まっしゅ★たわごと

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「陽だまりの彼女」という小説を読んで泣きかけた。

2012年01月16日 00時54分31秒 | おすすめ
切ない物語である。切ない物語ではあるが悲劇ではないとも思う。そして今日という日を大切に生きようとも思った。明日からではなく、たった今から今まで以上にそうしなければならないとも思った。あらすじなんて語るまい。語ってしまうと、一日かけて宿ったこの情感が消えてなくなってしまいそうだから、消えてなくなってしまわないように心の中にしまっておきたい、そんな物語であった。前半は浮遊感に似た幸福に満ち溢れた物語なのに、途中から切なくなって、切なくなって、不覚にも途中で泣きかけた。小説を読んで泣きそうになるとは、我ながら涙脆くなったものである。

本の帯にはこうある。

ベタな恋愛小説と思わせておいて、おや、ミステリー要素もあるんだなと興味を掻き立て、途中からは悲恋モノ?と心配させながら、最終的にはファンタジーであったのだと発見させる。(中略)恋愛小説はあまり読まない、という人にこそ、自信を持ってお薦めしたくなる。読了した方なら、そんな気持ちをわかって下さると思う。

私は恋愛小説は読まない。あまり読まないというよりは大体恋愛小説なんてものは読んだことが無い。だから恋愛小説が何たるかというのは全くわからない。けど、「恋愛小説はあまり読まない」私に「自信を持ってお薦め」してきた「帯」に感謝したいと思った。

陽だまりの彼女 (新潮文庫)


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