「ダリ展 創造する多面体」2(サントリーミュージアム[天保山])
昨日の「ダリ展」の続きです。大阪で開催された展覧会は“創造する多面体”とあるようにダリの絵画以外の仕事にもスポットを当てています。絵画の方は著名な作品がなかったこともあり少々残念でいたが、それ以外の作品などでダリのそれこそ多彩な側面を観る事ができ、そして彼への評価も若干変わりました。
と云うのも昨日も一言触れたのですが、今ボクは寺山修司に注目しているのですが、ダリも寺山に劣らず多様な側面を見せていました。もしかしたらその徹底ぶりは寺山以上かも知れません。“職業、寺山修司”は寺山を表わした有名な言葉であるが、“職業、ダリ”と読み替えても違和感がないほどダリは、ダリを演じたのです。
ダリは自ら自身を商品化しそれを貫き通しました。クリエイティブな分野において第一線で変わらず世間を挑発し続けて、かつ成功を収めている人はそうはいません。彼の奇妙な行動などに対して批判も多いと聞きます。ダリって最低と言う人がいるということは、裏返すとダリって最高と褒め称える人がいるというといことです。
20世紀はメディアが飛躍的に発達し、その流れに乗ってコマーシャリズムの表現も活発化しました。ダリはそんな時代の潮流に巧くのり金銭的成功を得ました。シュルレアリズムの創始者の一人アンドレ・ブルドンから「ドルの亡命者」と揶揄されたダリですが、一方でそれは溢れんばかりの才能と得た金銭対する嫉妬が裏返しにあるのかも知れません。
ダリを芸術家と呼ぶには違和感を感じるのであれば、今風にアーティスト、クリエイターと呼べばどうなんでしょうか?大衆の支持を得ることができた最も成功したアーティストもしくはクリエイターの一人といえないでしょうか。人の心を何らかの形で?むことができたからこそ、こうして美術館で展覧会を開催すると長蛇の列を作ってしまうほどに人気があるのです。
昨年の東京、今年の大阪で開催された「ダリ展」を観ての印象は以上です。特に大阪で開催されたものは先に書いたように、“創造する多面体”であるアーティスト・ダリにスポットを当て、興味も尽きませんでした。(ちなみに写真の男性は私ではありません。偶然撮ってしまった方、ゴメンナサイ。)
てなわけで、大阪で見たダリ展で面白かった作品をいくつか・・・
■催淫作用のあるタキシード
黒いジャケットにいくものコップがぶら下がっている。その中にはリキュールが入っているという。腰の少し上辺りにはブラジャーも見える。ダリはそれを「考える機械」と分類した。こんなびっくりするような発想をするのがダリなのだ。
■レダ・チェア&レダ・ロー・テーブル
よく観ると人の手と足の形が。不気味といえば不気味、フェチといえばフェチ。色は黄金。それがグロテスクさを打ち消している。それがダリのセンス。
■<ヴィーナスの夢>パヴィリオン
ニューヨーク万博で手がけたパヴィリオン。それはインスタレーションという芸術的概念が生まれる前に実践されたもので、館の内部は音とパフォーマンスの要素が組み込まれマルチなクリエイティブ空間であったそうだ。つまりダリは現代アートの先駆者でもあったわけだ。
■「隠された顔」
ダリによる小説、その本。小説を書いたということにおいてもその才能は多彩を極めているが、さらに感動的なのは本の表紙まで手がけているため、正面からダリの世界を具現化している本とも。この本、カッコイイと思ってしまうのはボクだけか?
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過去記事
◆サルバドール・ダリに告ぐ#1・・・『ダリ回顧展』
◆サルバドール・ダリに告ぐ#2・・・『ダリ展』(1982年開催)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#3・・・『奇蹟のダリ宝石展』(1984年開催)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#4・・・「ダリの世界」展(1988年開催)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#5・・・テレビ東京・美の巨人/ダリ
◆サルバドール・ダリに告ぐ#6・・・ミレー《晩鐘》の悲劇的神話/ダリ
◆サルバドール・ダリに告ぐ#7・・・ミレー《晩鐘》の悲劇的神話/ダリ
◆サルバドール・ダリに告ぐ#8・・・『ダリ』(伝記①)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#9・・・「ダリ」(伝記②)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#10・・・「ダリ」(伝記③)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#11・・・「ダリ」(伝記④)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#12・・・「ダリ」(伝記⑤)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#13・・・「アンダルシアの犬」(1928年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#14・・・「世界が愛した芸術家ダリの超現実的な人生」(2004年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#15・・・NHK教育「日曜美術館・ダリ」(2004年2月26日)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#16・・・「ダリ 天才日記」(1990年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#17・・・寺山修司「私という謎」(鏡―ダリ)講談社文芸文庫
◆サルバドール・ダリに告ぐ#18・・・「ブニュエル~ソロモン王の秘宝~」(2001年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#19・・・「白い恐怖」(1954年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#20・・・「BBCスペシャル・キリスト3つの名画の謎」
◆サルバドール・ダリに告ぐ#21・・・「ユリイカ/サルバドール・ダリ」①(1986年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#22・・・「ユリイカ/サルバドール・ダリ」②(1986年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#23・・・魔夜峰央の「ダリ的魔法術」(小学館)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#24・・・「ダリ展 創造する多面体」(サントリーミュージアム[天保山])
