まっしゅ★たわごと

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“組曲『宿命』~映画「砂の器」公開40周年記念~”コンサートを聴きに行ってきた☆

2014年06月22日 22時00分49秒 | 音楽



指揮者 西本智実
ピアノ 外山啓介
管弦楽 日本センチュリー交響楽団
ホール ザ・シンフォニーホール
日・時 2014.6.22 開場14時 開演15時

ラフマニノフ:ヴォカリーズ
最初の3曲は外山氏の独奏となる。ヴォカリーズは基本的に弦楽合奏がいちばんだと思っているため、ピアノ独奏版を好んで聴くことは今までなかったように思うが、この演奏を聴いて考え方が大きく変わった。何よりも氏の奏でるひとつひとつの音の粒の柔らかさに驚かされる。リチャードソン編曲とのことだが、またこの編曲も後半の盛り上がりが美しくて素敵であった。

ラフマニノフ:前奏曲作品23-4
前曲で拍手がなかったため、そのまま続行して奏される。独奏演奏のリサイタルとかあまり行ったことがないので、拍手のタイミングが謎。流れるような3連音の応酬に心が和む。てゆうか、観客の咳やゴソゴソ音うるさい!!

ラフマニノフ:前奏曲作品3-2「鐘」
前曲がおわるやいなや、大勢の観客が咳払い・・・というより咳を始める。一瞬ニヤっとする外山氏。ちょっと今回の咳の応酬は何ともな感じ。そして演奏開始。冒頭の強打音、無数の和音を鳴らしているのに一糸乱れぬひとつの音として打ち鳴らされる。それなのに丸い音。

芥川也寸志:弦楽のための三楽章
ピアノが片付けられ、微妙な配置だった弦楽器席が定位置に調整される。その間に指揮台も設置される。レイアウト調整後に演奏者入場、チューニング、指揮者登場。切れのある西本智実氏の指揮に心を奪われる。超カッコイイ!!
普段あまり耳にしない楽曲ではあるが芥川氏の色が出ていて面白い曲である。この時代の日本人の作曲家による管弦楽曲はある種の暗い色彩を含んでいるなと私は思う。

<休憩20分>

菅野 光亮:ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」
弦楽器・管楽器・ハープ・外山氏・西本氏のオールキャストでの演奏・・になるはずだったが、弦楽器のチューニング直前にコントラバスの2プルアウトの方の弓が壊れ、舞台裏に弓を取りに行かれる。弦楽器チューニングと管楽器チューニングが終わっても一向に外山氏&西本氏が入場して来ないので舞台裏のベーシスト待ちかなと思っていたところ、係員が数名上手から現れ、不在のベーシストの楽器とベースイスを撤去。代替の弓が見つからなかったらしい。残念。そして、1名欠員のまま曲が始まる。
私の持っているピアノと管弦楽のための組曲「宿命」のCDは、ちょいと演奏が古臭いなと思っていたけれど、その「古臭さ」が完全な演奏の元に奏された。特に管楽器のミュートが良い味を出しているし、たまに楽器編成が薄く聴こえる部分もあるけれど、これは演奏側の都合ではなく作曲側の都合であると思われる。
第一部の「宿命」にゆかりのある音楽との対比も面白いし、今回のピアノ奏者を外山氏としたことは小説の原作の設定である「新進気鋭の若き作曲家、和賀英良」との重ね合わせによるものなのかなあとか思いながら聴くのも面白かったし、何よりも西本智実氏のカッコ良すぎる指揮にウットリさせられた珠玉のひとときであった。





今日の演奏に先立ち、今年の3/30に東京芸術劇場コンサートホールで演奏されたライブ録音を7/23に発売するにあたり、会場で先行販売が行われ、





購入者には公演終了後、CD購入者に限りCDのジャケットに西本智実氏本人によるサインをいただけるとのこと。
終演後、たまたま2階席のなかでもいちばん出口に近い端の席だったので、カーテンコール終了後にサイン会会場にかけつけてみると既に何人かの人がサイン待ちで並んでおられたが、何とか30番以内くらいに入ることができた。写真撮影や握手は出来なかったけれど、2-3言だけど言葉を交わしサインをいただくことができた。サイン後に列の最後尾を見に行ってみると、一階のホワイエからすぐ近くの階段をグルグルグルっと5階まで上がり、そこから待合スペースとなる廊下で管を巻きながら外周を1/4周したところまで連なっていた。少なく見積もってもその数200名以上!!指揮で腕を鍛えていると言っても、本番のあの激しい曲の指揮後にこれだけの人数分のサインを書くのは大変だなあと思った。

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