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メラルティンの交響曲第4番「夏の交響曲」について

2008年01月15日 00時11分22秒 | 音楽

バルトークのピアノ曲で、どうしても欲しいのがあって梅田のタワレコと三宮のタワレコをハシゴした日、思いも掛けず10年間探し続けていた某CDを発見してしまった。

 

 

メラルティン:交響曲全集

 

ちなみに彼はフィンランドの作曲家である。フィンランドの作曲家と言えばシベリウスが代表格であるが、私個人としては他に3Mを挙げたい気分である。3Mは私が勝手に名付けたのだけど3人の作曲家の頭文字である。

 

メラルティン(Melartin)

・マデトヤ(Madetoja)

・メリカント(Merikanto)

 

マデトヤの交響曲全集はだいぶ前に購入済みなでそれなりに満足しているのであるが、某書評によるとメラルティンシンフォニーの方が期待大で有る予感がしていたので、ずっとずっとずっと探し続けていたのである。ちなみに、メリカントのシンフォニーのことはほとんど知らないので、現時点では購入意欲は皆無である。

 

そもそも、メラルティンとの出会いは他愛もないCDとの出会いであった。当時、神秘的なものに憧れていた私はCD屋で「白夜のささやき」というCDを購入して見る。ちょうどシベリウスやらニールセンやら一通りメジャーな北欧系シンフォニーを聴き終えたあとなので、新境地を切り開こうとしたのかどうかよくわからないがとにかく買って家で聴いていたのである。

 

その中のある一曲「舟歌」というピアノ曲に私は一目惚れしたのである。そう、それがメラルティンの作曲だったのである。メラルティンの作曲が秀逸だったのではない、シベリウスの某交響曲の超甘美的な旋律と酷似していたのである。それで、メラルティンという作曲家の名前を覚えていたのである。

 

しばらくして、とある交響曲解説集で「メラルティンの交響曲第4番『夏の交響曲』の第3楽章が泣ける」という記事を見つけ、それからずっとCD屋に立ち寄るたびに「M」の棚を覗いては落胆する日が10年間続いたのである。ポリシーと言うわけではないけれど、こうやって探し続けることが趣味のような感じになっていて、私にとって店員に取り寄せしてもらうことや、ネットで購入することは論外なのである。気のせいなんだけれども音が違うような気がするのだ。

 

メラルティンの音楽は、実に美しく、実に雄大で、かつ劇的で、とても新鮮である。ただオーケストレイションへの注意力がいささか散漫で主題や動機が何を言わんとしているのかが、ほとんどと言ってもいいほど理解できない。まるで、クラシック音楽界には全く名前が通らない吹奏楽専用のシンフォニストの曲を聴いているようだ。

 

ただ、シンフォニーというもの自体が標題性求めるべき物ではなく純粋な器楽曲の集大成であるという原点に戻れば、ニールセンのような回帰性に乏しいシンフォニーもまたれっきとしたシンフォニー足り得る所以なのであろう。(但し、メラルティンのそれには、ニールセンほどの類まれな大胆さは無い。むしろ、叙情的・田園的な悲劇性の方が強いのである)

 

さて、『夏の交響曲』の感想である。全4楽章構成だが、特に気に入っているのは第1楽章と第3楽章である。

 

【第1楽章】

牧歌的な主題のあとに、シベリウスばりのシンコペイションを用いた主題が提示される。途中でアイブズの交響曲第2番の終楽章(ラストが不協和音で終わるあの問題作)に近いノリの部分があったりと割と楽しめる。もちろん、不協和音の部分ではなく、それに至るまでの調子のいい感じである。後半にはちゃんとシベリウス風の旋律で壮大なクライマックスが用意されている。

 

【第3楽章】

悲劇性を帯びた幻想的な主題に続いて女声が加わる。8分くらいの所で一度盛り上がりを迎える。この部分を最初に聞いたとき私はドラマ「華麗なる一族」のサウンドトラックのある一つの曲を思い出してしまった。ものすごく美しい部分である。それから管弦楽の雄大なダイナミクスを経て曲は静かに終わる。

 

 これから、他の5つの交響曲も聴いていくとしよう。

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (supikametti)
2008-01-18 09:15:25
おおお、これが噂のメラルティンですね。シベリウスに似ているなら好きかも。私も探してみます。

しかしさすがまっしゅさん、詳しいですね! 「マデトヤ」「メリカント」なんて作曲家、名前も聞いたことすらなかったです
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Unknown (まっしゅ)
2008-01-18 22:25:10
「夏の交響曲」は朝晩毎日最低でも2回ずつ聴いています。
まあ、ビョーキ再発ということで(笑)
また感想など聴かせて頂けると嬉しいです。
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