ティーラウンジ「ルネサンス」の北側の通路を東向きに進む
中庭に面した廊下の角には、ひっそりと
目立たないところに女性の彫像が置かれていたりする。
窓枠や室内装飾などのパーツがクラシカルで
こういうテイストは宝塚歌劇ファンにはたまらない風に見えるのかなとも思う。
この写真は妻の撮影による。昔は腰までの欄干のみがあって、その上部は中庭とじかに繋がっていた外廊下だったみたいだけど、今は窓ガラスで完全に塞がれている屋内廊下。
これも妻の撮影による。妻が熱心に写真を撮っていたのでわけを聞いてみると、このロケーションは撮影によくつかわれるのだという。
本館のいちばんクラシカルな部分。
ここはかつての正面玄関だったところかな?
両翼の行き止まりのところを上手く活かしきれていないのが少し残念かな。
その上の階はドラクエの宮殿の迷宮のような感じになっている。
天井高さが低く圧迫感があるけれど、赤い絨毯とクリーム色の壁が落ち着いた雰囲気を醸し出していて良い感じ。客室前を歩くのは気が引けるけど、ここは美容室と写真室と控室のあるあたり。隣の東館とはそのまま繋がっているけれども、階の高さが合わず緩いスロープで接続されている。
四角いプランではなくどこに繋がっているのか未知なところがかつての志摩観光ホテルみたいで好きだなあと思った。
本館2階の窓からは中庭が見下ろせる窓がある。その窓の金具がまた郷愁を誘うデザインになっている。フォっフォっフォっ!
本館の正面玄関からすぐの大階段は階段を上ったところが「L階」と称されている。「L階」の「L」は何の意味だ。
昨今の公共施設のバリアフリーへの促進化から考えると、なかなか追いつけていない感がある。
エントランスホールからの動線を考えただけでも、左手のショップへ行くにも正面のティーラウンジ「ルネッサンス」や東館に行くにも右手の本館に行くにも階段を介さないといけない構造にホテル業としての限界を感じているところだと思う。
ここに来て、耐震改修促進化の流れに逆らえなくなった現実。せめてもの救いは宝塚歌劇場の隣に移転先となる土地があり、これまでよりも密に宝塚歌劇場との関係性を保ちながらも、
これから90年100年先にも「宝塚ホテル」というブランドを残せる目処が出来たということだろうと思う。そして悲しいのが、この建物が近い将来無くなってしまうであろうことである。何とかして本館だけでも残して欲しいところである。
宝塚ホテルへ行ってみた【5】《郷愁》