まっしゅ★たわごと

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2019東京ブラブラ-03【田園調布】掟に守られた扇形の街

2019年08月18日 09時55分31秒 | 東京


鉛直に伸びる道路の一つ左手側の道路から攻めてみる。右側の歩道に立つのは郵便ポストではなく消火器。都内の他の市区のものと比べると綺麗に整備されているように思う。



少し進んで振り返るとこんな感じ。とても都内とは思えない静かさである。この方向を6時の方向として、時計回りに回ってみる。



9時の方向。



12時の方向。



3時の方向。



12時の方向に戻って外周部方向に進んでいくと、



宝来公園に行きあたる。



この公園を境に、これより外周部に進むと土地はなだらかに下がっているのがわかる。時間が許せばこの先にも足を進めていたであろうに、東京に住んでいる時に来なかったことが悔やまれる。



今流行りのすり鉢状の土地が広がっているのである。



宝来公園の由来に眼を落としてみる。この公園の成り立ちには田園調布会という謎の秘密結社が噛んでいることが書かれている。



結社ではあるが大田区認定の一般社団法人である。詳しくは町内会を法人化したものである。放射状の起点のそばにそれはある。
公式ホームページはコチラ
公式サイト中に「4. 田園調布に家を建てる方へ 」というページがあって、読み進めてみると、同会が定める「環境保全及び景観維持に係わる規定」というのがなかなか厳しいことを書いている。一部抜粋してみるとこんな感じ。

・現状の地盤高の変更は行わないこととする。隣地とのレベル関係を変更しない事とする。これを証明する為、解体前と解体後の写真を本会へ提出する事とする。
・建築物の最高高さの制限は9メートルとし、地上2階建までとする。
・土地所有者がその土地を分割する場合には、分割後の各々の土地の面積が165平米を下回らない様にすること。
・地階には居住部分は作らない事とする。
・ワンルームタイプの集合住宅は不可とする。
・駅前地区及び近隣商業地域を除き、飲食店、物品販売の商店等兼用住宅の建築は一切認めない。また、事務所としての利用は認めるが、看板の掲出は認めない事とする。
・隣接地(家)のプライバシーに配慮し開口部の位置、大きさに注意すること。
・北側の開口部には不透視性のガラス等を採用すること。
・空調機、給湯器等による騒音、震動(低周波)、換気扇による臭気等隣人に迷惑の掛らぬ様、複数台の設置に際しては、一ヶ所乃至一面にまとめづ建物の各面に分散配置すること。
・敷地周囲には原則として塀は設けず、植栽による生垣とする。塀を設置する場合は、各境界線の1メートル以上内側とする。
・門扉とその袖壁は接道境界線より1メートル以上内側に設置する。その高さは1.5メートル以下とし、門扉は透視可能な構造とする。
・既存樹木は原則として残すこと。
・擁壁及び土留めの最高の高さは地表面から5センチメートル以下とする。
・擁壁は全て傾斜(のり)を付けること。
・工事は平日のみとし、祝祭休日は休みとすること。
・工事用囲いには、道路に面した箇所に外から工事の状況が見える様に透明な樹脂等の窓を設ける事とする。
・空地空家等の管理者(会社)又は所有者名及びその連絡先を明記した看板を当該地に設置すると共に本会に届け出る事。
・想定し得る日常の騒音、振動、臭気、車両の排気音、カーラジオ、アイドリング音等で近隣に迷惑を掛けぬよう配慮する。特に夜間に於ける車両運転時には、急発進、急加速或いは空ふかしは厳に慎む事。

「規定」と言うよりも「掟」と書いた方がしっくりくるかも。
そんな掟に守られた閑静な住宅街のことをウィキペディアで調べてみたところ、田園調布在住の著名人が書かれていた。これはまた次の記事でご紹介。

つづく

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