ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

西村ダム

2016-10-18 22:57:54 | 岐阜県
2016年10月16日 西村ダム
 
西村ダムは岐阜県下呂市馬瀬西村の一級河川木曽川水系飛騨川右支流馬瀬川にある中部電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量が豊富で急流が続く飛騨川水系は戦前から電力開発が進み、飛騨川上流部は日本電力、中下流部は東邦電力により発電事業が進められました。
西村ダムは1938年(昭和13年)に日本電力系列の関西電力(現在の関西電力とは別会社)によって建設され、日本発送電による接収ののち1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により中部電力が継承しました。。
ここで取水された水は流域変更して飛騨川本流沿いの瀬戸第2発電所に送られ最大2万1000キロワットのダム水路式発電を行います。
 
馬瀬川沿いの県道431号を走ると西村ダムが見えてきます。
 
関電と見まがうばかりのブラックゲート4門です。
日本電力による建設ということで黒いゲートになったのでしょう。
 
4門ともゲートが上がっています。
水流の轟音とともに期待が高まります。
 
天端は立ち入り禁止。
 
やったね!4門ともゲート開放しての放流です。
 
黒いゲートに白い水流が映えます。
 
沈砂池の入口。
 
右岸に回ります。
こちらは木が邪魔になりますが、紅葉になればいい絵になりそう。
 
右岸から天端。

 
期待はしてましたがまさか4門放流が見れるとは・・・
満足の西村ダムでした。

(追記)
西村ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1065 西村ダム(0651)
岐阜県下呂市馬瀬西村
木曽川水系馬瀬川
19.5メートル
78.7メートル
276千㎥/200千㎥
中部電力(株)
1938年
◎治水協定が締結されたダム

大ヶ洞ダム

2016-10-18 15:07:34 | 岐阜県
2016年10月15日 大ヶ洞ダム
 
大ヶ洞ダムは岐阜県下呂市萩原町大ヶ洞の一級河川木曽川水系飛騨川左支流大ヶ洞川にある岐阜県県土整備部が管理する目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国土交通省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、大ヶ洞川の洪水調整、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、萩原町宮田地区への上水道の供給を目的として1998年(平成10年)に竣工しました。
 
小坂中心街から国道41号を下呂温泉方面に走ると岩野交差点に大ヶ洞ダムを示す標識があります。これに従って市道を南に進むとドン詰まりが大ヶ洞ダムです。
まずは下流から。
減勢工はカスケード式になっています。
 
クレストは自由越流式が4門。
オリフィスから放流しています。
真下から見上げるとオリフィスの放流とカスケードの眺めが本当に美しいダムです。
陽が傾きカスケードの半分が影になってしまったのが残念。
 
堤体下流は公園として整備されています。
日影になってしまったのが惜しい。
 
天端。
 
ダム湖は旧萩原町にちなんで命名された『はぎの湖』。
 
減勢工
右手は利水放流設備。
 
左岸から。
 
上流面
 
昨年10月からスタートしたダム巡り、記念すべき650基目のマイルストーンは大ヶ洞ダムとなりました。
一泊二日で訪問できるエリアが少なくなってきているのでこれまでの様なペースで訪問ダム数を増やすのは難しくなるかと思いますが、まずは1000ダムを目標にこれからもがんばって行きたいと思います。

(追記)
大ヶ洞ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3013 大ヶ洞ダム(0650)
岐阜県下呂市萩原町大ヶ洞
木曽川水系大ヶ洞川
FNW
42.5メートル
228メートル
450千㎥/340千㎥
岐阜県県土整備部
1998年
◎治水協定が締結されたダム

東上田ダム

2016-10-18 14:06:42 | 岐阜県
2016年10月15日 東上田ダム
 
東上田ダムは左岸が岐阜県下呂市小坂町坂下、右岸が同町大島の一級河川木曽川水系飛騨川にある中部電力(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成により飛騨川流域の発電施設は新たに誕生した中部電力が事業を継承します。
同社は朝鮮戦争特需を契機にした電力需要急拡大を受け、飛騨川水系での新規電源開発に邁進しその一環として1954年(昭和29年)に竣工したのが東上田ダムです。
ここで取水された水は併せて建設された上田発電所に送られ最大3万5000キロワットのダム水路式発電が稼働しました。
 
久々野から国道41号を南下、小坂で飛騨川右岸の県道88号に入ると左下に東上田ダムが見えてきます。
中電レッドの4門のラジアルゲートが並びます。
右奥はダム管理事務所、左手のマンションは中電の小坂寮です。
 
ゲートをズームアップ
河川維持放流が行われています。
 
手前を高山線が通っているのでどうしても電線が入ってしまいます。
 
左岸の取水口。
 
左岸に移ります。
沈砂池。
 
 
中電のダムでは珍しく天端は立ち入り可能。
付近の生活道路や通学路として開放されています。
 
中電レッドのローラーゲート。
 
 
飛騨川中下流には東邦電力時代に建設された古いダムが続きますが、東上田ダムは唯一戦後に建設されたダムです。

(追記)
東上田ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1086 東上田ダム(0649)
左岸 岐阜県下呂市小坂町坂下
右岸        同町大島
木曽川水系飛騨川
18メートル
104メートル
1065千㎥/561千㎥
中部電力(株)
1954年
◎治水協定が締結されたダム

