とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

歌詞 繰り返しの文学

2015-11-03 06:52:52 | 国語
 先に私たち現代人は繰り返し本を読もうとはしないというようなことを書きました。しかし、例外があります。それはマンガと歌です。

 マンガは何度も繰り返し読む人が多い。1冊読むのに30分ぐらいですむし、ストーリーが分かりやすいので読書疲れということもない。逆にリラックスできストレス解消につながるので、繰り返し読むことが多くなります。そして読めば読むほど楽しくなります。

 もう一つは歌です。歌は繰り返し聞きます。最近では特に好きな歌はipodなどを使って何度も何度も聞きます。カラオケで自分で歌う人も多いと思います。これだけ何度も聞けば自然と歌詞を覚えます。歌詞が好きだからその歌を好きになる場合もあるでしょうが、逆もあるでしょう。歌のメロディーや全体の歌の感覚が好きになったため、歌詞を覚えてしまう。するとその歌詞が次第に好きになっていく。

 今は電子機器が発達し、なんでもかんでも簡単に記録されます。パソコンやタブレット、スマートフォンなど、文字でも映像でも音楽でもなんでも記録してくれますし、簡単に取り出すことができます。だから極端な話、もう私たち人間はなにも記憶する必要がなくなった。なにもというのは言い過ぎかもしれませんが、人間の生活が大きく変わってきたのは事実です。暗記はほとんど必要のない行為になってしまったのです。

 昔の日本人はたくさんのものを暗記していました。暗記しないと生きていけないこともあったと思います。ほかに楽しみがなかったので、ひとつのものを繰り返し楽しむ。だから自然と暗記していったという事情もあったのだと思います。とにかくたくさんのものを暗記していました。

 だから昔の日本人はたくさんの和歌を暗記していました。多くの人が百人一首をすべて暗記していたし、漢詩や、ものがたりの一節など空で言えるものが多くありました。そのように丸暗記したものは、ただ暗記したというだけではありません。暗記したひとつひとつの言葉はその人の言葉にだんだんなっていきます。つまりその人の語彙の世界が広がるのです。

 人間は言葉で思考します。だから語彙が広がれば思考の幅も広がり、より柔軟で広がりのあるものの考え方ができるようになります。だから使える語彙は増やしておいたほうがいい。現代人はどうも語彙が少ない。高校生の普段の会話を聞いていても決まりきった言葉しか使わない。作文を見ても同じ。使える言葉が少なすぎる。だから誰が書いても同じような文章になってしまっています。私たちはもっと語彙力を増やされねばなりません。

 私たち現代人は歌が大好きです。その中で歌詞を自然と覚えます。そしてその歌詞が自分の言葉となっていみます。その言葉はそれぞれの思考になっていきます。

 たくさんの歌詞を覚えて、語彙を増やしましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする