をダムの標識に従って右手に進むと子撫川ダム右岸に到着します。
天端と上下流面
天端は関係者以外車両通行禁止(2016年9月22日)。
 
下流面(2016年9月22日)。
 
左岸に洪水吐と管理事務所。
 
天端を進むと目につくのが5本の突起が付いた独特の洪水吐。
ウミウシ!!
 
どうしても洪水吐に目が行ってしまう。
 
職員の方にこの突起について質問しましたが『わからない』とのこと。
フェイスブックのダム部でこれは越流の際の振動を抑えるスポイラーだと教えてもらいました。
 
サイズは違いますが同じ富山県の上市川第二ダムの洪水吐にも同様のものがあります。
 
クレストはグリーンのラジアルゲートが2門。
 
洪水吐導流部と減勢工(2016年9月22日)。
 
下流から
45メートルの堤高に対してずいぶん立派な立派なゲートと導流部
洪水吐に沿って桜が植えられており、春は素晴らしい眺めになるそうです。
 
ゲートをズームアップ。
 
ダム湖上流から(2016年9月22日)。
 
とにもかくにも洪水吐の突起が特徴の子撫川ダムです。
 
0863 子撫川ダム(0115)
左岸 富山県小矢部市下屋敷
右岸      同市別所滝
小矢部川水系子撫川
FNWP
45メートル
224メートル
6600㎥/6000㎥
富山県土木部
1978年

埴生大池

2016-10-03 14:58:52 | 富山県
2016年9月22日 埴生大池
 
埴生大池は富山県小矢部市埴生の小矢部川水系渋江川の支流毘沙門川にある灌漑用アースダムで小矢部市土地改良区が管理を行っています。
もともとあった埴生大池が1993年(平成5年)に県営溜池等整備事業で整備され堤高が15メートルとなり河川法上のダムとなりました。
 
小矢部から源平ラインで倶利伽羅峠に向かい矢立山の先で標識に従って右折すると埴生大池に到着します。
天端は車両通行可能です。
 
右岸洪水吐。
 
 
下流面。
草ぼうぼう。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
 
埴生大池。
 
左岸の取水設備。
 
堤体には小さな地蔵堂があります。
 
埴生大池のお万伝説の由来。
古い溜池にはどこにもこの手の人身御供の伝説が残ります。
 
埴生大池の南西600メートルに源平合戦で有名な倶利伽羅峠があり、木曾義仲が用いた火牛の計のモニュメントがあります。
 
0830 埴生大池(0603)
富山県小矢部市埴生
小矢部川水系渋江川
15メートル
126メートル
小矢部市土地改良区
1993年

医王ダム

2016-10-03 14:13:13 | 石川県
2016年9月22日 医王ダム
 
医王ダムは石川県金沢市二俣町の大野川水系森下川にある農地防災と灌漑を目的としたロックフィルダムです。
医王山に源を発し金沢市東部を貫流して河北潟に注ぐ森下川は、洪水のたびに流域農地に洪水被害をもたらす一方で晴天が続くと用水不足に陥り干ばつ被害が頻発していました。
そこで石川県により2001年(平成13年)に建設されたのが医王ダムで、森下川の洪水調節と森下川流域の灌漑用水の補給を目的としており、現在は金沢市が受託管理を行っています。
 
今回は富山県から医王ダムに向かいました。
福光から県道27号を西進、前日訪問した法林寺ダムを通過し石川県に入ると左手に医王ダムへの道が分岐します。
ちなみに県道27号は富山から金沢への抜け道として利用価値大です。
 
上流から。
 
左岸の洪水吐と堤体上流面。
 
洪水吐導流部
大雨のせいか越流しています。
 
洪水吐。
 
竣工記念碑。
 
天端。
 
ダム湖
右岸に管理事務所と洪水吐があります。
 
堤体下流面。
草が生えていますがロックフィルダムです。
 
下流から。
右手は放流ゲート操作室。
 
洪水吐は越流し美しい鱗紋をを見ることができました。
 
0923 医王ダム(0602)
石川県金沢市二俣町
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
大野川水系森下川
FA
58.8メートル
208.2メートル
千㎥/千㎥
金沢市
2001年

