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寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

鬼の目にも涙…21

2012年01月12日 08時11分06秒 | 日記
懇親会場を後にして私は一路ホテルに向かって車を進めました。
工場のあるこの地方は田舎であります。
賑やかなお店を出ると町並みは直ぐに消えてしまいました。
遼々と続く田舎道(これでも国道です)は黒炭の闇を流し込んだようで遠くに街明かりが点々とあるだけです。
お見送りの騒々しさも置いてきたように、車内は鎮まっていました。
道が黒く見えるのは夕方に雨でも降ったからでしょう。
車内には薄くラジオのFMを流れています。
「〓…〓…」
後ろ座席から軽い寝息…いびきです。(笑)
ほんと! この方(笑) 寝付きがいいんですね♪ 車を出して十分も経ったでしょうか(苦笑)…
私は背後に気を配りながら高速道路の表示のある信号で停まりました。
時間は午後の10時です。
閑散とした交差点は私の車が一台きり、他に何もありません。
これくらい何も無いと行っちゃおうかと誘惑に駈られますが後部座席のVIPの方を思えばやっぱり自重しなくてはなりません。(エライ!)
帰り道は空いているから焦る必要はないのです。
信号が変わる寸前に大型トラックが交差点に入ってきました。
車体を揺らしながら大きくカーブしてきます。
「おい、おい当たるなよ…」独り言が出るくらい際どい運転です。しかしトラックはそんな私の危惧などどこ吹く風、一人乗りの気楽さで黒煙を撒き散らして去ってゆきました…
癪な奴、見てろよ…私はハンドルを握り直して思いました。
こっちは車の王様クラウンです。同じ方向なら直ぐに追い付ける自信がありました。

信号を越えて高速道路のゲートをくぐると私はアクセルを踏み込みます。
グングンスピードが上がりした。
この辺りは直線ですが若干の上り坂ですが
さすがにクラウンですね。勾配も物ともせずスムーズに進みます。
すぐにくすんだ鼠色の大型トラックが見えてきました。
さっきのトラックです。長い上り坂で喘ぎながら黒い排気ガスを吐き出しています。
そら見ろよ(笑)
私は一気に追い抜いていました…

高速道路は小さな峠を越えて平坦なコースに変わりましたが、相変わらず空いています。 「こりゃあ順調だわい…」
私はニンマリして時計を眺めて計算をしました。
たぶんこのままなら一時間ほどでホテルに到着でしょうか…
しばらくして小雨が降り始めたしたが走行には問題ありませんし、後部座席の専務もぐっすりです(笑)
私はだいたい後ろ座席に気を使わない方です。それでも起きてじっと前を見られているよりも、寝ていたほうがやり易いですね。
私たちは最初の研修で「後部座席にどんな偉い人が乗っていようとカボチャと思え、」と習いました(笑)
これは失礼な話ですが、本意は後ろ座席をあまり気にせずいつも通りの安全運転に徹しなさい… という有難い教えであったのでした。
さて車は順調に高速道路を走っています。
途中…人によっては尿意を催す方もいらっしゃいますが、鬼塚専務はほとんどがありませんね(笑)それでも30分を過ぎた辺りでしょうか… 後ろから「ああ~う~」なんか獣みたいな声がしたと思うと専務のお目覚めでした(笑)
「あ~ここはどこ!?」なんとシンプルかつストレートなご質問でしょうか…(笑)
「はい、」私は返事はしましたが…後の答えに窮(きゅう)しました。
…と言いますのが、私もここがどこかわからないからです(苦笑)
それでも「○○辺りです、あと30分くらいでしょう…」と適当に(時間はそれくらいです)相づちをいれました。
「あ…そう」
なんとも気のない返事で私も力が抜けましたが(笑) これくらいでいいのかも知れません。
元々工場回りはドサ回りと言われていますから…普段都会で慌ただしく移動していらっしゃる役員さんは 忙中閑あり…工場回りは時間の観念を消してしまうものなのです…

「プフ~」目覚めの一服を吐き出されると、まだ酔っぱらっていらっしゃるようでした。 「あめ…ですね~」
「?は、はい」
想定外の質問と言いますか…独り言なのか…私にはわかりませんが、兎に角返事はしたものの…
「工場を出てから…」「う~ん…涙雨か…」涙…?
エライことが出てきたなぁ…こりゃあ関知しない方がヨカンベェ(笑)
私は運転に集中することにしました…
コメント
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