とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

フジテレビ上席解説委員平井文夫氏はどうして上席なのか2

2018-03-17 16:23:00 | 平井文夫 

 フジテレビ上席解説委員の平井文夫氏の意見は私には理解できないことがあるので、できるだけ避けるようにしている。しかし今回インターネットのホウドウキョクというニュースサイトに「『憂さ晴らし』は時に国を壊す」という動画で意見を述べているのを見てしまった。あまりにひどいので取り上げる。

 最初に平井氏は次のように言う。

財務省の書き換え問題で「内閣は責任を取って総辞職しろ」と言っている人が野党などにいるが何を言っているのか。
 もちろん真相究明すべきだが、首相が行政をゆがめた証拠もないのに、国民が選んだ首相に辞めろ、などと軽々しく言わないでもらいたい

 ここまでの意見は私も賛成である。野党は結論を急ぎ過ぎている。同じ趣旨から安倍昭恵氏の証人喚問もこの段階では要求すべきではない。もし今後もっと事実が明らかになり、安倍夫人にも聞かなければならないことがあるような事態になれば必要になるかもしれない。しかしまだ何も事実はわかっていない。この段階では安倍昭恵氏を証人喚問するのはいくらなんでも行き過ぎである。
 ついでに言わせてもらうとフェイスブックで野党批判を含む投稿に対して「いいね!」をクリックしたことに対して野党が批判しているが、これも大きな問題ではない。自分を応援してくれる人に「ありがとう」の意味で「いいね!」をクリックしたくらいの意味しかないのは明らかだ。こんな揚げ足取りばかりしているから野党はいつまでたっても野党でしかないのだ。
 ここまでは平井氏の意見に賛成するのだが、この後がよくわからない。引用する。

この問題について安倍さんを嫌いな人は「安倍が行政に介入して歪めた」と言い、安倍さんを嫌いじゃない人は「悪いのは安倍ではなく財務省」と言い、双方に歩み寄る余地はない。
 そして互いに罵り合っている。

 この論の展開がよくわからない。そもそも平井氏の意見では安倍さんが好きな人と嫌いな人の2種類しかいないことになる。それは違う。多くの人は安倍さんにはいいところも悪いところもあるが、今回の財務省の文書改ざん事件は財務省が悪いのは当然だが、そこに安倍政権の影がどうしても見えてしまうという疑惑なのである。財務省だけが悪いということにすぐには思われないという事件なのだ。平井氏は勝手な情報操作をし始めているようにしか思われない。

 次に、不思議な例を持ち出す。

国が真っ二つになって双方が罵り合うというのは、米国の大統領選挙、英国のEU離脱もそうだった。
どちらも不満がたまっている人たちの「憂さを晴らしたい」という強烈な欲求がそのエネルギーとなった。
しかし、憂さ晴らしのつけは必ずブーメランになって国民に戻ってくる。
米国ではトランプが何かやらかすたびに国中で大喧嘩しているし、英国は政治的にも経済的にも重大な損失を蒙りつつある。
「憂さ晴らし」は時に国を壊す
去年も同じ風景を見た
確かに威張っている麻生さんが頭を下げて辞任し、昭恵夫人が証人喚問されるのはいい「憂さ晴らし」なのかもしれない。
安倍さんが辞めればもっと楽しいだろう。
でも、その後はどうするの?
今、岸田さん、それとも石破さんに首相ができるのだろうか?
それとも立憲民主党とか希望の党が政権取るの?
 そもそも財務省の公文書管理は改善されるのだろうか。

 ここまでくると酔っ払いのたわごとでしかない。論理が飛躍しすぎていて、まともなマスコミの論説者の意見とは思えない。

 さらに引用する。

今回の風景、どこかで見たようだと考えてみたら、去年の加計学園の騒ぎと似ていた。
あの時も首相が行政を歪めたのではないかという疑惑がもたれて、国論が二分され、支持率は20%台に下がり、自民は都議選で惨敗した。
ところが不思議なことにこれで国民の「憂さが晴れた」のか支持率は回復し、安倍さんが解散したら野党のチョンボもあり、自民が圧勝してしまった。いったいあの騒ぎは何だったのだろう。
国会も司法も財務省の書き換えを解明せよ
前回も今回も使われる言葉は「忖度」。
これは首相の介入の証拠がないことをごまかすために野党とマスコミが使っている言葉。忖度なんて全国各地で毎日当たり前に行われている日本の美徳ではないのか?
 この部分も何を言いたいのか全く分からない。確かに「忖度」をどうとらえていいのかあいまいな点があり、そこは国会議員もマスコミの人も丁寧に扱ってほしいし、そうしないと議論がかみ合わないというのはわかる。その点では平井氏の意見は一理ある。しかし、「忖度」が「首相の介入の証拠がないことをごまかすために野党とマスコミが使っている言葉」と言い切っているのはおかしい。そう言ってもいい場面があるのは理解できるが、それがすべてではないのは明らかだ。

財務省の書き換えはゆゆしき問題だ。
誰が何のためにやったのか国会も司法も解明してほしい。安倍さんが介入したのであれば彼は首相を辞め、議員も辞めるだろう。
ただ真相解明の前に麻生辞めろ、安倍辞めろと言うと、言われた方はハリネズミのように死に物狂いで守りに入る。
結果、真相解明はできなくなる。
そして、その間政治はすべてストップしてしまう。
 国益とは何なのか、を考えてほしい。

 この最後の部分は何を言っているのであろう。安倍首相にやさしくしてやれば自分で真相を語って、やめるはずだという趣旨なのだろうか。それとも国営気のためには安倍首相のほうがいいのでそってしておいたほうがいいというのだろうか。まったくわからない。

 平井氏が安倍首相のお友達で安倍首相側にたって意見を言うのを否定するつもりはない。しかしテレビの解説委員として、もっと論理的なことを言ってほしい。野党の議員の扇情的な非論理的な論理に対抗したいという気持ちに同情したい部分もある。しかし平井氏は言論人である。平井氏の今回の意見は非論理的であり、感情的な意見としか私には思われない。これでは逆に喧嘩をあおっているだけであり、平井氏の主張と矛盾するものであろう。

 議論の前提になるのは論理性である。国会議員のみなさんも、マスコミのみなさんももっと論理的な議論を心がけていただきたい。
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