太美ダム

2016-10-03 13:05:41 | 富山県
2016年9月22日 太美ダム
 
太美ダムは富山県南砺市の刀利ダム下流の小矢部川にある富山県企業局が運営する発電用重力式コンクリートダムで、小矢部川第一発電所の放流水の逆調整池及び小矢部川第二発電所の取水口として1965年(昭和40年)に建設されました。
ここで取水された水は小矢部川第2発電所に送られ最大1万1400キロワットの発電を行っています。
 
福光から県道10号を南下、刀利ダムの手前で車庫の様な建物が現れます。
実はこれが太美ダムへ下りる管理歩道の入口です。
 
建物には太美ダムの銘があります。
 
 
初春や落葉期には県道からダムが垣間見れるようですが、この時期はまだ葉が茂り堤体を望むことは叶いませんでした。
 
0851 太美ダム
富山県南砺市立野脇大字小院瀬見
小矢部川水系小矢部川
30.5メートル
59メートル
富山県
1965年

刀利ダム

2016-10-03 12:38:43 | 富山県
2016年9月22日 刀利ダム
 
刀利ダムは富山県南砺市刀利の小矢部川源流域にある多目的アーチダムで、農林省(現農水省)の事業で1967年(昭和42年)に建設され、運用開始後は富山県が受託管理を行っています。
富山県7大河川の一つで富山平野西部を流れる小矢部川の洪水調節のほか、灌漑用水の供給を目的とするほか、富山県企業局の小矢部川第一発電所で最大1万2500キロワットの発電を行っています。
 
福光から小矢部川に沿って県道10号をひたすら南下すると右手に刀利ダムが見えてきます。
刀利ダムは同時期に完成した黒部ダムと同じ間組の施工で、オレンジ色のキャットウォークがアーチダムを鮮やかに彩ります。
左岸がウィングの様に張り出しています。
 
2代目のハウエルバンガーバルブ。
初代のバルブは左岸に展示されています。
 
管理事務所が取水口を兼ねています。
奥はインクライン。
 
減勢工
下流の小矢部川第一発電所までは無水区間となります。
 
左岸は重力式コンクリートダムの様に堤体が張り出しています。
プラント跡ではバブルが展示されベンチやトイレが設置されています。
 
天端とゲート操作室。
 
左岸から。
 
左岸に展示された先代のハウエルバンガーバブル。
 
上流から
クレストは6門のローラーゲート。
ゲート中央下にコースターゲートが見えます。
 
右岸から。
管理事務所のデザインも特徴的です。
 
0853 刀利ダム(0601)
富山県南砺市刀利
小矢部川水系小矢部川
FAP
101メートル
219.4メートル
富山県
1967年

城端ダム

2016-10-03 11:18:49 | 富山県
2016年9月22日 城端ダム
 
城端ダムは富山県南砺市の小矢部川水系山田川にある富山県営の多目的重力式コンクリートダムです。
旧城端市街を貫流して南砺市の穀倉地帯を北上して福野で小矢部川に合流する山田川は、豪雨のたびに流域に洪水被害をもたらしてきました。
そこで富山県により1992年(平成4年)に山田川源流部に建設されたのが城端ダムで、山田川の洪水調節、既得取水権の補給及び河川流量の維持、冬期の城端地区の消流雪用水の水源を目的とするほか、河川維持放流を利用した小水力発電で最大370キロワットの発電を行い管理電力に利用しています。
既得取水権の補給については4~11月に地下導水路を通じて城端土地改良区が管理を行う桜ヶ池に灌漑用水の供給を行っています。
 
桜ヶ池から山田川に沿って市道を南下すると城端ダム左岸ダムサイトに到着します。
 
残念ながら堤体は立ち入り禁止。
 
管理事務所には資料室が併設されていますが、祝日のせいか鍵がかかっています。
 
上流面。
クレストは自由越流式。
 
ダム湖上流から
管理事務所からインクライン、堤体中央に取水設備。
 
大雨の影響でオリフィスから放流されていますが、木が茂りダム全体を見れる場所がありません。
 
 
記念すべき600基目のダムは城端ダムとなりましたが、堤体は立ち入り禁止、せっかくの放流も下流からダム全体を見れる場所がなくちょっと消化不良な600基目となってしまいました。
 