久々野防災ダム

2016-10-18 12:01:13 | 岐阜県
2016年10月15日 久々野防災ダム
 
久々野防災ダムは左岸が岐阜県高山市一之宮町、右岸が同市久々野町無数河の一級河川木曽川水系飛騨川右支流無数河川にある農地防災目的のアースフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業久々野地区によって1974年(昭和49年)に竣工しました。
運用開始後は当時の久々野町が、その後の市町村合併により現在は高山市が管理を受託し久々野川下流域の農地防災を担っています。
 
飛騨一宮から県道98号を進み道の駅『モンデウス飛騨位山』を過ぎると久々野防災ダムが見えてきます。
県道は洪水吐を渡ります。
洪水吐と取水口からの導水路が合流します。
 
堤体下流面。
 
右岸の駐車場に車を止めて見学をします。
ダム湖のあららぎ湖周辺は公園として整備され釣りやウォーキング、登山、キャンプなどが楽しめます。
奥は日本200名山の位山。
 
天端は歩行者のみ通行可能。
ちょうど標高1000メートルにありススキが見ごろ。
 
ダム湖(あららぎ湖)
ボートが2漕、釣りを楽しんでいます。
 
堤体直下も遊歩道などが整備されています。
 
天端はアルプス展望台
正面に槍から穂高が一望できます。
 
堤体下流面
奥は船山。
 
上流面。
 
洪水吐。
 
天気が良かったせいもありますが、ダム周囲はきれいに整備され居心地もサイコー。
時間が許すなら日が暮れるまでここでのんびり過ごしたい、そんな久々野防災ダムでした。
 
1113 久々野防災ダム(0648)
左岸 岐阜県高山市一之宮町
右岸     同市久々野町無数河
木曽川水系無数河川
28メートル
338メートル
1462千㎥/1272千㎥
高山市
1974年

宮川防災ダム

2016-10-18 10:28:14 | 岐阜県
2016年10月15日 宮川防災ダム
 
宮川防災ダムは岐阜県高山市一之宮町の神通川水系宮川源流部にある農地防災目的のアースフィルダムです。
農林省(現農水省)の補助を受けた県営防災ダム事業宮川地区によって1971年(昭和46年)に竣工しました。
運用開始後は当時の一之宮町が、その後の市町村合併により現在は高山市が管理を受託し宮川下流域の農地防災を担っています。
 
飛騨一宮から宮川に沿って県道453号をひたすら西進、標高1050メートル付近で宮川防災ダムに到着します。
岐阜県の防災ダムではおなじみ、堤体下流面に宮川ダムと書かれています。
 
下流面。
 
天端は車両通行可能。
と言っても対岸に渡るとすぐに通行止めですが。
 
上流面はロックフィル。
 
防災ダムなのでダム湖はカラカラ。
 
左岸の取水設備。
 
左岸洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
標高1000メートルを超える場所にありダムはススキが穂を垂れ秋真っ盛り。
 
普段は流水はここから流下させます。
水が驚くほど透明!!
 
1109 宮川防災ダム(0647)
岐阜県高山市一之宮町
神通川水系宮川
29メートル
150.7メートル
1628千㎥/1128千㎥
高山市
1971年

高根第一ダム

2016-10-18 10:01:52 | 岐阜県
2016年10月15日 高根第一ダム
 
高根第一ダムは岐阜県高山市高根町上ヶ洞の一級河川木曽川水系飛騨川にある中部電力(株)が管理する発電目的のアーチ式コンクリートダムです。
1951年(昭和26年)の電気事業再編成により新たに誕生した中部電力は戦後の電力不足に対処するため各地で新規電源開発に邁進、包蔵電力豊富な飛騨川では1953年(昭和28年)に朝日ダム秋神ダム、1962年(昭和37年)に久々野ダムを建設します。
一方1960年代より発電の主力は火力に移りますが、電化製品の普及による電力需要の日量格差拡大受け余剰電電力の有効利用が可能な揚水式発電が着目されます。
中部電力も飛騨川最上流部への新規揚水式発電所建設に着手し1969年(昭和44年)に竣工したのが高根第一ダムです。
当ダムを上部調整池、前年に完成した高根第二ダムを下部調整池とする高根第一発電所で最大34キロワットのの混合揚水式発電が稼働しました。
 
高山市から国道361号を東進、高根第二ダムを過ぎると右手に高根第一ダムのアーチの堤体が見えてきます。
クレストは中電レッドの2門のラジアルゲート。
 
ゲートをズームアップ。
 
右岸ダムサイトから。
 
手前はインクライン
噴き出してる水は沢水でダムの水のラインとは関係ないそうです。
 
揚水式発電を行う高根第1発電所への取水塔。
 
展望台から。
ダム湖は高根乗鞍湖。

(追記)
高根第一ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
1105 高根第一ダム(0646)
岐阜県高山市高根町上ヶ洞
木曽川水系飛騨川
133メートル
276.4メートル
43568千㎥/34013千㎥
中部電力(株)
1969年
◎治水協定が締結されたダム