とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

劇評 NODAMAP公演『逆鱗』

2016-03-03 08:23:09 | 演劇
 2月28日(日)東京芸術劇場 作・野田秀樹 出演・松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶、野田秀樹他。

 人間魚雷「回天」を題材にした舞台。しかし、単なる特攻隊物語にはならない。海の底で一人で死んでいく青年たちは、人魚の世界とつながる。そしてわれわれは海の底を想像する。海の底みるために水族館に行く。

ここにいる魚たちは何を見ているのだろう。
 海のそこで最後に青年は何を見ていたのだろう。
 青年の母は何を思いいきているのだろう。

 最近の野田秀樹はストレートである。前半はとても軽い芝居のように感じられたが、後半の人間魚雷のシーンはリアルに悲惨な状況を描こうとしている。まっすぐに見つめられているような気がする。
 しかし舞台は美しい。悲しいほど美しい。

 演劇というジャンルの中で走り続けた野田秀樹のひとつの成果だ。しかし彼はまだ走り続ける。

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