中日新聞の「くらしの作文」に「ゆきむし」というタイトルで、67歳の女性が投稿されていました。
昨日、愛犬と近くの公園を散歩していて「ゆきむし」を見かけました。
夕暮れ時、ふわり、ふわりとゆっくり儚(はかな)げに宙を漂っている。
白い綿毛をもつ小さな昆虫。
北国では雪の季節の訪れを知らせるといいます。
北国のように大量に舞うことはないものの、この地方でも見られるようです。
去年の今頃、この公園で初めて見ました。
その頃、夫は脳神経の難病で少し不自由な体ながら、犬と一緒に散歩できていました。
秋空に漂う白いものを見つけて「何やこれは、雪かと思ったら違うなぁ。何か生きものか?」と言いました。
その時は私も、何かで見たようなと思ったものの、すぐにはわかりませんでした。
後日、記憶の片隅にあった言葉がふいに浮かんできて、スマホで調べて確信しました。
そう、ゆきむしだ!
今度見たら、教えてあげよう。
そう思っていましたが、その後は見かけることはなく、病気の進行で、夫は散歩に出かけることも難しくなっていきました。
そして季節は巡って、今年も出会えました。
「『ゆきむし』って言うのよ」。
今は空にいる夫に話しかけました。
「あなたがいない初めての冬が来るわ」
以上です。
>今度見たら、教えてあげよう。
そう思っていましたが、その後は見かけることはなく、病気の進行で、夫は散歩に出かけることも難しくなっていきました。
見たらでなくて、ゆきむしと分かった時点でご主人に教えてあげれば良かったのに。

雪虫(ゆきむし)とは、アブラムシ(カメムシ目ヨコバイ亜目アブラムシ上科)のうち、白腺物質を分泌する腺が存在するものの通称。体長5mm前後の全身が、綿で包まれたようになる。との事です。
この虫が、雪のように見えるんだ。
私は残念ながら見た事がないですが。
ポケベルが鳴らなくて OP 国武万里 1993