0877 城端ダム(0600)
富山県南砺市上原
小矢部川水系山田川
FNS
59メートル
216.5メートル
富山県
1992年

大鋸屋林道溜池(打尾谷ため池)

2016-10-03 10:19:34 | 富山県
2016年9月22日 大鋸屋林道溜池
 
大鋸屋林道(おおがやりんどう)溜池は富山県南砺市大鋸屋の小矢部川水系山田川右支流打尾川にある灌漑用溜池で、1931年(昭和6年)に大鋸屋地区、林道地区によって築造され、大鋸屋林道土地改良区を経て現在は統合した城端土地改良区が管理を行っています。
2011年(平成23年)に農業用水水源地域保全対策事業で整備され現在の姿になっています。
現地の案内板では『打尾谷ため池』と表記されています。
 
南砺市打尾地区で南砺スーパー林道を南に折れ送電鉄塔を目指します。送電鉄塔からはダートになりますがすぐに右手に大鋸屋林道溜池が見えてきます。
堤体はきれいに刈り払われています。
 
上流面。
前々日の大雨で水は濁っています。
 
ため池
朝霧で幻想的な風景になっています。
 
右岸の斜樋。
 
左岸洪水吐。
大雨の影響で水位が上昇し越流しています。
 
下流面。
堤体を斜行して道があります。
 
取水設備からの吐口。
 
取水口からの導水路。
ここで用水路と打尾川に分水されます。
 
減勢工の先は小さな滝になっておりこのまま打尾川となります。
 
再び天端に戻ると朝霧は少し晴れてきました。
ため池のインレットは砂防ダムになっているようです。
 
0826 大鋸屋林道溜池(0599)
富山県南砺市大鋸屋
小矢部川水系打尾川
19メートル
99メートル
城端土地改良区
1931年

赤祖父溜池

2016-10-03 08:35:17 | 富山県
2016年9月22日 赤祖父溜池
 
桜ヶ池は富山県南砺市川上中の小矢部川水系赤祖父川にある灌漑用アースダムで、富山県の事業で1945年(昭和20年)に築造され現在は庄川上流用水土地改良区が管理を行っています。2000年(平成12年)に富山県の溜池等改修事業により整備され2010年(平成22年)には同じ南砺市の桜ヶ池とともに『全国溜池100選』に選定されました。
溜池の水源である赤祖父山麓は現在も水源涵養林として厳密に管理され部外者の立入が規制されている一方、溜池周辺は日帰り入浴施設などが設置されるなど公園として整備され、溜池自体も富山県有数のヘラブナ釣りスポットになっています。
 
県道284号井波井口城端線に砺波ロイヤルゴルフクラブを示す標識がありこれに従って南に折れると赤祖父溜池が見えてきます。
堤体を斜行して道路がつけられています。
 
減勢工と副ダム。
 
洪水吐導流部。
 
左岸洪水吐。
洪水吐にはネットが設置されています。
ゴミ除け用なのか?溜池の魚の流下を防ぐものなのか?
 
左岸の管理事務所は取水設備を兼ねています。
 
溜池の奥は赤祖父涵養林となっています。
溜池周辺は公園として整備され、ヘラブナ釣りのスポットになっています。
 
赤祖父池が支える砺波平野の水田。
 
天端と下流面。
天端はロイヤルゴルフクラブのカートの通路になっており、関係者以外車両の通行は禁止。
 
上流面はコンクリートで補強されています。
早朝にもかかわらず釣り客の姿をちらほら。
 
取水設備で取水された水は円筒形分水工を通じて配水されます。
 
 
大きな水路は国営事業による幹線水路。
細い水路が赤祖父溜池からの水路で立体交差になっています。
 
0828 赤祖父溜池(0598)
ため池コード
ため池百選
富山県南砺市川上中
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
小矢部川水系赤祖父川
31.9メートル
200.2メートル
千㎥/千㎥
庄川上流用水土地改良区
1945年