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寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

夢よ!再び…17

2011年05月11日 08時59分39秒 | 日記
佐川本部長から声を掛けられた長原ちゃんは今気がついた振りをしながら『誰かと思ったら悪酔いおやじだ♪』ニコニコして近付いていきます。
『何が悪酔いだよ…』苦笑しながらグラスを傾けます。
『ここいいですか』
『いいよ!別に俺の家じゃあないしさ』あられをつまみ食いしている佐川本部長はすっかりいつもの顔に戻っていました。恐らく後輩に醜態を晒したくなかったのでしょうね。。『それじゃもう一人くらい座れますね』
『もう一人…』
怪訝そうに見る佐川本部長を制して長原ちゃんは入口に戻りドアを開けるなり一人の女性を招き入れました。
小さく会釈して入ってきたのは赤井さんでした。
『えっ』驚く佐川本部長を尻目に長原ちゃんはズンズンと赤井さんを中へと押し込んで行きました。
『あぁ…赤井さんか』
『お疲れ様です』ペコリと頭を下げて赤井さんは佐川本部長の席まできました。
『いやぁ俺が帰ろうとしたらさぁ…』『えっ!違いますよ』慌てて長原ちゃんの言葉を遮り赤井さんは真っ赤なりました。
そうか…佐川本部長は赤井さんを見ながらすべてを知りました。
たぶん歓迎会で腐っている自分を慰めに赤井さんを連れて来たんだろうと…
『いらっしゃいませ』そこへママさんがおしぼりを持ってきました。彼女はチラッと赤井さんの顔に潤みのある美しい眼指しを向けました。
『いらっしゃいませ』
整然と席を作ります。
この一瞬…火花が散ったのを長原ちゃんや佐川本部長には分からなかったでしょうか(笑) 兎に角長原ちゃんはドカリと腰を据えます。
『さあ飲みましょう』
佐川本部長は笑いました。
『飲もうって俺はすっかり酔っ払っちゃったよ』
確かにバーボンを水割りで10杯以上飲んでいたのです。
『俺は気にしなくていいから長原ちゃん赤井さん飲んだら…』
『はぁ…』あの歓迎会からして今頃はベロンベロンになっているかもと心配して来て見たら以外と冷静だったので長原ちゃんや赤井さんは拍子抜けしました。
『ハハ~ン俺が悪酔いしてくだをまいていると思ってきたら普通なんでがっかりしたんだろう(笑)』
勘の鋭い佐川本部長は笑いながら指摘しました。
長原ちゃんは赤井さんと顔を見合わせながら肩をすくめました。
『ははは♪俺なら大丈夫だって』
余裕を漂わせる姿に先ほどまでの醜態の微塵もありません。
カウンターの向こうからママさんがニッコリ笑っている姿はどこか安堵感がありました。
『な~んだ本部長がグダグダ言ってたらぶん殴ろうと来たのに…』
茶化す長原ちゃん!
黙って佐川本部長の顔を見つめる赤井さん…
佐川本部長は素晴らしい部下を持って本当に幸せな方ですね(微笑)
コメント
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