とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

「探究」とは何か

2021-05-19 17:05:49 | 教育
 今教育界では「探究」という言葉が盛んに使われています。「アクティブラーニング」のブームが去り、今度は「探究」がやってきたというようなイメージです。教育界は流行を作り出し、そしてその流行はきちんと消化されないまま終わっていくのが通例です。しかし「アクティブラーニング」も「探究」も昔から言われ続けてきたことなのです。つまりは「考える」ことの重要性を謳っているのです。私たちはそれをしっかりと見据えた授業をしなければなりません。

 私は生徒に次のように言っています。

 最近の教育界のキーワードは「探究」です。みなさんもいろんなところで「探究」という言葉を言われてきたと思います。私もたくさん聞いてきました。しかしその多くは「探究」という言葉を正しく使っていないように思われます。「探究」を「調べ学習」と同じものと考えているとしか思えないようなことをやっているからです。ネットで検索した資料をまとめるだけというようなことを容認しているのです。さらにはそんな無意味な内容をパワーポイントを使ってプレゼンごっこしています。こんなのは「探究」であるどころか、最悪の時間の無駄です。

 では「探究」とは何か。

 そもそも、昔から日本の教育は覚えることが中心でした。たくさんの知識を得ることが日本の教育の基本だったのです。知識量が頭の良さの基準でした。しかしそれは昔の話です。時代は変わりました。ITの進化によって私たちはそんなに知識を必要としなくなってきました。必要ならばすぐに検索できるからです。頭の中に入れている必要はありません。もちろん知識は多くあったほうがいい。しかしかつての受験勉強にように何でもかんでも覚えればいいという時代ではなくなったのです。

 そこで注目されたのが「探究」です。

 「探究」の根本は「疑問」に感じることです。疑問に思うからこそそれを調べ、多くの人に聞き、それももとに自分で考え、自分で仮説を立て、その仮説を検証していくのです。その過程が「探究」です。だからまず鍛えなければならないのは「疑問」を持つことです。「疑問」を持つ訓練をしなければなりません。その訓練は授業中に質問することです。

 とは言え、教師に質問をするのはむずかしい。だからグループ学習をします。友達同士の方が質問しやすい。だから友達同士でできるだけ聞きあい、教えあってください。そして解決できないときは、みんなにとっての大きな疑問になります。それを教師に質問してみてください。それはとてもいい質問になっているはずです。自信をもって質問してください。

 質問する力が「探究」の第一歩です。

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