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昨日の「ダリ展」の続きです。大阪で開催された展覧会は“創造する多面体”とあるようにダリの絵画以外の仕事にもスポットを当てています。絵画の方は著名な作品がなかったこともあり少々残念でいたが、それ以外の作品などでダリのそれこそ多彩な側面を観る事ができ、そして彼への評価も若干変わりました。
と云うのも昨日も一言触れたのですが、今ボクは寺山修司に注目しているのですが、ダリも寺山に劣らず多様な側面を見せていました。もしかしたらその徹底ぶりは寺山以上かも知れません。“職業、寺山修司”は寺山を表わした有名な言葉であるが、“職業、ダリ”と読み替えても違和感がないほどダリは、ダリを演じたのです。
ダリは自ら自身を商品化しそれを貫き通しました。クリエイティブな分野において第一線で変わらず世間を挑発し続けて、かつ成功を収めている人はそうはいません。彼の奇妙な行動などに対して批判も多いと聞きます。ダリって最低と言う人がいるということは、裏返すとダリって最高と褒め称える人がいるというといことです。
20世紀はメディアが飛躍的に発達し、その流れに乗ってコマーシャリズムの表現も活発化しました。ダリはそんな時代の潮流に巧くのり金銭的成功を得ました。シュルレアリズムの創始者の一人アンドレ・ブルドンから「ドルの亡命者」と揶揄されたダリですが、一方でそれは溢れんばかりの才能と得た金銭対する嫉妬が裏返しにあるのかも知れません。
ダリを芸術家と呼ぶには違和感を感じるのであれば、今風にアーティスト、クリエイターと呼べばどうなんでしょうか?大衆の支持を得ることができた最も成功したアーティストもしくはクリエイターの一人といえないでしょうか。人の心を何らかの形で?むことができたからこそ、こうして美術館で展覧会を開催すると長蛇の列を作ってしまうほどに人気があるのです。
昨年の東京、今年の大阪で開催された「ダリ展」を観ての印象は以上です。特に大阪で開催されたものは先に書いたように、“創造する多面体”であるアーティスト・ダリにスポットを当て、興味も尽きませんでした。(ちなみに写真の男性は私ではありません。偶然撮ってしまった方、ゴメンナサイ。)
てなわけで、大阪で見たダリ展で面白かった作品をいくつか・・・
■催淫作用のあるタキシード
黒いジャケットにいくものコップがぶら下がっている。その中にはリキュールが入っているという。腰の少し上辺りにはブラジャーも見える。ダリはそれを「考える機械」と分類した。こんなびっくりするような発想をするのがダリなのだ。
■レダ・チェア&レダ・ロー・テーブル
よく観ると人の手と足の形が。不気味といえば不気味、フェチといえばフェチ。色は黄金。それがグロテスクさを打ち消している。それがダリのセンス。
■<ヴィーナスの夢>パヴィリオン
ニューヨーク万博で手がけたパヴィリオン。それはインスタレーションという芸術的概念が生まれる前に実践されたもので、館の内部は音とパフォーマンスの要素が組み込まれマルチなクリエイティブ空間であったそうだ。つまりダリは現代アートの先駆者でもあったわけだ。
■「隠された顔」
ダリによる小説、その本。小説を書いたということにおいてもその才能は多彩を極めているが、さらに感動的なのは本の表紙まで手がけているため、正面からダリの世界を具現化している本とも。この本、カッコイイと思ってしまうのはボクだけか?
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過去記事
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◆サルバドール・ダリに告ぐ#2・・・『ダリ展』(1982年開催)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#3・・・『奇蹟のダリ宝石展』(1984年開催)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#4・・・「ダリの世界」展(1988年開催)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#5・・・テレビ東京・美の巨人/ダリ
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◆サルバドール・ダリに告ぐ#7・・・ミレー《晩鐘》の悲劇的神話/ダリ
◆サルバドール・ダリに告ぐ#8・・・『ダリ』(伝記①)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#9・・・「ダリ」(伝記②)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#10・・・「ダリ」(伝記③)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#11・・・「ダリ」(伝記④)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#12・・・「ダリ」(伝記⑤)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#13・・・「アンダルシアの犬」(1928年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#14・・・「世界が愛した芸術家ダリの超現実的な人生」(2004年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#15・・・NHK教育「日曜美術館・ダリ」(2004年2月26日)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#16・・・「ダリ 天才日記」(1990年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#17・・・寺山修司「私という謎」(鏡―ダリ)講談社文芸文庫
◆サルバドール・ダリに告ぐ#18・・・「ブニュエル~ソロモン王の秘宝~」(2001年)
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◆サルバドール・ダリに告ぐ#21・・・「ユリイカ/サルバドール・ダリ」①(1986年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#22・・・「ユリイカ/サルバドール・ダリ」②(1986年)
◆サルバドール・ダリに告ぐ#23・・・魔夜峰央の「ダリ的魔法術」(小学館)
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レスが遅くなってしまって、すみません。
東京から、大阪・天保山までいらしてたんですね~!
最終日だと、確かに(!)、、激混みだったのでは、、と思います。
私も、最終日ではなかったにせよ、ダリって人気あるんだなぁ、と実感しました。
ダリ関連の記事が、こちらでは25本も書いていらっしゃるので、驚きました。
じっくりダリ・ワールドですね。魔夜峰央とか、ユリイカの所とか拝見しました。
とても面白かったです!
また、お邪魔したいと思います~。
また見てやってくださいね。