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夏目漱石の『明暗』

2024-03-02 08:56:42 | 夏目漱石
夏目漱石の『明暗』を読み終わりました。3度めです。かなり長い小説ですが、完結していません。完結する前に漱石が死んでしまったのです。この小説について考えてみたいことをここに書きたいと思います。今回はあらすじを紹介します。

あらすじ

主人公は津田由雄。津田は、勤め先の社長吉川が紹介したお延と結婚している。しかしお延と知り合う以前に清子という女性と付き合っていた。清子は突然津田と別れ、関という男と結婚する。心変わりの理由も判然としないまま津田はお延と結婚する。津田とお延の関係はギクシャクしていて、お延は津田に対して不信感を抱いている。

津田は痔を患い、入院手術が必要になる。お金が必要になり、京都の父親に仕送りを依頼するが、日ごろの不義理のせいで父親は憤慨しており、津田の申し出を拒絶する。金の工面がつかないまま津田は入院する。

津田の妹がお秀はお見舞いに訪れる。父親との諍いも知っており、そのことをいさめようともする。お秀は、津田はお延のせいでおかしくなったのだと思い込んでいる。お秀は津田のためにお金を用意してきていた。しかしそのお金で貸すために津田には反省してもらいたいという態度をとった。そして「嫂さんを大事にしていながら、まだ外にも大事にしている人があるんです」と言い放つ。

その時お延は病室の外にいたのだった。そしてその言葉の先を聞きたいと思いつつ、どうしてもこれ以上は聞いていられなくなり、そしらぬふりをして病室に入る。大切なことを隠しながら続けられる三人の会話はお互いを傷つけながら進み、収拾がつかなくなる。お延も近い親戚から金を準備してもらっていた。二人からの金は宙に浮いたまま津田の下に入ることになった。お金の面では一応の解決はついたが、それはさらなる困難へとつながることになる。
勤め先の社長吉川の夫人が見舞に来る。吉川夫人は、かつて津田が愛した清子が流産し、とある温泉場にいることを告げる。津田に病気療養のためにその温泉宿に行くことを提案する。お金は吉川夫人が支払うと言う。津田はそれを承諾する。

津田の友人、小林が見舞いに来る。友人と言っても津田は小林を苦手としている。津田は小林と退院後にもフランス料理店で会う。小林は朝鮮にいくので餞別を津田に求める。津田はいやいや小林に渡すが、そこでも小林は津田に対して厳しい言葉を投げかける。「人間の境遇もしくは位地の懸絶といった所で大したものじゃないよ。本式に云えば十人が十人ながら略同じ経験を、違った形式で繰り返しているんだ」といい、小林を軽蔑している津田にの態度を忠告する。

津田は温泉場に行く。そこで清子と出会う。

小説はここで終わっています。中途半端であり、この後が気がかりですが、それはもうわかりません。残念です。
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