とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

映画『声優夫婦の甘くない生活』を見ました。

2021-01-25 17:35:48 | 映画
 イスラエル映画『声優夫婦の甘くない生活』を見ました。環境が変わると思うようにいかないことが多い。そんな中で何を大切にすべきなのか。第2の人生について考えさせられる映画でした。

監督 エフゲニー・ルーマン
キャスト ウラジミール・フリードマン マリア・ベルキン

(あらすじ)
 イラク戦争の影響でソ連からイスラエルへ移民したヴィクトルとラヤ。2人はソ連に届くハリウッドやヨーロッパ映画の吹き替えで活躍した声優夫婦だった。第2の人生を謳歌するつもりで移民をしたものの、イスラエルでは声優の需要がないという現実に直面してしまう。生活のためにラヤは夫に内緒でテレフォンセックスの仕事に就き、思わぬ才能を発揮し、一方のヴィクトルは、違法な海賊版レンタルビデオ店で再び声優の職を得る。なんとか生活を軌道に乗せはじめた2人だったが、妻の秘密が発覚したことにより、お互いが長年気付かないふりをしてきた夫婦の本当の声が噴出し始める。

 私たちは自分の環境の中で自分たちの居場所を見つけます。その居場所で自分の生きる術を模索するのです。若いうちならばまだ方向転換もできます。しかしある程度年を取ると、自分の生き方を変えるのは困難です。定年後の生活がうまくいかない人が多いのもそのためです。

 人間は自分の能力を生かして自分独自の仕事をしたいと考えます。たとえ環境が変わっても、人間の価値観はどこでもかわらないと思ってしまい、多少時間はかかってもうまくいくと思ってしまうのです。しかしそううまくはいきません。世の中のためになるような仕事をしたいと思いながら、それができない時、自分を見失います。それはつらいことです。そんな時にどう自分を立ちなおしていくのか。自分の今後の生き方を考えさせられた映画でした。

 登場人物の人生の機微を感じさせるいい作品です。

 この映画の製作者たちは、それでも映画の普遍性を信じています。映画製作者の思いも詰まった作品でもありました。

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